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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
交通事故の被害者は誰しも後遺症が残るなんて考えていない、あるいは考えたくないと思っているはずです。しかし現実に神経症状(痛み)が残っている、骨が変形している、傷跡が残っている、ということであれば今後一生その後遺症と付き合って生きていかなければならないわけですから、それに見合った賠償額を獲得するべきです。
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後遺障害等級が認定されれば、損害賠償額は大きく変わってきます。
全損害賠償額のうち、後遺障害による損害が占める部分は6~9割!
ですが医師任せ、保険会社任せでは本来認定されるべき適正な後遺障害等級が認定されないかもしれません。今痛みを感じているのは自分です。
自分の症状はどうなのか、それによって認定されるのは何級の何号であるべきかということを理解して、後遺障害診断書を書く医師に正確に自分の状態を伝えましょう。
後遺障害等級が認定されると、以下のような効果(メリット)があります。
後遺障害等級が認定されると、その等級に応じた後遺症慰謝料と逸失利益を請求できる根拠となりますし、逆に言えば後遺障害等級が認定されなければ、後遺症慰謝料と逸失利益は請求できません。
そして当然のことながら、何級が認定されるかということも、非常に重要です。
例えば14級なら、後遺障害の部分だけで考えれば、保険会社が仮に100万円の提示をしてきたとしたら、交渉で(あるいは裁判でも)上げてもせいぜい200万円か300万円です。
これが12級なら、保険会社の提示250万円に対して、800万円とか1200万円とか、そういった話し合いになります。
10級なら500万円の提示に対して、2000万円とか4000万円とかの交渉になります(年収や年齢で賠償金額はかなり変わります)。
どんな人が交渉をしても14級で1200万円とか4000万円の話はできないわけですから、金額交渉のベースとなる後遺障害等級は、交通事故損害賠償において最も重要だと言ってもいいと思います。
後遺障害等級が認定されると、後遺障害部分の賠償のうちの自賠責保険から支払われる分について、被害者請求をすることによって相手側保険会社と交渉を始めるまえに先取りすることができます。
後遺障害の申請を被害者請求で行った場合の他、後遺障害の申請を任意保険会社に任せる「事前認定」で行ったとしても、その後後遺障害分について被害者者請求をすれば、相手側任意保険会社と示談が済んでいなくても、自賠責分を先に受け取れるのです。
金額で言うと、14級なら75万円、12級なら224万円という感じで、それを上回る部分について、改めて任意保険会社と話し合い(示談交渉)をするのです。
自賠責の後遺障害等級が認定されることにより、相手からの損害賠償金の他に、自分が加入している損害保険や生命保険から支払いを受けられることがあります。
自分の自動車の搭乗者傷害保険や、県民共済などが考えられますが、その他にも自分が加入している保険は全て証券や約款を確認しましょう。
交通事故に限らず人が災害で被災した場合、治療をしても被災前の状態には完全に回復しないことがあります。このような体や精神の不調を一般的には「後遺症」と呼んでおりますが、損害賠償の分野では「後遺障害」と呼ぶことがあります。
これは自賠責保険や労災保険が、残存した障害の程度に応じて等級を決め、保険金の限度額を決めているという制度になっているためです。
簡単に言うと、後遺症のうち、賠償金や保険金などお金に関することを考えなければならない場合は後遺障害と呼ぶ、
と考えればいいと思います。
残ってしまった症状を後遺障害として保険会社に補償してもらうには、「後遺障害等級」として「認定」されなければなりません。
その認定を受けるためには、「申請」をする必要があります。
ことで「申請」をします。
後遺障害の申請から認定までの手続きの流れはこちらで詳しく説明しておりますので、ご参照ください。
後遺障害が認定されるためには、以下のような条件があります。
自分では当然交通事故が原因だと思っていても、客観的に見てそうでなければなりません。例えば追突事故に遭ってから数日後に首が痛くなったが、仕事の都合などで初診を受けたのが2~3週間後になってしまった、というような場合は、その間に何かあったかもしれない、事故ではなく自分の病気やケガではないか、という疑念を持たれてしまい、「相当因果関係なし」と判断されてしまうことがあります。
