過去にいただいたメール相談と回答。交通人身事故の損害項目・付添費、家族の交通費、子供の学習費など

●むち打ちですが肩関節の動きに影響が出ています（長崎県Ｋ様）

• （質問）
  昨年10月に左折後速度を落としていた車対人でぶつかられまして、頸椎捻挫・打撲となり、2月末に通院終了し、3月下旬に示談をしました。
  
  加害者：私＝10:0で加害者側の保険会社は○○保険株式会社、実通院は56日で休業損害等を省いた慰謝料
  470,400円（4200円56日×2）です。 通院終了後、右腕が痛い（これは2月時からで理学療法士の方にも伝えていました）に始まり調子が思わしく無く、気づけば右肩の動きが悪くなっていて
  
  ※、 生活上や仕事上、不安や不便になる事も出て来ましたので、頸椎捻挫では取り辛そうと思っていた後遺障害について考えるようになりました。 ＿※
  
  左肩が屈曲180度外転180度に比べ右は屈曲3/4外転1/2伸展は左が腕を後ろにまわし両肩甲骨を触れるのに対し、右は手の甲がお尻の上に乗せられる程度です。
  
  ＿ 悩んでいる事は２つあります、ひとつめは下らない事なんでしょうが、先に病院に行ってしまって医師の方に診察してもらって後遺障害の診断書を出せそうか質問しようか、それとも先に加害者側の保険会社の担当の方に連絡して書類を送って貰いたいと伝えるのが先だろうかかという事です。
  
  示談の折、保険会社の方が後遺障害の話もされて必要な書類があり今日は持ってくるのを忘れてしまったので後日、承諾書と明細書類と共に後遺障害の書類も送付すると言われた様でしたが同封されておらず、その時は申請する気が無かったので連絡して催促する事はしませんでした。
  
  その件も含めなんだか連絡するのに躊躇しています。 保険会社が指定する診断書用紙のようなものがあるのでしょうか？書類があとで良いなら診察を先にと思ってもついつい堂々巡りをしてしまい二の足を踏んでしまっています。
  
  詳しくという事でしたが要領を得ない為、必要な部分の説明が不足していましたら申し訳有りません。 この事故の事についてはつい消極的になってしまい後回しにしてしまいたくなってしまうのですが、こちらのサイトが目に止まりご相談させて頂きました。
  
  （回答）
  まず手続き的なことですが、後遺症の申請をする場合には「保険会社の所定の後遺障害診断書」に医師が記載したものが、申請のための後遺障害診断書となります。 題名は「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」というものです。
  
  医師はその後遺障害診断書に記載すべき項目について検査をしたり所見を書いたりしますので、診察をするときには後遺障害診断書の用紙がなければなりません。
  
  つまり順序は、保険会社の担当者に言って後遺障害診断書の用紙を送ってもらい、それを病院に持参して医師に「後遺障害診断書を書いてもらいたい」ということを伝えて診察をしてもらいます。
  
  医師に「後遺障害診断書を書いてくれるかどうか、出しても意味があるかどうか」を聞くとしても、手元に後遺障害診断書の用紙がある方がいいと思います。
  手続きとしては上記のような流れになりますが、問題は後遺障害の申請をするべきかどうか、です。
  
  後遺障害等級は、後遺障害等級表のどれかに該当すると認められた時に認定されます。 むち打ちの場合は14級9号の「局部に神経症状を残すもの」か、12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」のいずれかです。
  
  肩関節の可動域（動く範囲）について、正常な側に比べて怪我をした方が3/4以下になってしまった場合には、肩関節の機能障害、として後遺障害等級がつきます。 ですがこれは、事故で直接肩関節を骨折や脱臼したような場合でないと認定されません。
  
  つまり事故直後の診断書で、肩関節付近の骨折などと記載されていて、今までその骨折についての治療が続けられていたという事実が無いとダメなのです。
  ですから厳しい言い方ですが、上記のような理由でＫ様に関節機能障害の後遺障害が認定されることはありません。
  
  ですが、肩や腕が動きにくいとかしびれているというようなことは、本当はむち打ちでの後遺障害認定に、影響があります。効果があるということです。
  
  ヒトの体は、脳から神経が伸びていて、首の骨や背骨の間をとおって腕や手先、脚などに伸びています。 例えば上腕二頭筋あたりの神経は、脳から首の骨の中をとおって伸びてきて、首の4番目と5番目の骨の間を神経がとおって外に出て、上腕二頭筋あたりに達しています。
  
  ですからむち打ちで首にダメージがあり、首の骨の4番目と5番目の間が圧迫されるなどすると、二の腕あたりがしびれたりするのです。同じように、脳から伸びてきて首の6番目と7番目の間を通った神経は、指先の方まで伸びています。 むち打ちで、首の比較的下の方にダメージがあると、指先がしびれたりするのです。
  
  つまりＫ様の場合も、よく調べてみれば頚椎捻挫と腕のあたりの異常との関係性が分かり、「局部（首）に神経症状を残すもの」という後遺障害等級がつく可能性があるということです。
  
  もしＫ様が後遺障害の申請をするのであれば、それは肩関節の機能障害などで申請するのではなく、「頚椎捻挫で神経症状（痛み）が残っていることを、客観的に証明するために腕などの症状を説明する」ということです。
  
  Ｋ様のご質問は、くだらないことでも恥ずかしいことでもありませんし、時間がたってしまうことはＫ様にプラスにはなりませんから、今後も何か行動されるなら早めになさってください。
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●治療費を一方的に打ち切られた。後遺障害慰謝料というものがあると聞いたが請求はできる？（埼玉県Ｔ様）

• （質問）
  初めてお問い合わせさせていただきます。よろしくお願い致します。
  昨年の5月、家族で自家用車にて移動中、追突事故にあいました(後ろから追突された）。その際妻がむち打ち症になり、首部分に傷みや張りを訴えるようになりました。
  
  近所の整形外科にてマッサージ等の処置をしていただいていたのですが(治療費は相手側保険会社の負担）一向に改善せず、今年3月に保険会社より打ち切りを宣告されました。
  
  そして先日、保険会社より損害賠償金の提示がありました。総額120万円となっておりましたが、内訳は以下の通りでした。
  
  治療費　572,110円(おそらく実費。通院のみで、通院日数110日)
  休業損害　171,000円(30日分)
  傷害慰謝料　456,890円(保険会社が任意基準で算定)
  このうち「傷害慰謝料」が任意基準となっていますが、今までこういった経験のない私は、この金額が妥当なものかどうかが分かりません。
  
  妻が保険会社の担当者から聞かされた話では、保険会社側が支払える最高額よりかは低い金額であるとのことなのですが、この金額は一般的な事例に比べて妥当なものなのでしょうか？
  
  また、こちらのサイトにて、「後遺障害慰謝料」というのがあるのを知りました。妻のむち打ちは完治していないのですが、この後遺障害慰謝料を請求することはできるのでしょうか？
  お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答をよろしくお願い致します。
  
  （回答）
  まず慰謝料についてです。
  
  加害者から被害者に支払われる慰謝料は、痛くて辛い思いをした被害者の「気持ちに対して」支払われるものですから、治療費や休業損害などと違ってはっきり決められるものではなく、お互いが合意すればいくらでもいいことになっています。
  
  ですがそれでは話がまとまりませんから、治療した期間や回数をもとに任意保険会社が独自に基準を決めたり、裁判所で基準を決めたりしています。 裁判所で基準を決めると言っても法的に確定しているものではなく、これもあくまで目安です。
  
  Ｔ様の奥様の実通院日数は110日ということですが、これが治療期間何日間の間に110回かよったか、によって金額は変わってきます。
  
  仮に事故に遭ったのが昨年の年5月31日で、治療費打ち切りが今年の年3月31日だったと仮定して考えます。 保険会社からの提示で慰謝料が「任意基準」と書かれていますが、これは保険会社が任意に（勝手に）決めた金額、ということで、どんな金額が書かれていたとしても保険会社は任意基準と書いてきます。
  
  ただし、それにしても各保険会社は自社内で独自に基準を決めており、どの担当者が計算したとしても、同じ被害者には同じ金額が出されるようになっています。
  
  上で説明したようにお互いが合意すれば慰謝料はいくらでもいいのですが、根拠のない数値を出してもダメですから、被害者側として根拠のある最高額として、奥様の慰謝料額を最も高額と言われている地裁基準で計算して請求するべきです。
  
  次に後遺障害についてです。
  ケガをしてから半年以上経過しても症状が残っている場合、後遺障害が認定されることがあります。後遺障害は、その症状の程度に応じて段階を付け、「後遺障害等級」として数値的に表現されます。
  
  
  後遺障害等級は1級から14級まであり、14級が最も軽い後遺障害です。この等級に応じて、後遺障害慰謝料や逸失利益が計算されることになります。 後遺障害等級が決まると、だいたい後遺障害慰謝料や逸失利益が決まってくるということです。
  
  奥様の場合は、10か月も治療を続けてもまだ痛みの症状が残っているので、後遺障害等級がつく可能性があります。
  
  後遺障害等級はどのように決められるかというと、まず自動車保険の様式の「後遺障害診断書」という用紙を保険会社からもらい、医師に現時点の後遺障害の診断をしてもらって、その用紙に 書いてもらいます。
  
  医師に書いてもらった「後遺障害診断書」を保険会社に提出して、そこから「損害保険料率算出機構・自賠責調査事務所」という別の機関に後遺障害診断書がまわり、その後遺障害診断書を参考にして、後遺障害等級が調査事務所で決められます。
  
  つまり後遺障害等級を決めるのは医師ではない、ということです。 ですが後遺障害等級が認定されるためには、当然のことながら後遺障害診断書の書き方が最も重要です。頚椎捻挫などではレントゲンやＭＲＩなどの画像で異常が確認できないことが多いですから、「後遺障害診断書の記載内容が全て」といってもいいと思います。
  
  ですからご自分で後遺障害診断書の内容を検討し、できることなら患者側から 医師に「これとこれの検査をしてもらって、このように後遺障害診断書に 記載していただきたいです」と希望を出すぐらいが望ましいです。
  
  かなり細かい話になってしまいましたので、一度にご理解されるのは難しいかもしれません。
  もし後遺障害の申請をお考えになりましたら、あらためて詳しい説明をさせていただくことは可能ですから、また連絡を下さい。
  
