2005年9月。
僕は撮影の仕事で、とある企業にいました。
残暑の余韻もまだ抜けきれぬ、暑い日だったと思います。
企業の担当者が「森さんに紹介したい奴がいるんですよ〜」と、
ニコニコしながら僕のところへやってきました。
案内された場所に座っていた一人の男に、担当者が僕を紹介しました。
彼は立ち上がり、最高の笑顔でがっちりと手を握ってきました。
自己紹介もままならないうちに彼は、鞄からプリントアウトされた一枚のモノクロ写真を取り出しました。
そこに映っていたものは、幕末の志士たち。
坂本龍馬や大久保利通など有名な人達の中には、十代前半の若者も数多くいました。
「日本を元気にしたいんです。」
「もっともっと夢と希望と、笑顔に溢れた日本になれるはずなんです。」
「居酒屋が、外食がもっともっと元気になる事で、そんな世の中になれるはずなんです。」
「そのために全国の居酒屋に呼びかけて、居酒屋甲子園というイベントをやるんです。」
「幕末の志士たちのように夢を語り合える、そんな仲間達が全国から集まるんです。」
息もつかせぬ勢いで、熱い想いを語るこの男。
気が付くと僕は、大嶋啓介という存在に引込まれていました。
その日から約一年前。
独立する前にお世話になっていた企業で僕は、貴重な経験をさせてもらっていました。
パートナーと呼ばれる名もなき無数のアルバイトの若者たちに光を当てる。
彼らの「想い」や「希望」を共有するために、雑誌を創る。
パートナーズフォーラムという、想いと成果を共有するためのイベントを行う。
そのような仕事を手がけてきた僕にとって、居酒屋甲子園との出会いは本当に運命の糸に導かれたかのようでした。
「来週のMTGに出て下さい。」
「一緒にやりましょう。」
出逢って3分。
僕は居酒屋甲子園への一歩を踏み出していました。
あれから半年が経とうとしています。
九州から北海道まで、出場5店舗すべてを周り、その思いをVTRにし、経営者や従業員のみんなと共にプレゼンテーションを創りました。
必死になって夢を追い続ける人がいた。
最高の「ありがとう」を伝えるためのステージを創ろうともがいている人がいた。
すべての店舗に「日本一の笑顔」があった。
まるで幕末の志士たちのような光景に、僕は出逢うことが出来た。
一人でも多くの人達にこの「名もなき志士たち」の想いを届けたい。
そして日本に、世界に、希望の灯をともしたい。
居酒屋甲子園実行委員会の熱い仲間達、そして日本中に存在する無数の居酒屋たちと共に、その「夢」を叶える日は、もうすぐそこまで来ている。
居酒屋甲子園に関わるすべての人たちに、感謝を込めて。
有限会社サードステージカンパニー 森憲一 |