つまり症状固定日以降でないと、後遺障害等級は認定されません。事故後どれくらい経つと症状固定日になるのかは怪我の内容にもよりますが、多くの場合は「6か月以上」が目安です。手指の切断など、回復しないことが明らかな場合は6か月以内でも構いませんし、高次脳機能障害などの場合は症状固定まで1年以上様子を見ることもあります。
ただ単に「手首が曲がらない」というだけではなく、関節付近の骨の癒合が思わしくないとか、橈骨神経が損傷しているなど、その原因となる理由が証明、説明できなければなりません。
後遺障害の内容は自動車損害賠償保障法施行令で、最も重篤な1級から、後遺障害としては最も軽い14級までの14段階、部位別に140種類に細かく規定されています。
このいずれかに該当することが、後遺障害等級が認定される、ということです。
ただ、それぞれの規定の「詳細な認定基準」は自賠法では公表されておらず、原則としては労災の認定基準に基づいて検討していくことになります。
例えば、12級6号は障害の程度として「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」とされています。この規定の実際の認定基準は、「障害が残った関節の可動域(曲がる角度)が、傷害を負わなかった方の上肢の同じ関節の可動域と比較して、他動で3/4以下に制限されている場合」となっています。
(他動とは、医師などの検査をする人が手を添えて患者の関節を曲げることです)
任意保険会社、または自賠責保険会社に対して後遺障害の申請をすると、しばらくして後遺障害等級の結果の通知が送られてきます。
そしてその認定結果に不服がある場合、「異議申立て」と呼ばれる再申請ができることになっています。
「自分の後遺障害等級はこんなものじゃない!」と不服を申し立てるのです。
ですが一度認定された結果について、それを覆すためにはそれなりの根拠が必要です。そのためにはまず、現在の結果となった「理由」をよく理解して、それを覆す、あるいは自分の主張を補うような証拠を用意するのです。
被害者の方が不服に感じる認定結果と後遺障害診断書を見ると、必要な検査をしていない、所見が書かれていないなど「記載が足りない」場合が結構多いです。
その様な場合は、目指す等級の「認定基準」をよく理解しながら、初回の後遺障害申請に足りなかった部分を医師にお願いして検査してもらったり意見書を書いてもらうなどして、「新たな医証」を用意したうえで、自分の考えを説明する文書を作ります。
むち打ちで、スパーリングテストやジャクソンテスト、その他の徒手検査などをしていたのに検査結果が思わしくなく、等級認定も「非該当」だったような場合、それでも自分ではこんなに痛いんだから等級が付かないのはおかしいと確信、もしくは見込みを感じているのであれば、例えば針筋電図を受けたり、もっと解像度が高いMRI画像の検査を受けるなどしてみることも方法としてはあり得ます。
ですが異議申し立てをしても時間のムダ、ということもありますので、その見極めも必要です。
例えば肩関節の運動(曲がる角度)に障害が残っている場合、怪我をした方の肩関節の可動域が健側に比べて4分の3以下に制限されていると12級6号ですが、最初に出した後遺障害診断書に良い結果(4分の3以上曲がるよ、という結果)が書かれていてそれが提出されていたら、それを異議申立てで覆すことはまず不可能です。
また、治療の途中で通院しなかった期間が1か月以上空いてしまっていて、そのことが理由で「因果関係が不明なので交通事故の後遺障害とは認められない」とされていたら、その通院の空白期間によほど合理的な理由が無い限り、覆すのは非常に困難です。
その様な場合には、異議申し立てをしないで時間を節約する、という選択肢を選ばざるをえにこともあります。
後遺障害等級が認定されるためには、当然のことながら後遺障害診断書の書き方が非常に重要です。ですが問題は医師が、「後遺障害等級が取れるような効果的な後遺障害診断書を
書こうとは思っているとは限らない」ということです。
→ 【関連項目】
後遺障害診断書のチェックポイント
医師は後遺障害診断書の書き方を知らない、などと言うつもりはありませんが、少なくとも後遺障害等級の認定基準を理解した上で等級が取れやすいように書いている、という方は多くはありません。
医師としては「どれほど回復したのか(治したのか)」を成果として確認したいのは当然のことで、患者もそれを望んでいるのですが、こと「後遺障害診断書」に限っては「どれほど症状が残っているのか(治しきれなかったのか)」を詳細に確認しなければならないのです。