  それでは、奥様が正当な賠償金を獲得できることをお祈りしております。
  
  （行政書士橋本のコメント） こちらは後日正式にご依頼を受け、結果的に14級9号が認定されました。
  被害者本人の最終手取り金額は最初の提示額の約3.8倍となって解決しました。
  

●顔に傷跡が残りました。自分の過失が大きいのですが後遺症の申請はした方がいいですか（長野県Ｈ様）

• （質問）
  無料相談内で相談させてください！
  昨年7月に仕事中、事故をしました。過失の割合はこちらの方が多く、物損は6対4（自分が6です）で示談しております。
  
  事故の際、左あごを切り、救急車で運ばれ救急で傷を縫いました。何針縫ったかはわからないくらいとのことです。 縫った傷が少し膨れていた為、傷がおちつきやわらかくなった今年の9月に再度形成にて、傷の手術をしました。あと半年は経過観察のようです。
  
  医者より「半年後に後遺症診断を書いてあげる」と言われました。先生はとてもいい人で知人の知人って感じです。
  
  傷は唇下部から左あごにかけて、5センチ程あります。 このような場合、後遺症診断したほうがよいのでしょうか？あとどれくらいの後遺症と認められ、どれくらいの賠償金が出るのでしょうか、過失の割合は関係ありますか、どのような請求が必要なのでしょうか、後遺症と認められたらその後の給料等にひびくのでしょうか？
  
  質問ばかりで申し訳ないですがよろしくお願いします！
  
  （回答）
  交通事故の被害者が、相手に損害賠償を請求できる項目は、 以下のようなことがあげられます。
  (1)治療費
  (2)入院雑費…1日1,100〜1,500円
  (3)交通費…被害者の通院時の交通費実費
  (4)休業損害
  (5)装具など…車いす代などがかかっていれば請求
  (6)入通院慰謝料…入院日数と実通院日数などから計算
  (7)後遺障害慰謝料…後遺症が残った場合
  (8)逸失利益…後遺症が残った場合
  (9)付添看護費…認められれば
  
  このうち、後遺障害が認められたときに請求できるのは (7)後遺障害慰謝料　と (8)逸失利益 です。
  
  Ｈ様が後遺障害の申請をした場合、傷痕（きずあと）で後遺障害が認められる可能性があります。
  あごのあたりの傷痕が見てわかる程度であり、その長さが5センチ以上であれば後遺障害等級は9級が認定される可能性があります。
  傷痕の長さが5センチ未満、たとえば4センチ9ミリだと、12級となります。
  
  賠償金は、Ｈ様の過失割合が7割未満であれば、9級なら616万円、12級なら224万円が支払われます。 つまり「だいたい5センチ」の傷痕が、1ミリ違うだけで390万円以上の差になるのです。
  
  このようなことですから、
  
  > このような場合、後遺症診断したほうがよいのでしょうか？
  
  このご質問に対する回答は、当然「後遺症診断をした方がいい」ということになります。
  Ｈ様の過失が6割なら、自賠責の範囲では減額されず、上記の金額が全額支払われます。
  
  申請の手続きは、相手方の保険会社に言えばいろいろと教えてくれたり用意してくれたりしますが、当事務所でお手伝いすることも可能です。
  
  また、このことで後遺障害が認定されたとしても、今後生活していくうえで社会的に何か不利になるようなことはありません。自賠責に記録は残りますが、どこかほかの公共機関に記録されたりするものではないのです。
  
  その後の給料が減るかどうかは、Ｈ様が勤める会社が「君は顔に傷跡があるから給料を下げる」といえば下がりますが、そうでもない限り下がりません。
  ホストや芸能人など、顔で商売している場合は傷痕が残っているために仕事が減ることがあるかもしれません。そうすると収入が下がります。
  
  
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●異議申し立てをしようかどうか迷っています。（埼玉県Ｋ様）

• （質問）
  平成○○年８月○○日　オートバイで停車していた私に後ろから熱中症で気を失った車に追突され、救急車で搬送。翌年４月○日に後遺障害等級（事前認定）結果の通知がきました。１４級０９号でした。
  
  頸部の痛みが２４時間あり右手先のしびれ等あり生活に支障があります。異議申し立て等考えているところです。過失割合は１０：０でした。
  
  相手側富士火災海上保険からの通知に「被害者ご自身で自賠責保険に対して直接請求を行い、その支払いを受けることもできます」との記入があったのですが、この場合は直接請求をしたほうがよいのでしょうか？
  
  自賠責基準、任意保険会会社基準、日弁連裁判基準があるとのことをネットでしらべたのですが。
  教えていただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
  
  （回答）
  後遺障害等級については、異議申し立てを自賠責保険への直接請求でするのか、あるいはもう一度任意保険会社へ事前認定で行う方がいいのか、ということですが、どちらが良いかというと、安心が出来るという意味では自賠責保険への直接請求がいいと思います。
  
  ですがその場合は、画像を病院から取り寄せたりこれまでの経過の診断書を全て取り寄せたり、事故の状況を説明する図を描いたりと、少し面倒なのです。 任意保険に任せた場合は、これら面倒なことを全て任意保険会社の担当者がやってくれます。
  もちろん当事務所でそれら面倒なことのお手伝いをすることもできます。
  
  ですが、そもそも異議申し立てをするべきなのかどうかを考える必要もあります。
  Ｋ様は頚部の痛みですから、現在は「局部に神経症状を残すもの」として14級となっていますが、異議申し立てをするとしたら、12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当させることが目標となります。
  
  では14級と12級ではどう違うのか、ということを理解する必要があります。単に「自分の痛みは強いので『頑固』と言っていいはずだ」ということではありません。
  
  具体的には、MRIなどで頚部の椎間板が「突出」していて、神経を圧迫していることが確認できなければ、12級にはなりません。 初回は14級が認定されたのですから、「突出はしていない」と判断されたということです。
  
  ですが「突出とまではいかないにしても『膨隆』（突出より軽いヘルニア）はしている」ということがMRIで確認でき、異議申し立てをしようかどうか悩んでいるような状態であれば、してみてもよろしいかと思います。
  
  その場合、膨隆程度の飛び出しでも「この部分が突出している」ということを主張し、その他に日常生活でどれほど不都合があって困っているかということを詳しく説明するなどして、程度がどれほど悪いかということ訴えることです。
  そして、このような微妙な状態であれば、話が戻りますがやはり任意保険を間にはさまずに、直接自賠責保険へ請求した方がいいと思います。
  
  それと、自賠責基準とか任意基準、裁判基準というのは、慰謝料を計算するときのこと、つまりお金の話です。
  いずれの基準だとしても、後遺障害等級が決まってから考えることですから、後遺障害の異議申立てとは分けて考えます。 後遺障害等級が決まったら、その等級やこれまでの治療期間に応じた慰謝料が計算されますが、その場合は任意基準で計算するのか裁判基準で計算するのかで金額が変わってきます。
  
  つまり後遺障害等級が確定しないことには計算できませんので、そのようなものがあるということを覚えておき、等級確定後に改めて検討することになります。

●事故から間もないのですが後遺障害認定のサポートをしてほしいです（埼玉県Ｋ様）

• （質問）
  2月5日（2週間前）に車同士の事故にあい、むちうちで通院中です。
  まだ先の事ですが後遺障害の認定のサポートと慰謝料を満額貰える様にしてもらいたいです。
  
  （回答）
  事故で怪我をしてから、痛い思いをしながら気にしなければならないことはいろいろあるので大変ですが、基本的には以下のようにしてください。
  
  ＜事故直後（現在のことです）＞
  治療費の支払方法は、相手側の任意保険会社から医療機関に直接支払われていますでしょうか。
  もしそうでない場合は一時的に自分で立て替えておくなどしなくてはなりませんが、現在は相手側保険会社が払っているという前提で説明をします。
  
  現在は事故直後ですから、もうしばらくは治療に専念することになります。
  通院の頻度は、しょっちゅう行けばいいわけでもありませんが、だいたい同じようなペースで通い続けることをお勧めします。
  
  お仕事は、無理をして働き始める必要はありませんが、もし無理でなければ働き始めた方がいいです。
  怪我をしてからやたらと休業を続けていても、「本当はこの時期から働くことができたはずだ」という理由で、休業損害を一部しか払ってもらえないことがあります。
  ですから「交通事故でなく自分で怪我をしたのであれば、この程度なら働ける」という時点から仕事を始めて下さい。
  
  くれぐれも、無理をして働き始める必要はありません。無理をすると悪化して、かえって休まなくてはいけなくなったります。
  
  ＜怪我から１か月〜３か月＞
  この時期は急速に回復する時期ですが、無理は禁物です。医師と相談しながら、治療を続けてください。
  転院（他の病院や接骨院など）の必要がある場合は、事前にその都度保険会社に連絡するようにしておくと、その場でも将来も、スムーズに話が進みます。
  
  この間に治れば最もいいことです。
  
  ＜怪我から６か月＞
  事故に遭って怪我ををしてから６か月が近づいた時点で、まだ痛みが残っていた場合は、後遺障害の申請を検討します。
  
  ６か月の時点ですぐに後遺障害の申請をしなくてはいけないわけではありませんが、このころ申請をした方がいいかもしれません。
  
  後遺障害は、「怪我をして治療を続け、６か月たってもまだ症状が残っている場合」に認定されるものです。それ以前に申請しても、切断や欠損など不可逆的なもの以外は「時期尚早」として相手にされません。
  
  ですから上記のように治療を続け、５か月ぐらい経過してもまだ痛みが残っているようであれば後遺障害の申請を考えてもいいと思いますので、その頃にまだ痛みがあれば連絡をいただければ、その時点で改めて後遺障害の申請についてお話しできることもあるかと思います。
  
  
• →　

●まだリハビリ中なのに示談交渉していいのか（鳥取県Ｍ様）

• （質問）
  非常に見通しがいい直線道路。夜、被害者(父80歳)がバイクで直進中、急にコンビにに入ろう右折した軽四自動車にはねられた。
  
  父は、右足の膝、足首骨折の重傷(当時の診断では入院4ヶ月)。父は、自賠責保険のみ加入、加害者は任意保険加入。被害者の保健会社から、物損は、加害者:被害者(父)=90:10　医療費は、加害者が全額負担。また、関係して掛かった費用は後日請求。と言われた。
  
