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高次脳機能障害の程度はどうかを判断する方法が分かる

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交通事故サポートセンター(橋本行政書士事務所)

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等級認定のポイントと認定基準

自賠責保険での高次脳機能障害は、脳の器質的損傷によるものです。
後遺障害等級は

@高次脳機能障害とするべき案件か
A障害の種類は程度はどうなのか


を検討して等級の認定が行われていきます。


こちらのページでは
A障害の種類と程度はどうなのか
について説明します。

@高次脳機能障害とするべき案件か
は別ページで説明していますので、そちらもご参照ください。

【このページの目次】

1.障害の程度はどうか(立証方法)

高次脳機能障害の程度を判断するためには、記憶力や理解力が低下したことなどとともに、事故受傷の前後で、被害者の社会的行動能力(日常生活、社会生活)に違いがあり、支障が出ていることなども理解する必要があります。

従って適正な後遺障害等級の認定には
「医師の診断による具体的な所見」
「家族や介護者(あるいは本人)による日常生活状況の報告」

が重要な二つの柱となります。

2.医師の診断による具体的な所見

神経系統の障害に関する医学的意見>

ポイント以下の項目についての所見が求められます。

1.画像(脳MRI、脳CTなど)および脳波
  • これらの医学的検査において、検査名・検査日と特記すべき所見を示します。

2.神経心理検査
  • 知能テスト(WAIS-R、MMSE、長谷川式知能評価スケールなど)や
    言語機能の検査(SLTA、WAB失語症検査など)、
    記憶力の検査(三宅式記銘検査など)
    などの結果と所見を示します。
  • 検査内容の詳細はこちらをご確認ください → 神経心理検査(知能テストなど)

3.運動機能
  • 「左右上肢」「左右下肢」「体幹」について、それぞれ4段階で判定します。体幹以外の項目については筋力も示します。

4.身の回り動作能力
  • 下記の日常動作について、自立してできるかどうかを4段階で判定します。
  • 食事動作 更衣動作 排尿・排尿動作
    排便・排便動作 入浴動作 屋内歩行
    屋外歩行 階段昇降
    車椅子操作 公共交通機関

5.てんかん発作の有無。有の場合は
  • @治療のために使用している抗てんかん薬の種類と量
    A治療を行ていても発作がある場合にはその頻度
    B多くみられる発作の型
  • を記載します。

6.認知・情緒・行動障害
  • 下記の項目について、それぞれ4段階で判定します。
  • 1 以前に覚えていたことを思い出せない
    2 新しいことを覚えられない
    3 疲れやすく、すぐ居眠りする
    4 自発性低下、声かけが必要
    5 気が散りやすく飽きっぽい
    6 発想が幼児的、自己中心的
    7 話がまわりくどく、考えを相手に伝えられない
    8 周囲の人との意思疎通を上手に行えない
    9 複数の作業を同時に行えない
    10 行動を計画したり、正確に遂行することができない
    11 粘着性、しつこい、こだわる
    12 感情の変動がはげしく、気分が変わりやすい
    13 感情や言動をコントロールできない
    14 ちょっとしたことですぐ怒る
    15 暴言・暴力
    16 性的な異常行動・性的羞恥心の欠如
    17 ふさぎこむ、気分がおちこむ
    18 特に理由もなく不安を感じている
    19 夜、寝つけない、眠れない
    20 幻覚や妄想がある
    21 受傷前と違っていることを自分では認めない


7.上記6の症状が社会生活・日常生活に与える影響について
8.全般的活動及び適応状況について

  • を具体的に記載します。

<頭部外傷後の意識障害についての所見>

以下の項目についての所見が求められます。

1.意識障害の有無、その推移について、下記の表への記載をします。


時期 刺激しても
開眼せず
刺激すると
開眼
刺激なしで
開眼
意識清明 不明
初診時
約6時間後
約24時間後
約1週間後
約1か月後
1か月以上

  • ※該当する意識レベルに○印を記入します。
    ※意識障害なしの場合は[意識清明]に○印を記入します。
    ※JCSやGCSで確認していれば、そのスコアを記入します。