ですから被害者としては、等級を取るためにはどういう検査が必要なのか、どういう記載が望ましいのかを理解した上で、後遺障害診断書をチェックし、場合によってはこちらから医師に検査の依頼や必要事項の記載の補足をお願いする必要があります。
交通事故の後遺障害等級は、6か月通院しても首が痛ければ14級が認定される、膝関節の可動域が3/4以下に制限されていれば12級が認定される、というような単純なものではありません。
後遺障害診断書に上記のことが記載されていることは重要ですが、その他の要件もそろっている必要があります。
そのためにはどうしたらいいのか、「等級認定されるためのポイント」を以下にまとめてみます。
怪我の回復は、医師と患者が協力して進めていくものですが、当然医療知識のある医師の主導で、治療方針などが決められていきます。
その怪我の回復のためにはそれがいいのかもしれませんし、それぞれの病院の事情などもあるのかもしれませんが、もしかしたら後遺障害等級を取るためには最善ではないかもしれません。
例えばむち打ち(頚椎捻挫)に対しては理学療法などのリハビリが必要が事が多いのですが、その病院にリハビリの設備がないために痛み止めを2週間分処方して、「また2週間後に来てください」などと言われることがあります。
あるいは、その医院の医師の親類が接骨院を経営していることなどから、接骨院を指定してリハビリの指示をする医師もおられます。
頚椎捻挫で後遺障害等級が認定されるためには、通院回数(頻度)も重要な要因です。多ければいいというわけではありませんが、少なすぎては話になりません。
接骨院や整骨院などの柔道整復師の施術も、症状の改善には有効なことが多いと思いますが、後遺障害等級の認定に際しては「通院」とはみなされませんので、注意が必要です。(通院慰謝料を考える際には通院回数とみなされます)
また、上でも説明したように後遺障害診断書の内容についても、「医師が書くものだから大丈夫」などと医師任せにはしないようにしましょう。
「後遺障害等級が認定されるために必要な事項」は、被害者が理解しておかなければならない、と肝に銘じてください。
交通事故の場合、通常は加害者の任意保険会社の担当者が、被害者の治療費の支払いや後遺障害の手続きなどを代行してくれます。
これは全く正しい提案です。
保険会社の担当者の対応は様々で、本当に心から被害者のことを思ってくれているように感じる人もいれば、「お前は私の客ではない」とばかりにぞんざいな対応の人もいます。
「まったくのウソ」をつく人は論外ですが、どのよう担当者でも、その人が言うことは「被害者にとって最善のこと」と「間違いではないが被害者にとっては最善ではないこと」が含まれています。
例えば被害者にも過失がある場合、保険会社の担当者は「被害者の負担を減らすためにも健康保険を使って治療をしてください」などと提案してくることがあります。
被害者に過失がある場合は、医療機関に支払う治療費のうち、自分の過失分は自分で負担することになります。健康保険を使うと、同じ治療をしても治療費そのものを低く抑えることができますので、自分の過失分を支払う場合でも、その分低く抑えることになります。従って保険会社担当者のこの提案は、被害者にとっても非常にいいことです。
ただ、治療費が低くなるということはそれだけ病院の儲けが減るということです。健康保険を使うかどうかで医師の対応が違ってはいけないのですが、医師も人間なので、例えば被害者に人身傷害保険がある場合などは被害者過失分は人身傷害保険から出るので被害者の負担は増えませんから、そのような場合は医師に、のちのちこちらの話を気持ちよく聞いてもらうために、あえて(過失があるのに)健康保険を使わないという選択が、もしかしたら被害者にとって最善かもしれません。
これは特に難しい選択ですが、その他にも似たようなことがあるかもしれませんので、やはり正しい知識を身につけることや、専門家に相談することが必要となってくると思います。
★自分の場合は? →
正しい知識を身につけると言っても、初めて(または二度目)遭った事故ですから、事前の準備もなければ、知識を身につける場もよく分からないと思います。
ネットで調べた情報も、自分にとって最適なのかどうかは分かりませんので、ある程度のことが分かった時点で、専門家に相談してみてください。
<関連項目> |
●眼の障害 ●耳の障害 ●鼻の障害 ●口の障害 ●醜状障害 |
●神経系統又は精神の障害 ●内蔵及び生殖器障害 ●脊柱及びその他の体幹骨の障害 ●上肢の障害 ●下肢の障害 |
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