  思いの他、回復力が早く、退院はしたが、杖をつかなければ歩けない状況で、今後もリハビリが続く。
  相手の保険会社から示談を要求されているが、どうすればよろしいか。教えて下さい。
  
  �@健常な父が、苦痛を味わったことや動けない(働けない)ことに対する慰謝料は請求できないか。どこにすればいいのか。相場は。
  
  �Aまだまだリハビリが続くのに、示談していいのか。後遺症はどうするのか。
  
  （回答）
  事故からどれくらい日数がたったのかにもよりますが、いまだに杖をつかなければ歩けない状態であれば、完全に治ったわけではありませんから、示談をする時期ではないかもしれません。
  
  ただし事故から半年以上経過してもこの状態が続いていれば、「後遺障害」の申請を検討します。
  後遺障害の申請をして「後遺障害等級」が認定されれば、その等級に応じて金額を検討し、示談交渉をします。
  
  つまり半年以上（お父様の症状の程度により1年以上）経過したら、症状が残っていても、後遺症が残った、として、その後遺症の賠償も含めて示談交渉をするのです。
  
  お父様のすべきこととしては、
  (1)現時点で事故から半年経過していなければ、少なくとも半年治療を続ける。半年から1年程度たった時点で、後遺障害の申請を含めて示談の検討をする。
  
  (2)現時点で事故から半年以上経過しているのであれば、お父様の状態にもよりますが、そろそろ後遺障害の申請を考えてみる。
  
  後遺障害の申請をした場合は、その結果が出てから、保険会社との金額の交渉に入ります。
  
  お問い合わせについてです。
  
  > �@健常な父が、苦痛を味わったことや動けない(働けない)ことに対する慰　謝料は請求できないか。どこにすればいいのか。相場は。
  
  慰謝料は当然支払われます。もちろん加害者側の保険会社からです。その金額は、治療していた期間や、入院していた期間、通院した実日数などから計算されることになりますので、治療が終わるか症状固定として後遺症の申請をする時点にならないと計算できません。
  
  > �Aまだまだリハビリが続くのに、示談していいのか。
  > 　後遺症はどうするのか。
  
  先ほど説明したとおりですが、後遺障害の申請をして「後遺障害等級」が認定されると、それに応じた賠償額が相手から支払われます。ですから後遺症についての賠償を求める場合には、その前に後遺症の申請をして等級の認定を受ける必要があります。
  
  後遺症についての賠償は「今後かかる費用や苦痛、働けなくなってしまう分」を、現時点で
  一度に払ってもらう、ということです。
  
  

●自分の過失が大きいので、後遺障害等級は難しい？（埼玉県Ｒ様）

• （質問）
  去年の10月に交通事故を起こしてしまいました。頚椎捻挫で今も痛みがあり、たまに接骨院に行っています。
  
  現在、後遺症障害で保険会社に申請中ですが、私自身のほうが過失割合が高い(８：２）ので申請を通すの難しいと言われました。
  
  やはり過失割合が高いと後遺症障害の認定は難しいのでしょうか？
  
  （回答）
  Ｒ様
  後遺障害が認定されるかどうかは、Ｒ様の過失割合には関係ありません。
  重要なのはＲ様の現在の症状と、これまでの治療経過、後遺障害診断書の書き方（必要な検査結果など）です。
  
  もしかしたら保険会社の担当者は、Ｒ様の状態や症状を見て、後遺障害が認定されることは厳しいと思い、過失割合のことを理由にしたのかもしれません。
  そのあたりのことを聞いてみて下さい。
  
  

●歯牙障害で咀嚼機能障害がとれるのか（山梨県Ｔ様）

• （質問）
  ２年前に家内が交通事故にあい、首、肩、膝、前歯の怪我をしました。
  
  後遺障害が首の部分で１４級９号というものをもらいましたが、実は前歯を損傷し、（上前歯一本欠損、もう一本は曲がって奥に入ってしまいました。）奥に入った歯はじきに戻りましたが、物を噛むときに針で刺したような痛みが残り、事故から２年間硬いものが噛めなくなりました。
  本来こちらのほうで後遺障害をもらいたかったのですが、こちらはだめでした。
  
  治療もこれ以上よくならないと思い、保険会社にもうこれで終わらせたいと思い、連絡を取りました。金額の提示は受けましたが、詳しい知り合いにちょっと相談したら咀嚼のことが一言も後遺症害認定書に述べられていないから、もう一度不服申請をしなさいといわれました。
  実際後遺症害認定書の中には前歯痛と、かみ合わせの件しか検討されていません。
  
  現在前歯がほとんど使えないので、前歯で噛み切ることはもちろん、口の中に入ったものも前歯同士が当たらないように咀嚼する状態です。これは事故後２年間続いている状態です。
  
  そこで、事故後、何度か見てもらった歯医者に依頼し、保険会社指定の書類と診断書を書いてもらうことになりましたが、いまいち歯科医の先生のほうでは的を得ないというか、医学的な証明に至るような診断書を書いてもらうのは難しそうです。
  
  中立な立場は分かりますが、たとえばピーナッツが食べられないとこちらでは書面に書いても、先生のほうでは患者がそういっているからそうなのかもといった程度の判断です。
  
  後遺障害認定にはそれなりの医学的な証明が必要と思われますが、このままでは認定おりないような気がします。
  
  さて、そうなった場合、被害者からの訴えが重要になると思いますが、現在の窮状を訴えることしか思いつきません。どのように医師と接し、進めていけば良いのか、また、被害者側からの訴えについてご教授願えればと思います。
  
  （回答）
  咀嚼機能の障害で等級が認定されるためには、ご存じのとおり固形食物の中に咀嚼できないものがあり、それが医学的に確認できること、ということになっています。
  この場合で10級です。
  
  医学的に確認できることとは、不正咬合、咀嚼に関係する筋肉の異常、顎関節の異常、開口障害、歯牙障害（補綴ができないもの）などがあること、です。
  
  奥様の場合は、歯牙障害がいかにして咀嚼機能に影響しているのかを証明することが大変重要になってきます。
  
  順序としては、Ｔ様がお考えのとおり、まずは被害者が現在の窮状を、具体的にかつ詳しく訴えることから始まり、その訴えが妥当だと思われる理由を医師に記載してもらう、ということだと思います。
  
  被害者が現在の窮状を訴えるというのは、被害者ができる唯一のことであり、なおかつ被害者しかできないことです。
  
  これは、固形物のうち何と何は食べられるが、ピーナッツやたくあんを食べるときはどのように痛みがあってどのように困っているのか、その結果どのようにしているのかなどを、読む人がはっきりとイメージできるように表し、「咀嚼状況報告書」という書面にします。
  
  医師には、患者が咀嚼機能に影響するほどの痛みを感じているということを、「○○の理由から、咀嚼機能に影響を与えていることは明らかである」というようなコメントにして書いてもらいます。
  
  その際、レントゲン写真やＭＲＩなどを取っていれば、その画像から例えば治した歯の根本が他の歯と違っているとか、神経が変なふうになっているなど、見て確認できることがあれば、その「画像所見」を歯科医に書いてもらうと、説得力がでてきます。
  
  これらのことは被害者から積極的にお願いし、そして歯科医に協力をしてもらう必要があります。
  
  歯牙障害が原因で咀嚼機能障害の後遺障害が認定されることは、実際にはかなり難しいことには違いありません。
  
  ですがこちらから訴え、アピールしないことには認められる可能性すらないわけですし、異議申立をすることで等級が今より下がるわけではありませんから、結果がたとえ同じだったとしても、被害者側としてできる限りのことをした方がいいと思っております。
  
  
• →　

相手方（加害者、保険会社）の対応について

●自賠責保険に被害者請求してくれと言われました（東京都Ｋ様）

• （質問）
  向こうの無理な割り込みで事故を起こし、そのときは対物で処理してもらったのですが次の日首が痛くなり向こうの任意保険で休業損害、慰謝料で示談が終わりそうなときに事故の当事者が人身の保険は払わないから自賠責で被害者請求してくれと言われたんですが払わないというのは可能なんですか？
  
  自賠責だと休業損害証明書しか用意できないんですけどどうなるんですか？
  
  （回答）
  通常は、自賠責では足りない部分についてのみ任意保険が払うことになっています。しかも自賠責保険は、被害者に相当過失（70％以上）がない限り減額されません。
  
  自賠責保険の限度額は120万円で、今回はＫ様の過失の分も含めて全てが自賠責保険から支払われるのだと思います。その場合は相手方の任意保険がお金を払うところまで達していないので、相手は「（任意保険は関係ないので）自分で自賠責に請求してくれ」といったのだと 思います。
  
  とりあえず賠償金の面で、Ｋ様が損をするわけではありません。ですが手続きを自分でしなければならないので、少し面倒です。
  
  まずは、自賠責保険に請求する書類一式が必要です。それを取り寄せるには、相手の自賠責保険会社を調べて、その保険会社に「自賠責保険の被害者請求に必要な書類一式を送ってくれ」と依頼します。
  
  ですが今回は事故の当事者（加害者）が任意保険を使わないと言っているのであれば「では自賠責保険の被害者請求に必要な書類一式を、あなたが取り寄せて私に送ってください」と言ってみてはいかがでしょうか。
  
  書類一式が届いたら、それに休業損害証明書の他、病院に通院した「経過の診断書」などを病院から取り寄せて添付するなど、少し手間がかかりますが、なんとかがんばってください。
  ご自分ではできない、と思われたらまたご連絡ください。
  
• →　

●こちらは自転車なので、相手方保険会社と直接交渉しています（岡山県Ｔ様）

• （質問）
  交差点での事故の物損の負担割合（自転車と四輪）について
  自転車赤信号直進（当方）で青信号直進四輪（相手方）と衝突
  　　↑   高１の息子です。　　　　↑　７０歳代の男性です。
  
  相手方保険会社からは、当方８：相手方２の負担割合を求められています。この負担割合は、適切と考えてよいでしょうか。
  
  警察の事故証明は最初物損で、その後人身事故として手続き中です。相手方のけがはなく、当方のけがは、頭部打撲１２日間です。
  
  相手方の物損は、ボンネットのへこみ修理１５万円、当方の物損は自転車前輪交換１万円です。
  自転車保険には加入していないので、相手方保険会社と当方家族が示談交渉中です。
  