2.外傷後健忘の期間(本人が覚えていない期間)について記載します。

3.その他、意識障害の所見について特記すべき事項があれば記載します。

3.日常生活状況報告

被害者と共に日常生活を過ごしている家族や介護者、職場の同僚や学校の同級生などから、事故前後での被害者の言動の変化を具体的に聞き取り、報告書として資料にします。

1.日常活動について

  • 下記の項目に関して受傷前と受傷後について、それぞれ6段階で判定します。
  • 1 起床・就寝時間を守れますか
    2 日課にしたがった行動をしていますか
    3 言葉による指示を理解できますか
    4 言いたい内容を相手に十分伝えられますか
    5 電話や来客の意図を理解して相手に応対し、家族へ適切な伝言ができますか。
    6 適当な量の食事を適切な食事時間に食べていますか
    7 簡単な食事の準備から調理、配膳や食器洗いができますか
    8 部屋の掃除や整理、後片付けなどができますか
    9 洗剤の準備や洗濯機の操作、洗濯物干し、取り入れ、片付けなどができますか
    10 通勤や通学あるいは通院などときに、安全に行き帰りできますか
    11 交通機関の利用で、切符購入、乗車、乗り換え、目的地での降車などができますか
    12 施設や病院等との連絡・調整、役所での必要書類の作成などができますか
    13 日用品程度の物品を選んで、買い物ができますか
    14 日常生活に必要な金銭管理ができますか
    15 体調を適切に判断して、体調不良の相談をしたり、簡単な傷の処置ができますか
    16 服薬の必要性を理解し、服薬の時間、量を間違わず、飲み忘れがないですか
    17 病院受診について、治療の必要性などの理解や判断ができていますか
    18 保険証や預金通帳、財布などの大切な物の管理ができますか
    19 他人からの借り物やレンタルビデオなどの返却ができますか
    20 タバコの火やガスの始末、家の戸締りなど安全のための管理ができますか
    21 メモ帳やカレンダーを利用して予定を管理できますか
    22 キャッチセールス、ダイヤルQ2、迷惑メーなどに適切に対応できますか
    23 落し物、金銭の不足、道に迷うなどの日常生活で問題が起きた時に対処できますか
    24 円滑な対人関係を保っていますか。トラブルはないですか
    25 人と付き合う場合に、社会常識や基本的マナーに基づいた行動をしていますか
  • さらに就学している場合には、以下の項目についても判定します。
  • 26 毎日の授業についていけますか。補習が必要になっていますか
    27 学校から家庭へ向けたお知らせを、忘れずに家族に告げられますか
    28 休み時間や放課後に、沢山の友達と話したり、遊んだりしていますか
    29 翌日の授業のための準備ができますか
    30 休まずに学校に行って、授業も普通に受けていますか

2.問題行動について
  • 下記の項目に関して受傷前と受傷後について、それぞれ6段階で判定します。
  • 1 顕著な子どもっぽさ、年齢にそぐわない甘えや依存がありますか
    2 ムッとする、怒る、イラはいイラなどの表情や態度がみられますか
    3 大声や奇声あるいは不適切な発言など、場にそぐわない言動がありますか
    4 他傷・自傷、あるいは物を壊すなどの暴力をふるうことがありますか
    5 菓子や食べ物、酒やタバコなどは誰かに注意されるまでやめることができないですか
    6 うまくいかないことがあると、家族や友達、あるいは同僚の責任にしますか
    7 手をいつまでも洗っている、電気を消して回るなど、強いこだわりがありますか
    8 他人が迷惑と感じるような強い思い込みがありますか
    9 じっとしていられずに、落ち着き無く動き回ったりしますか
    10 周囲に恐怖を与える行動や、盗みなどの行為がありますか。

3.日常の活動および適応状況
  • 下記の項目について該当するものに○を付けます。
  • 1 家庭、地域社会、職場、または学校などの広い領域において、問題なく良く活動・適応している
    2 家庭、地域社会、職場、または学校で、効率良く順調に活動・適応している
    3 家庭、地域社会、職場、または学校における行動や人間関係に、ごくわずかな障害がある
    4 家庭、地域地会、職場、または学校でいくらかの困難がある。しかし全般的には良好にふるまっていて有意義な対人関係もかなりある
    5 家庭、地域社会、職場、または学校で、中程度の困難がある
    (例・友達が少ししかいない。友人あるいは職場の同僚とトラブルを起こすことがある)
    6 家庭、地域社会、職場、または学校で深刻な障害がある
    (例:友達がいない。仕事が続かない)
    7 家庭、地域社会、職場、または学校で、重大が障害がある
    (例:友人を避け、家族を無視し、仕事ができない。子供の場合、しばしば乱暴をし、家庭では家族に反抗し、学業は同級生についてゆけない)
    8 家庭、地域社会、職場、または学校で、役割を果たしたり、人と関わることができない。
    (例:家屋内あるいは自室に引きこもり。仕事も家庭も友人関係も維持できない)
    9 最低限の身辺の清潔や健康維持もできない部分がある。一人ではほとんど生活を維持できない。
    10 最低限の身辺の清潔や健康維持を持続的に行うことができない。


4.上記1〜3の症状状態が、社会生活・日常生活にどのような影響を与えているか
事故前後の生活状況の変化、現在支障が生じていることなど具体的に記入します。

5.就労・就学状況

  • 就労、就学状況について、事故前と現在について、就労(就学)しているのかしていないのか、職場復帰したか変わったのかなどについて記載します。
    その理由やいきさつも記載します。

6.身の回り動作能力
  • 下記の項目について自立してできるかどうかを、4段階で判断します。
  • 食事動作 更衣動作 排尿・排尿動作
    排便・排便動作 入浴動作 屋内歩行
    屋外歩行 階段昇降
    車椅子操作 公共交通機関


7.上記6に基づいて声かけ、見守り、介助が必要な理由、その内容、頻度を具体的に記載します。

4.等級認定における(資料の信用性)

自賠責保険での認定は、先に説明した
「日常生活状況の報告(家族や近親者から)」 「神経心理学的検査(医師の所見)」 を中心にして判断されます。

ですがどちらも作成者の主観的な判断をまとめたものですから、等級の判断をする際にはその内容の信用性に疑義が生じる場合があります。

両者の内容がほぼ一致するのであれば、その信用性は原則として問題になりません。

両者の内容に矛盾があると見られる場合

  1. 医師の所見は医学的かつ客観的な意見である
  2. 障害を負ったために生じた生活状況の変化は、事故にある前から日常的に被害者に接している家族などでないと分からない

などの理由から、どちらを優先するかを決めておくことは妥当ではありません。

結論としてはその事案ごとに判断するしかありませんので、その都度慎重に検討する必要があります。


関連項目

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