  相談するところもなく、ネットでこのページを拝見し、大変わかりやすく解説していただいていることに感動し、メールしています。
  
  （回答）
  お問い合わせの件ですが、お聞きした限りでは過失割合については80:20でおおむね妥当だと思います。
  
  修正要素としては四輪車の方が猛スピードだったとか、自転車の方が携帯電話をいじくっていた、などがあると四輪車に増えたり自転車に増えたりしますが、特にそのようなことはなければこれでいいと思います。
  
  ご子息の怪我はきちんと病院に通い、治すことがもちろん重要です。治療費は、怪我が12日や1か月程度で治るのであれば全額相手側の自賠責保険からでるので大丈夫です。
  
  物損は相手側の修理代金の8割をを負担することになりますが、そのことについてはＴ様のお宅の火災保険の「個人賠償責任保険」という特約を調べてみてください。
  
  火災保険に入っていて、その中に「個人賠償責任保険」という特約がついていれば、その保険から相手側に支払う修理代金が出ます。
  
  同じ目的の保険で、Ｔ様のご家庭で自家用車をお持ちであれば、その車の自動車保険についている「個人賠償責任保険」があれば、同じようにその保険から支払われます。
  自動車保険の場合は「日常生活賠償責任保険」などという名前になっていることもあります。
  
  これらの保険があれば、とりあえず金銭的な負担はまぬがれますので、安心です。 入っていなければ、やむを得ないので自己負担となります。
  
• →　

●相手が任意保険に入っていないうえ、開き直った！（静岡県Ｓ様）

• （質問）
  平成○○年9月○日の午前５時頃駐車場に入る為右折する状況だったので、停止している所に後方よりノンブレーキで追突されました。
  
  加害者もぶつかった衝撃で怪我をした為救急車で搬送され、すぐには話し合いも出来ずこちらも首が痛くて病院に行き、ムチウチと診断されましたが、加害者が任意保険に加入していない為自賠責で治療費を出して貰える事になりましたが、まずはこちらが立て替えをした後返金されました。
  
  その後賠償金が支払われましたが、こちら側としては納得出来ず、慰謝料の請求が出来る事を情報入手したので、加害者に話したら自賠責で支払われているから納得できない話だから払う義務はない！そんなお金はないと開き直り、事故より以降こちらへの配慮もなく自分のミスを申し訳なかったと思う気持ちも示されない、そんな加害者にとても不愉快な思いをさせられています。
  
  自賠責で賠償金を受け取ったら慰 謝料の請求は出来ないのでしょうか？
  話し合いがつかないけれど、弁護士を依頼して進めるには依頼料のが高くなりそうだし、他に方法はないのでしょうか？
  
  （回答）
  自賠責保険からは、上限は120万円ですがそれに達するまでは、慰謝料も出ます。自賠責から支払われる金額の中に、慰謝料も含まれているのです。
  
  これまで自賠責からＳ様に支払われた賠償金の中に、慰謝料も含まれているのではありませんか？もし含まれていなければ、今から「自賠責に対して」慰謝料を請求することになります。
  
  慰謝料を含めた全ての賠償金を合計して120万円になるまでは、自賠責から支払われるのです。
  もし治療費などで120万円を超えている場合や、その他の事情で自賠責に請求することは難しい場合は、Ｓ様が乗っていた車の自動車保険を自分の怪我や慰謝料に使う、という方法もあります。
  
  Ｓ様は全く悪くないので自分の自動車保険を使うということに違和感があるかもしれませんが、任意保険に入っていればその中の「人身傷害保険」が、加害者が支払うべき治療費や慰謝料（精神的損害）を、加害者に代わって払ってくれるのです。
  
  自分の保険が加害者の代わりにＳ様に慰謝料などを払い、後ほどその保険が、加害者（またはその保険）に請求します。
  
  つまり、加害者に対する請求を、自分の代わりに自分の保険がやってくれる、というイメージです。 加害者本人と話をしてもうまくいきませんから、そのような方法を考えていった方がいいと思います。
  

●物損事故なのに相手は通院していた！それを最近知った。（茨城県Ａ様）

• （質問）
  こちらに相談するのにふさわしい内容のものかわかりませんが、どこに相談していいかわからず、メールさせて頂きました。よろしくお願いします。
  
  昨年の8月に衝突事故をおこしました。こちらが優先道路走行中、相手が一時停止を無視し、交差点に進入。物損事故ということで、過失割合（当方：相手）＝１：９で決着しました。
  １０月に車両修理も保険会社からの支払も終了し、ひと段落と思っていました。
  
  ところが、１１月下旬に相手の損害保険会社（東京海上日動）から、「本件は物損事故扱いのため、手続き上必要だから人身事故証明書入手不能理由書に署名捺印して返送してほしい」と言われましたので、（その時は、何も考えず）署名、捺印して返送しました。
  
  今年１月に入り、再び東京海上日動から連絡があり、実際に治療費を東京海上日動が支払っている、自賠責保険に請求したいので、そのための新たな調査に協力してほしいと言われ、初めて相手が「実は打撲で通院していた」ということを知りました。
  
  今考えると「人身事故証明書入手不能理由書」が送られてきたときに、その意味を調べると、相手が通院していたという事実がわかったのでしょうが、何も調べず書名、捺印してしまった点は反省しています。
  
  しかしながら、正直、事故自体まったくスピードもでてなく、（お互い徐行スピードでしたし）、けがをするような事故とは思えません。車体の損傷も私の方はひどかったのですが、相手方は前方バンパーがへこんだぐらいです。
  
  しかも物損の過失割合を交渉する間、いっさい通院しているといったような情報はなかったので、もう解決したものと思っていました。まさに寝耳に水なのです。
  
  なお、自賠責保険への請求金額を聞くと、治療費、慰謝料、主婦休業補償で96万円だそうで、これは自賠責保険の請求限度額ぴったりです。（限度額は１２０万ですが相手の過失が大きいので２割減額で）
  
  これ以上損害額がふえ、自賠責でまかないきれないと、東京海上日動自身の支払いが生じるので、保険会社と被害者でここまでと相談の上でやっているという気がして仕方ありません。
  
  お聞きしたいことは
  （１） 診断書がでている以上、相手のいうことに従い、「自賠責請求のための新たな聞き取り調査」に協力するしかないのでしょうか？
  新たな調査というのは、事故の状況などを調べるものですが、「すでに物損の過失割合を決めるときに話してある」といったのですが、それとは別に必要と。
  
  （２）その調査に協力して自賠責保険が請求された際、こちらに何かダメージがある可能性はあるのでしょうか？
  （東京海上日動からは、物損事故が人身事故にかわることはない、自賠責保険から支払われるので、（私の）出費は一切ないが、自分の保険が使われるという心情的な問題だけだ、との説明は受けましたが、それで正しいのでしょうか？）
  
  （３）今後、後遺障害など追加で請求がないために、気をつけられることはありますか？ （もう今回で本当に終了にしたいのです）。
  
  以上です。よろしくお願いします。
  
  （回答）
  まずお伝えすることとしては、「あまり心配しなくても大丈夫です」ということです。
  
  たまにあることなのですが、今回は物損事故という届出のまま、人身事故の賠償金額が相手に支払われています。本当は正式に警察に「人身事故に切り替えます」と届けて変更をするのですが、そうなるとＡ様の刑罰（罰金）や行政罰（免停）などが問題になってきます。
  
  ですが今は警察の取り扱い上は物損となっていますので、そのような心配はありません。
  「本当にそんな怪我をしたの？」という疑問はあるものの、とりあえず罰金や免停の心配は不要です。
  
  次に賠償金のことです。
  賠償金の96万円はＡ様がお気づきのように自賠責の限度額ですが、96万円になっている理由は、限度額に合わせたというよりも「それしか出ないから」なのです。
  
  相手の損害額（治療費や休業損害や慰謝料）が、仮に300万円かかったとしても、相手の過失は90％ですから、こちらが払うべき金額は30万円となります。 「それではかわいそうなので96万円払ってあげる」というのが自賠責保険で、確かに96万円を超えたら任意保険が支払いますが、これは「実際の金額が96万円を超えた」ではなく、「計算上96万円を超えた」場合です。
  
  つまり相手の方の損害額が、960万円を超えた場合（例えば1000万円などになった場合はその1割なので100万円になり、96万円を超えるので）に初めて斉藤様の任意保険が支払われることになりますから、現実的にはそのようなことはあり得ないのです。
  
  そしてＡ様の任意保険から支払われることがない限り、Ａ様の保険料の等級（割引率）も変わりません。保険は使っていなかったことになります。 （物損の方でも斉藤様の損害が大きいので、きっと任意保険は使っていないですよね。）
  
  つまり、保険会社の方が言うように、Ａ様に実質的な損害や不具合は無いと考えていいと思います。
  
  > （１） 診断書がでている以上、相手のいうことに従い、「自賠責請求のため
  > の新たな聞き取り調査」に協力するしかないのでしょうか？新たな調査という
  > のは、事故の状況などを調べるものですが、「すでに物損の過失割合を決める
  > ときに話してある」といったのですが、それとは別に必要と。
  
  面倒ですが、協力しない方がもっと面倒になるかもしれません。我慢して協力することをお勧めします。
  
  > （２）その調査に協力して自賠責保険が請求された際、こちらに何かダメージ
  > がある可能性はあるのでしょうか？
  > （東京海上日動からは、物損事故が人身事故にかわることはない、自賠責保険
  > から支払われるので、（私の）出費は一切ないが、自分の保険が使われるとい
  > う心情的な問題だけだ、との説明は受けましたが、それで正しいのでしょうか？）
  
  上で述べたとおり、ダメージはありません。自分の保険が使われると言っても自賠責が使われるだけです。任意保険からの支払いはないので、保険料の等級も変わりません。
  
  > （３）今後、後遺障害など追加で請求がないために、気をつけられることはあ
  > りますか？
  > （もう今回で本当に終了にしたいのです）。
  
  後遺障害の請求が来ないようには、こちらからはどうしようもありませんが、仮に後遺障害の申請があって被害者に後遺障害等級が認定されたとしても、上の傷害の部分と同じ理由で、Ａ様には何も影響はありませんので、ご安心ください。
  
• →　

●怪我をしたのに加害者から人身事故にしないでくれと言われた（石川県Ｍ様）

• （質問）
  １月○日に、弊方停止中の乗用車同士の追突事故が発生。責任は１０対０で相手側の過失です。
  とりあえずは物損事故としておりますが、首筋に痛みがあり、明日病院にかかり、人身事故扱いに切り替える予定です。
  
  質問は、２点です。
  １．医師の診断書が全治２週間となった場合（事故発生からは１７日）、慰謝料の相場はどれくらいのものでしょうか？相手側の保険会社はアメリカンホームダイレクトです。車両の損害もあるため、自倍責保険ではなく、任意保険を使うこととなっております。
  
  ２．相手側からの申し出でなのですが、罰金と違反点数がなんとか不要としたいため、物損のままで、人身に切り替えて欲しくないとの事です。
  その代わり、罰金相当の慰謝料は個人的に支払うとの事です。（ようは、免許の点数分と、労力を省きたい） 当然保険会社からの慰謝料含む示談金とは別勘定でという事。
  
  保険会社は、警察に届けなくても、人身事故対応は可能ですとの事でした。(刑罰上は物損のままで、診断書と保険会社の用意する用紙に記入すれば人身事故扱いして、保険を使用できるとのこと） このような対応は法律上問題ないのでしょうか？
  
  私自身は相手側を訴えたいわけでもありませんし、貰える金額が大いにこした事はないので、どうしても人身事故扱いにしたいというわけではありません。
  
  （回答）
  お問い合わせに対する回答をいたします。
  > １．医師の診断書が全治２週間となった場合（事故発生からは１７日）、慰謝
  > 料の相場はどれくらいのものでしょうか？
  > 相手側の保険会社はアメリカンホームダイレクトです。
  > 車両の損害もあるため、自倍責保険ではなく、任意保険を使うこととなってお
  > ります。
  
  むち打ちの場合は全治2週間という診断書が出されることが多いのですが、慰謝料は診断書の見込みではなく、実際に通院した回数や治療をしていた期間によって決まってきます。
  全治2週間と書かれても1〜2回しか通院しない人もいれば、1年以上も通院を続けて治療が終わらない人もいます。
  
  仮に1月×日までの間に2回だけ通院したとすると、慰謝料の相場は　16,800円〜38,000円　です。1月×日までの間に10回通院したとすると、　71,400円〜107,600円　です。
  
  1か月（2月○日まで）の間に3回通院したとすると　25,200円〜57,000円 1か月に10回通院したとすると　84,000円〜190,000円 などとなります。
  
  要するに、治療が終わってみないとよく分からないのです。
  
  > ２．相手側からの申し出でなのですが、罰金と違反点数がなんとか不要とした
  > いため、物損のままで、人身に切り替えて欲しくないとの事です。
  > その代わり、罰金相当の慰謝料は個人的に支払うとの事です。（ようは、免許
  > の点数分と、労力を省きたい）
  > 当然保険会社からの慰謝料含む示談金とは別勘定でという事。
  > 保険会社は、警察に届けなくても、人身事故対応は可能ですとの事でした。(刑
  > 罰上は物損のままで、診断書と保険会社の用意する用紙に記入すれば人身事故
  > 扱いして、保険を使用できるとのこと）
  >> このような対応は法律上問題ないのでしょうか？
  
  たまにこのようにして欲しいという加害者（と保険会社）がいますが、一応法律上は問題ありません。相手側の任意保険会社が対応すると言っているのであれば、とりあえず大丈夫です。
  
  人身事故に切り替えて警察に届けると、加害者は違反点数はばっちり加算されてしまうはずですが、罰金については、加害者が最近数年以内に免停などになっていなければ、被害者が軽傷ということもあっておそらく「不起訴」、つまりおとがめなし（罰金なし）ということになる可能性が高いです。
  

●まだ治療を続けていいのでしょうか（千葉県Ｇ様）

• （質問）
  はじめましてよろしくお願いいたします。
  ８月１４日（約２カ月前）、家族で買い物に行く途中で長男が運転していて、私が助手席に乗っていました。
  道路が渋滞で動かずに止まっている状態でした。そこに４００CCのバイクが減速せずに衝突してきました。私は緊急病院に運ばれて応急処置をしてもらいました。その時は、レントゲンにも異常なし。頸椎捻挫・全治２週間で紹介状を書いてもらい、後日最寄りの整形外科で受診して、診断書を書いてもらうよう言われました。
  
  後日総合病院にある整形外科に受診。とても混んでいて待たされること・・レントゲン撮影の結果、もともと年齢により首の骨が少しずれていて、そこに衝撃を受けたのでしょうと言われ、痛み止めと湿布をもらい２週間後受診するよう言われました。
  
  その間首筋から肩の痛みがあるため、ネットで調べて接骨院に通院整形外科の担当が曜日ごとに変わり、３回目に受診した時の担当医は私が「早朝、首の両横筋から、頭の後ろ側が痛くて目が覚めてしまうこと、痛み止めを飲んだり、湿布をして又床に就くこと」を話したら、「フッ」と笑うんです！
  
  「だから言ったでしょう！肩が固いって！」「ほら、こんなに固い」とわたしの肩を触って言いました。そのあと「そろそろ事故日から２か月になります。ストレッチなどして終わりにしましょう」と言われびっくりしました。
  
  保険会社に連絡して、今の自分の症状を話、病院の対応を説明して、整形外科を変えました。
  新しい整形外科は、ネットで調べてら、予約制でした。予約した日に行くために支度をしていたら、自宅の階段を踏み外し、足の小指を骨折（涙）
  
  新しい整形外科でも、事故のことより、骨折の痛みで私の今の症状を理解してもらえませんでした。レントゲンも異常なしといわれました。
  
  通院している接骨院にも保険会社から連絡があったそうです。
  でもそこの先生は、痛みは自分しか分からないので、納得するまで治療しましょうと言ってくれましたが・・
  
  相変わらず首筋から頭痛みはあります。このまま終わりでしょうか？
  どうしたら分かってもらえるのか？この症状が・・分かりません
  取りとめのない文章で申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
  
  （回答）
  結論から申しますと、当然のことながらＧ様ご自身がまだ痛みや苦痛を感じている以上、治療は続けるべきです。
  
  接骨院が親身になってくれて、しかもその施術がＧ様にとって効果的なものであれば、接骨院への通院を続けていいと思います。
  ですが数か月後の将来のことを考えると、頻度は低くても整形外科にも通い、つながりを切らないようにした方がいいと思います。
  
  もし事故に遭ってから半年を過ぎても痛みが残っている場合、程度によっては後遺障害等級が認定される可能性があります。後遺障害等級が認定されると、相手側から支払われる賠償金が、かなり変わってきます。
  
  ですがその後遺障害等級認定のためには「後遺障害診断書」を書いて提出する必要があるのですが、これは診断書なので医師でないと書けません。接骨院だけに通っていると、この段階になってからどうにもならないことになってしまいます。
  
  ですからＧ様へのアドバイスとしては、首が痛いまま治療をやめる必要はなく、痛みが無くなるまで、あるいは和らぐまでは続けてください。
  年齢のせいで骨が少しずれていたとしても、事故に遭う前は痛くなかったわけですから、少なくとも痛みについては事故のせいなのです。
  
  そして、たとえ1週間に一度でも、2週間に一度でも、病院にも通っていただくことをお勧めします。救急病院の後に行った総合病院ではどうしようもありませんから、次に行ったところか、その他でも理学療法のリハビリをしてくれるところを探して行ってみてもいいと思います。
  
  この場合重要なことは、その都度、できれば事前に保険会社に連絡を入れて話しておくことです。
  そうすれば保険会社から病院に連絡が行き、治療費は直接保険会社から病院に支払ってもらえるようになりますし、そのことは保険会社が「その病院に通っていることを認めている」ということになります。
  
  「別に保険会社に認めてもらう必要はないではないか！」と思われるかもしれませんが、今の時点での細かい連絡が、後日の示談交渉をスムーズに進められるコツですから、是非お願いします。
  
  足の指の怪我もあって大変だと思いますが、なんとかがんばってください。
  
  
• →　

●「診断書代を自分で払うなら休業損害証明書を書いてやる」と会社に言われました（東京都Ｈ様）

• （質問）
  交通事故にあってもう6ヶ月になりますが、急に休業損害証明書を書けない、証明できないと会社から言われました。
  
  雇用契約を結んでるのだから休業損害証明書を書く義務もあるし書いてもらう権利も私にあると主張しましたし、6ヶ月も立ってから言うのはそもそもおかしいと思うのです。
  
  ちょっと不安なのが休業損害証明書についてです。企業の立場では書かないとだめなのですか？診断書を私の自費で負担したら書いてやるといわれました。教えてください。
  
  （回答）
  休業損害証明書は、交通事故の被害者が事故のために働けずに休業したということを会社が証明するものです。
  
  その証明書を会社が書かないということは普通は考えにくいのですが、もしかしたら「Ｈ様が休業していた期間の全てが事故によるものではない、従って会社としては事故の怪我のために休んだと証明できない」と考えているのではないでしょうか。
  
  「診断書を自分で負担したら」という部分も不思議です。普通は相手側の保険会社が負担するものですから、相手側の保険会社も、既にＨ様の怪我は治っているはずだ、と考えているのでしょうか。
  
  上で述べたように、休業損害証明書は「交通事故の怪我で仕事を休業した、ということを雇主（会社）が証明するもの」ですから、会社が「本人が休業していたのは事故が原因ではない」と考えれば、証明はしません。
  
  「風邪をひいて仕事を休んでいた期間を、交通事故で休んでいたとは証明しない」ということと同じです。
  
  ですからＨ様としては、その休業期間が事故の怪我によるものだったと詳しく証明して説明し、会社に理解してもらうことが必要だと思います。
  会社はＨ様の説明に納得すれば、休業損害証明書を書いてくれるはずです。
  
  

●自転車の自損事故で人身傷害保険から治療費はどこまで払ってもらえるのか（東京都Ｅ様）

• （質問）
  先日、自転車で転倒し肩の打撲をしました。それが原因で肩が上がらなくなり、病院のリハビリに週２回通院中です。全治３カ月と言われました。
  
  現在、週３回の事務パートなので仕事は行っていますが、家事が思うように行きません。
  
  自動車保険の人身傷害補償保険の対象になると聞きましたが、具体的な金額は治療が終わってからと言われました。
  
  通院代がばかにならず、週２回のリハビリも大変で不安になってきました。最低限、保証はどの位もらえると思えばよさそうでしょうか。
  
  （回答）
  人身傷害補償保険から支払われるのは、
  ・治療費
  ・通院交通費
  ・休業損害
  ・慰謝料（精神的な損害）
  などです。
  治療費、通院交通費などの実費は原則としてすべて支払われます。
  一時的なご負担は大変でしょうけど、あとで全て返ってきますので、その点は安心していいです。
  
  ですが治療費や通院交通費、休業損害は治療中でも、1か月ぐらいごとに請求すればもらえますので、立替のご負担が困難になってきたら、怪我が完治するまではとりあえずそれらをもらっておけばよろしいのではないかと思います。
  
  慰謝料（精神的な損害）は治療が終わらないと計算できませんので現時点では分からない、というのはＥ様がお聞きになったとおりです。
  
  
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●「弊社任意基準における後遺障害慰謝料は逸失利益を認定しない結果として自賠責保険限度額を下回る」何これどういう意味？（東京都Ｔ様）

• （質問）
  祖母（86・当時）が交通事故に遭いました。治療後、足の関節が硬直してしまい、事故前は自由に出歩くことができる状態でしたが車椅子生活となりました。
  
  祖母は事故以前も無職です。私ではない孫と同居していたのですが、入院後しばらくして孫の方が亡くなったため、退院後は家に帰らず介護施設に入所し、現在に至ります。
  過失割合は10：0、後遺障害は６級（併合）と認定されました。先日、相手方保険会社から示談金額が提案されたところです。
  
  その内容は次のようなものでした。
  １．治療費・・・治療に要した実額
  ２．看護料・・・近親者の見舞いにかかった交通費実額
  ３．雑費・・・入院日数×1,100円
  　　　　　　　介護施設利用料（症状固定日までの実額）
  ４・傷害慰謝料・・・（入院183日・通院14日）1,426,700円
  ５．逸失利益・・・0円
  ６．後遺障害慰謝料・・・10,160,000円
  
  この内容について不明な点がいくつかあります。
  
  （１）後遺障害慰謝料の欄に「弊社任意基準における後遺障害慰謝料は6,000,000円ですが、逸失利益を認定しない結果として自賠責保険限度額を下回ることから、自賠責保険限度額まで引き上げの上認定させていただいております」とありました。
  
  そもそも、この文面の意味があまり分かりません。そして、金額は正しいものなのでしょうか？
  
  （２）退院後の介護施設利用料を症状固定日まで支払っていますが、今後の請求については難しいのでしょうか。（月額10万円程度です）
  また、将来の費用として見積もるのが難しいとしても、症状固定から現在に至るまでの期間は確実に費用が発生しているのですが、この請求も難しいのでしょうか。
  
  （３）生涯、現在の施設に入り続ける保証がありません。（１年程度で出なければならない可能性もあります）車椅子を購入する費用は請求できるでしょうか。
  
  （４）その他、プロの目で見ておかしな点はありませんでしょうか。
  
  ・逸失利益の認定が難しいことは予想していましたので、大きく争うつもりはありません。
  ・後遺障害等級については、膝関節で８級７号と１２級７号、それに痣が残ったことを併合して６級という判断になっています。これも、素人の目で文言を読む限り大きな問題はないように考えており、大きく争うつもりはありません。
  
  基本的には大筋で受け入れることのできる内容だとは思っています。ただ、後遺障害慰謝料の文言が不明なこと、そして相手方の保険会社の担当者が非常に不遜な態度であることから不信感を払拭できない、といった部分がありご相談させていただきました。
  
  （回答）
  お問い合わせに対する回答をいたします。
  
  > その内容は次のようなものでした。
  > １．治療費・・・治療に要した実額
  > ２．看護料・・・近親者の見舞いにかかった交通費実額
  > ３．雑費・・・入院日数×1,100円
  > 　　　　　　　介護施設利用料（症状固定日までの実額）
  > ４・傷害慰謝料・・・（入院183日・通院14日）1,426,700円
  > ５．逸失利益・・・0円
  > ６．後遺障害慰謝料・・・10,160,000円
  >
  >
  > この内容について不明な点がいくつかあります。
  >
  > （１）後遺障害慰謝料の欄に「弊社任意基準における後遺障害慰謝料は
  > 6,000,000円ですが、逸失利益を認定しない結果として自賠責保険限度額を下回
  > ることから、自賠責保険限度額まで引き上げの上認定させていただいておりま
  > す」とありました。
  >
  > そもそも、この文面の意味があまり分かりません。そして、金額は正しいもの
  > なのでしょうか？
  
  自賠責保険から10,160,000円が支払われるということは事実だと思います。
  ですが自賠責保険から支払われる6級の後遺障害慰謝料は、498万円です。ですから自賠責保険は、逸失利益が518万円と考えているということです。
  
  もう少し詳しくご説明します。
  逸失利益は
  （年収）×（労働能力喪失率）×（対象期間）＝逸失利益
  という計算式で算出されます。
  年収は、専業主婦など実際の収入がない場合は自賠責では年齢に応じて「○○円とみなす」として計算しています。
  
  ご祖母様の場合は年収は「68歳以上の2,839,200円」として考えられています。
  
  次の労働能力喪失率は6級なので67％です。
  
  対象期間は、高齢者の場合は「症状固定時の年齢の、平均余命の半分」と考えます。
  症状固定時は86歳だとすると、平均余命は7.65年ですが、その半分は3.83なので、「3年」として考えられます。
  これは単純に3倍するのではなく、利息を差し引いた「ライプニッツ係数」をかけることになっていますので、3年のライプニッツ係数2.7232なのでこれをかけます。
  
  そうするとぴったり518万円となります。
  何が言いたいかというと、「自賠責は逸失利益を認定している」ということです。
  
  保険会社の説明は「後遺障害慰謝料は、弊社基準は600万円ですが、おまけして自賠責から出る1016万円払ってあげる」と恩着せがましく書いてありますが、この自賠責の1016万円は、後遺障害慰謝料と逸失利益を合わせた金額なのです。
  
  > （２）退院後の介護施設利用料を症状固定日まで支払っていますが、今後の請
  > 求については難しいのでしょうか。（月額10万円程度です）
  > また、将来の費用として見積もるのが難しいとしても、症状固定から現在に至
  > るまでの期間は確実に費用が発生しているのですが、この請求も難しいのでし
  > ょうか。
  
  将来のことなので何とも言えませんが、支払うように請求する価値はあると思います。賠償額に含めてもらえる可能性はあります。
  それにはきちんとした根拠を書いて、計算式と結果を明らかにして理屈がとおる主張にします。
  
  > （３）生涯、現在の施設に入り続ける保証がありません。（１年程度で出なけれ
  > ばならない可能性もあります）車椅子を購入する費用は請求できるでしょうか。
  
  こちらのご心配もあると思いますが、「別の施設を探して入りなおす」と考え、施設利用料を請求する方がよろしいかと思います。
  
  > （４）その他、プロの目で見ておかしな点はありませんでしょうか。
  
  休業損害が無いことはやむを得ません。
  
  傷害慰謝料は、退院後の通院14日のほかにギプスやリハビリ施設利用などの考え方によって通院日の数値が変わる可能性はありますが、「入院183日、退院後の通院14日」なら、裁判所の基準で計算した場合とは少し差があります。
  
  > ・逸失利益の認定が難しいことは予想していましたので、大きく争うつもりは
  > ありません。
  > ・後遺障害等級については、膝関節で８級７号と１２級７号、それに痣が残っ
  > たことを併合して６級という判断になっています。これも、素人の目で文言を
  > 読む限り大きな問題はないように考えており、大きく争うつもりはありません。
  
  後遺障害等級は6級で仕方ないかもしれませんが、逸失利益は請求するべきだと思います。
  
  

●被害者請求はどのようにしたらいいですか（東京都Ｋ様）

• （質問）
  平成○○年6月○日に住宅街の信号の無い交差点で直進中の当方（被害者）の車両に左方から一時停止を無視した車両（加害者）が当方の車の左側面に衝突する事故がありました。
  
  病院で腰椎捻挫と診断され現在も整形外科に通院（月に15日程）しております。相手（加害者）の保険会社とは、まだ示談しておりません。
  
  今後示談を進めて行くにしても保険会社の賠償基準額では示談に応じるつもりはありません。
  示談交渉が長期化する事も懸念しているので、先に自賠責保険の加害者請求をして保険金をもらいたいのですが・・・
  どのようにすればよいでしょうか？
  
  （回答）
  Ｋ様は被害者ですから、Ｋ様が相手の車の自賠責保険に対して直接請求するのは、「被害者請求」です。被害者請求をするためには、まず「交通事故証明書」を取ることから始まります。
  
  交番や警察署などに行き、「交通事故証明書を取りたい」というと、申請書の用紙をくれます。お金が600円かかりますが、その申請書で申し込んで交通事故証明書を取得します。
  
  事故証明書が来たら、それに相手の自賠責保険会社と証明書番号などが記載されていますから、その自賠責保険会社に電話して、証明書番号などを言って、「自賠責保険請求書類」を一式、送ってもらいます。
  
  自賠責保険請求書類が来たら、説明書なども一緒に入っていますから、それを見ながら記載して、自賠責保険に請求書類を送ればＯＫです。
  
  もしＫ様が未成年だったら、請求者は親となって、親の印鑑証明書などが必要です。これらのことも説明書に書いてありますので、良く読んで進めていけば大丈夫です。
  
  
• →　

●何故自分の保険（健康保険）を使わなければならないのか（茨城県Ｕ様）

• （質問）
  今年、３月１２日に対向車からの追突を受け頸椎捻挫のリハビリを続け、９月中旬に医師の方から症状固定のため治療を打ち切るとの話がありました。
  
  首の痛みは局部的残っており、車の運転等に支障があるため治療を継続したいと相談したところ、事故による保険は適用できないので自分の健康保険で治療くださいとの事です。現在は、後遺症障害の認定を受けるために診察を終え医師の診断書待ちの状態です。
  
  質問１・・・事故による障害があるのに何故自分の保険を使うのか疑問
  　　　　　　事故の過失は、100：0にて相手が悪いと判断（警察確認）
  質問２・・・後遺症の診断書は、私は確認できますか（病院→保険会社に行くようです）
  
  ※病院治療回数７４回　　よろしくお願いします
  
  （回答）
  お問い合わせに対する回答をいたします。
  
  > 質問１・・・事故による障害があるのに何故自分の保険を使うのか疑問
  > 　　　　　　事故の過失は、100：0にて相手が悪いと判断（警察確認）
  
  加害者（の保険会社）が被害者に支払う賠償額（例えば治療費）は、怪我をしてからその怪我が完治するまで、あるいは症状固定するまでの期間の損害に対してとなっています。
  
  完治と症状固定の違いは、症状固定の場合は完全には治らず（完治はせず）、その時点で「後遺障害が残った」または「後遺障害が残った可能性がある」という状態です。
  
  加害者は完治または症状固定の時点までの損害を被害者に支払えばいいことになっていますが、症状固定の時点で後遺障害が残っていれば、その後遺障害に相当する「将来の損害を、症状固定時に払う」ということになります。
  
  後遺障害が残ったら、症状固定時以降の分も今、いっぺんに払われます。症状固定以降に治療をしてもしなくても、です。
  
  Ｕ様は既に後遺障害診断書に記載するための診察を受けた状態ですから、「症状固定した」ということになっています。症状固定日はその診察を受けた日です。
  
  現在Ｕ様に後遺障害が残っているのかどうかは、医師が書いた後遺障害診断書を参考にして今後決まり、後遺症が残ったとされたら（後遺障害等級が認定されたら）その後遺障害等級に応じてまた賠償額が支払われます。
  
  それは「今後の補償」という意味合いだと思えばいいです。ただし、後遺障害等級が認定されない場合もあります。
  
  いずれにしても、既にＵ様は症状固定したということになっていますので、今後も治療を続けるかどうかはご自身の自由であり、その治療費の支払いはもう保険会社ではなくご自分ですることになります。もう既に「ご自分の怪我」ということになっているのです。
  
  
  > 質問２・・・後遺症の診断書は、私は確認できますか（病院→保険会社に行くようです）
  > ※病院治療回数７４回　　よろしくお願いします
  
  病院に言って、保険会社ではなく自分に渡してもらうようにしてください。診断書料は保険会社が払うので、保険会社に送らなければならない、と病院がいうのであれば、「では保険会社に送る前に一度確認させてくれ」と言ってみて下さい。それもダメだということはないはずです。
  
  直接病院から保険会社に送ることは防いでください。
  
  以下は後遺障害の説明です。
  
  怪我をしてから半年以上経過しても症状が残っている場合、後遺障害が認定されることがあります。後遺障害は、その症状の程度に応じて段階を付け、「後遺障害等級」として数値的に表現されます。
  
  後遺障害等級は1級から14級まであり、14級が最も軽い後遺障害です。この等級に応じて、後遺障害慰謝料や逸失利益が計算されることになります。
  後遺障害等級が決まると、だいたい後遺障害慰謝料や逸失利益が決まってくるということです。
  
  後遺障害等級が認定されるためには、当然のことながら後遺障害診断書の書き方が非常に重要です。頚椎捻挫などではレントゲンやＭＲＩなどの画像で異常が確認できないことが多いですから、「後遺障害診断書の記載内容が全て」といってもいいと思います。
  
  ですからご自分で後遺障害診断書の内容を検討し、できることなら患者側から医師に「これとこれの検査をしてもらって、このように後遺障害診断書に記載していただきたいです」と希望を出すぐらいが望ましいです。
  
  ですから、後遺障害診断書は必ずご自身で確認するようにしてください。
  
  

●自賠責へ被害者請求すると、相手に連絡が行きますか？（千葉県Ｙ様）

• （質問）
  １３歳の子供が学校横の道路を安全確認することなく走って斜行中、走行中の車前フェンダーに接触怪我をした件で、相手としてみれば「車に飛び込まれた被害者」意識が強い状態です。
  
  幸い怪我は大したことはないのですが、相手の車の自賠責保険を請求した際、相手に自賠責保険から使用の連絡案内は行くものなのでしょうか？
  
  それがもとでもめるのはこちらの本意でなく、あまり相手と関わりたくないのが現状です。
  
  （回答）
  Ｙ様は、さぞかし驚かれたこととお察しします。
  
  相手の車の自賠責保険に請求した場合、加入者本人にも通知がいくので、Ｙ様が請求されたことは分かってしまいます。
  
  ですがお子さまが飛び出したとはいえ、学校の近くでそのようなことがあるかもしれないことは予想できないわけではありませんから、車を運転していた人にも過失があるので、自賠責に請求されても仕方ない、というか請求するのは当然のことです。
  
  既に人身事故扱いになっているのであればＹ様が相手の自賠責に請求してもしなくても、運転手は免停などの行政罰を受けることになります。
  
  それに自賠責保険から賠償金が支払われても、そのことで相手の人の保険料や等級が上がるということはありませんから、
  「Ｙ様が相手の自賠責に請求をしないことで相手が得をすることは何一つない」ということになります。
  
  怪我をしたなら治療費や慰謝料を請求するのは当然ですから、堂々と請求していいと思います。
  
  

●被害者が飲酒運転だったのですが自賠責保険は使えますか？（三重県Ｉ様）

• （質問）
  教えてください。
  被害者の方が原付バイクで飲酒運転をしていた場合、自賠責保険を使うことできますか？
  
  （回答）
  被害者加害者どちらが飲酒をしていたとしても、自賠責保険は使えますから大丈夫です。
  
  
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●怪我をした相手（バイク）の過失が大きいのですが（熊本県Ｏ様）

• （質問）
  一昨日、事故をおこしてしまいました。私は車で相手はバイク。
  
  状況は、私の方が有線道路で、バイクは車一台通るくらいの小さな道路で一時停止義務あり（停止線と標識あり）。信号なしの交差点を私は徐行進入し通過しようとしたところ左側面に衝撃を感じました。
  
  止めて降りるとバイクが転倒、男性が怪我をしていましたのですぐに救急と警察に連絡しました。
  
  小さな交差点でのできごとで、一時停止線から事故現場の距離は2mないくらいで、ぶつかった位置（助手席ドア後部より）と衝撃の具合をみて、警察もバイクが一時停止してない可能性が高いこととスピードをだしていたのだろうと言っていました。
  
  またヘルメットをきちんととめていなかったため、ヘルメットはとばされて頭部をうった可能性があり、相手は今は入院しています。私は特に症状はありません。
  
  保険屋が相手に面談したところ、自分は一時停止をしてゆっくり進入したら車にはねられたといっているようです。
  
  問題はここからなのですが、相手は未成年（19歳）で定時制高校の学生とのこと。任意の保険にはいっておらず、両親とも絶縁されたのでいないと言っており連絡がとれません。
  
  成人されたお姉さんと一緒にすんでいるというのでお姉さんに話をしようとしますが、連絡がとれません。健康保険にもはいってないようです。
  
  私の方の保険屋は、私の被害事故なので私の任意保険を使わず、自賠責に請求してもらうよう
  伝えたといっていますが、入院や手術（詳しい内容わかりません）もしていますし、健康保険に入っていないので自賠責だけではまかなえないのではと思います。
  
  私も車両保険に入っていなかったので、修理代は全部とは言いませんが、過失割合の分は請求したいと考えていますが、正直裁判など自分が疲れてあきらめてしまいそうでどこかいい着地点を探しています。
  
  何かアドバイスしていただけることがございましたら、ご意見をお聞かせいただけないでしょうか？
  
  （回答）
  状況をお聞きした限りでは、怪我をした相手には申し訳ありませんがＯ様がとんだ災難に巻き込まれたように思います。
  
  Ｏ様の自動車の側面後方にバイクが衝突していることや、停止線から２ｍの地点での衝突で自動車が破損していること（破損の程度は分かりませんが）などを考えれば、警察官が言うとおりだと思います。
  
  ただ、全面的に相手が悪いとも言い切れません。
  過失割合を考えると、バイク側に一時停止の規制がある場合、基本はバイク65：車35です（バイクの方が悪いということです）
  
  それに、車の方が明らかに交差点への先入で、バイクに+10％、ですから、バイク75：車25あたりが妥当なところかなと思います。
  
  ぶつかってこられたＯ様に25％も過失があるとされることは不満なことと思いますが、相手がバイクということもあり仕方ないかもしれません。
  
  このことをふまえて、損害賠償をどうするかです。
  
  相手の怪我に関しては、自賠責の範囲内ですむか、あるいはそれ以上になるか分かりませんが、いずれにしても全てご自身の保険会社にまかせておけばいいと思います。
  問題は物損の方です。
  
  理屈ではＯ様が負担する費用は、ご自身の車の修理代金のうちの25％と、相手のバイクの修理代金の25％分ということになります。
  
  もっとわかりやすく言うと、「Ｏ様は相手のバイク修理代金の25％を相手に払う」「相手はＯ様の車の修理代金の75％をＯ様に払う」
  「その後（その前でもいいのですが）各々自分の車両を修理する」
  
  ということになりますので、実際には過失相殺してどちらか多く払う方のみが差額分だけ相手に払うということになると思います。
  
  つまり、仮にバイクの修理代金の25％が10万円で、車の修理代金の75％が40万円だった場合、過失相殺した結果「相手がO様に30万円を払う」ということです。
  
  相手と思うように連絡が取れないようであれば、「災難にあったけど自分に怪我がなかったことだけでも良しとしよう」などと考えて、自分で自分の車を修理してしまうことも一つの選択肢だと思います。
  
  ただＯ様は車両保険に入っていないとしても、対物保険には入っているでしょうから、Ｏ様の保険会社は、相手のバイクの修理代金については相手と話し合うことになるはずです。
  その時に、自分の車の修理代金のことも一緒に話してもらえばいいと思います。
  
  ですから、
  「相手の人身傷害のことについては全て保険会社に任せる」
  「相手のバイクの修理代金のことも自分の保険会社の対物保険に任せるが、その時に自分の車の修理代金のことも一緒に話し合って、過失相殺してもらう」
  
  ということで、任意保険を使うことによる等級ダウン（割引率上昇）の都合もあるかもしれませんで、いずれにしてもご自身が加入している保険会社とよく話をして、進めていくべきだと思います。
  
  

●車を降りかけている状態は運行起因性にあたらないの？（群馬県Ｕ様）

• （質問）
  初めまして。宜しくお願いいたします。先生のご意見を聞かせてください。
  
  ６月５日に車から降りる時、右足首を骨折し２ヶ月ほど入院しました。
  勤務中、社用車（ライトバン）を運転し、駐車して、運転席のドアを開けて、右足は外・左足はブレーキペダルの手前あたり・お尻は座席という状態から、ほんの少し右足に体重がかかった時に足を捻り骨折しました。
  
  任意保険の搭乗者障害がおりると聞いて、社用車の入っている○○火災さんに言ったところ、運行起因性に当たらないので支払われませんといわれました。
  
  車を降りようとしたのも、会社の銀行の通帳を記帳するためでした。
  運行起因性には当たらないのでしょうか。
  
  別な保険会社さんにも聞いてみたら、そちらはおりるそうなんです。アドバイスをお願いいたします。
  
  （回答）
  「運行に起因するか」という問題ですが、これは自動車損害賠償保障法（自賠法）の
  ２条の２項に
  
  「この法律で『運行』とは、人または物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいう」
  と書かれており、この条文に基づいて「運行に起因するかどうか」が決められます。
  
  判例や学説などがいろいろあり、完全にどこからどこまでが運行か、ということを言い切るのは難しいです。
  
  ですが荷台からの積み卸しは「運行」とされておりますし、車のバッテリーを車から外していじくっていたときも「運行」とされましたから、そのようなことを考えてもＵ様の場合は「運行に起因する」と考えるのが普通だと思います。
  
  これらの判例を用意して、○○火災の約款を見ながら、保険会社の担当者とよく話し合って下さい。
  
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休業損害について

●休業日数の数え方は？自家用車の場合の通院交通費は？（愛知県Ｙ様）

• （質問）
  去年の８月に追突され（０：１００です）現在も治療中です。入院はしてませんが、通院は１８０日間で９０回は行っております。
  
  今月末で治療は終わりですと相手保険から連絡があり、後遺障害診断書を月末に書いてもらうつもりです。自賠責規定でなく地裁の金額に近い値で示談したいと思ってます。
  
  質問です。
  １）欠勤１７日なんですが、間に盆休みが３日ありました。１４日で計算するのでしょうか？　また休んでる間の仕事を応援を頼んだせいでボーナスが減額されました。（頼んだ会社からの請求金額分）会社に書いてもらう賞与の減額の書式はどのようなものでもいいのでしょうか？（応援会社の請求書はあります）
  
  ２）事故前３ヶ月の月収が平均５４万です。上記の日数が１４日とすれば、一日１８０００×１４日が休業損害として認められるのでしょうか？ （会社は１４日のうち１０日有給を使ったとして、４日×１８０００を事故の月の月収から減額したので、その金額かな？と思ってますが・・・）
  
  ３）任意一括にしてますが、後遺障害証明書を書いてもらってから、被害者請求に変更するつもりです。治療費や休業損害の示談は等級が出るまで後回しでもいいのでしょうか？（まだ休業損害は出してません）後遺障害以外の損害は先に示談すべきでしょうか？
  
  正式に依頼したとしても等級が非該当となれば、金銭的にもきついので色々ネットで自分なりに勉強しましたが、解らない事もたくさんあり、不安でいっぱいです。
  
  （回答）
  お問い合わせに対する回答をいたします。
  >質問です。
  >１）欠勤１７日なんですが、間に盆休みが３日ありました。１４日で計算する
  >のでしょうか？　また休んでる間の仕事を応援を頼んだせいでボーナスが
  >減額されました。（頼んだ会社からの請求金額分）会社に書いてもらう賞与の減
  >額の書式はどのようなものでもいいのでしょうか？（応援会社の請求書はあります）
  
  事故から一度も出勤しないまま連続して休んでいる場合は、土日も休業日数と考えますが、夏季休暇は含まれないことになっています。
  
  ですからＹ様の場合は原則として14日と考えることになりますが、保険会社が認めるかどうかの問題なので、とりあえずは17日で請求するのがよろしいかと思います。
  
  賞与減額証明書は保険会社に言って用紙をもらってください。「どんなものでもいいです」などと言われたら、会社に作ってもらってください。 日付や期間、理由、金額、いつの分の賞与なのか、などがきちんと記載されていて 誰が見てもわかるようになっていればいいです。
  
  >２）事故前３ヶ月の月収が平均５４万です。上記の日数が１４日とすれば、一
  >日１８０００×１４日が休業損害として認められるのでしょうか？
  >（会社は１４日のうち１０日有給を使ったとして、４日×１８０００を事故の
  >月の月収から減額したので、その金額かな？と思ってますが・・・）
  
  有給休暇を使った日も、普通に休んだ日と同じように考えますので、Ｙ様の場合は（夏季休暇を含まないとすると）18,000円の14日分ということになります。
  
  >３）任意一括にしてますが、後遺障害証明書を書いてもらってから、被害者請
  >求に変更するつもりです。治療費や休業損害の示談は等級が出るまで
  >後回しでもいいのでしょうか？（まだ休業損害は出してません）後遺障害以外
  >の損害は先に示談すべきでしょうか？
  
  治療費や休業損害は実費なので今のうちに精算しても構いませんが、Ｙ様の今の段階であれば、後遺障害の結果が出てから（つまり後回し）にした方がいいと思います。
  
  （上記の回答に再度質問をいただきましたので、それに対しての再度回答です）
  再度メールをいただきましてありがとうございます。
  > �@通院の慰謝料ですが、頚椎捻挫の診断が出ていますので
  > ６ヶ月までは（通院日数×２）か１８０日の少ない方で日数を出すのは解って
  > おりますが
  > それ以降はどのように計算するのでしょうか？ちなみに１８０日までは９０回
  > （別に合わせたわけではないのですが・・・）それ以降は１２回で総治療日数
  > は２０６日です。
  > １８０＋１２で正解でしょうか？相手保険屋が出してくるのは１９２日なら×
  > ４２００＝８０６４００
  > 地裁なら９２万位でしょうか？
  
  「実通院日数×２」か「総治療期間の日数」の少ない方に4,200円をかけるのは、6か月までではなく「合計額が120万円に達するまで」です。 合計額とは慰謝料の他、治療費や休業損害などもすべて含めます。
  
  Ｙ様の場合は実通院日数の2倍は384となりますので、これではなく総治療期間の206日で考えます。 206日×4,200円＝865,200円 が慰謝料の金額ですが、休業損害が252,000円になりますから、慰謝料と休業損害の合計で1,117,200円となってしまいます。
  
  192回通院した治療費が82,800円以下とは思えませんので、治療費、休業損害、慰謝料、の合計額は120万円を超えることは確実です。
  
  そういう場合は、「治療費、休業損害、通院交通費」などの実費を優先的に支払い、それでも120万円の枠が残っていれば、自賠責から「枠内の残り」が慰謝料として支払われることになります。
  
  何が言いたいかというと、「合計で120万円を超える場合は慰謝料は自賠責基準ではなく任意保険基準で計算される」ということです。 もちろんそんなことにはかかわらず、被害者は地裁基準で計算すればいいのですが。
  
  > �A通院費の車の場合、やはり地裁基準でも１５０円なんでしょうか？家から３
  > キロ程度なら往復で６キロとなり（１５０円×治療日）と計算するのでしょうか？
  
  自家用車ので通院は、地裁基準でも1キロメートル当たり150円ではなく15円です。往復6キロなら、
  15円×6キロ×通院日数　となります。
  
  > �B被害者請求をする場合、先に後遺障害の認定を想定して金額を請求すると知
  > り合いが言っているのですが本当なんでしょうか？あと、後遺障害の等級が認
  
  そんなことはしません。後遺障害等級が決まらないうちは、保険会社には相手にされない、または後遺障害が非該当だったという想定で賠償金額を出してきます。
  
  > 定された場合後遺障害の慰謝料は解るのですが、逸失期間がどのサイトを見て
  > も６７歳までとなっております。５年〜１０年となった場合のライプニッツ係
  > 数は素人ではムリなんでしょうか？ちなみに年収７００万で４７歳です。
  
  永久に治らないような後遺症の場合は67歳までなのですが、頚椎捻挫などの神経症状の後遺症の場合は、14級なら5年以内、12級なら10年以内、というのが裁判では一般的です。
  でも任意保険会社は「14級なら2年」「12級なら5年」などと言ってきますので要注意です。
  

●会社は休業損害を証明してくれるでしょうか（東京都Ｋ様）

• （質問）
  交通事故の休業損害を請求したいと思っています。
  
  会社のビルに入居している整骨院にかなりの回数で通院したのですが、いつも昼休みの時間を利用しており、その通院時間分（４５分）を勤務時間から差し引いて会社に申告していました。
  
  休業証明は会社に出してもらわないといけないと思いますが、会社は客観的に通院の実態を知ることはできないのですが、証明は可能でしょうか。 よろしくお願い致します。
  
  （回答）
  整骨院に通院していた日付とＫ様が45分を差し引いて会社に申告していた日付は一致するはずですから、会社には事情を説明して、客観的な証明が必要ということであれば、整骨院から「施術証明」をもらって会社に見せてください。
  
  施術証明書は、相手側の保険会社から整骨院に直接施術代を支払っていれば、保険会社にありますので、保険会社の担当者に連絡して、整骨院の施術証明書のコピーを送ってもらえばいいです。
  
• →　

●青色専従者ですが、休業損害はどうなるのでしょうか（兵庫県Ｍ様）

• （質問）
  今年の５月に追突の事故にあいました。症状は頚椎捻挫です。
  半年病院と柔道整復を通院して半年が経つので、治療をやめ示談交渉となっていますが、私の場合自営で父が事業主で私は専従者給料を年間９６万円貰っています。（青色申告書）
  この場合私の休業損害ですがどのようになるのでしょうか？
  
  今保険屋には所得証明書が提出してあるのですが記入してもらう書類を送ると言いながら何も送っては来ていません。
  １２０万円超えれば３か月分しかもらえない趣旨の事がネットで書かれていますが、それは何処の保険屋でも同じでしょうか？
  
  また事故には妻も被害にあい妻の場合は主婦扱いで日額５７００円を出すと保険屋は言っています。
  自分は両親と同居ですが親はどちらも８０歳を超えていますし、父親は手術をしたことから食べ物が非常に難しく妻がすべてやっています。母親の食事も作っています。
  この事から妻は賃金コンセンサスからの支払いが要求できないでしょうか？また１２０万超えればそのときはやはり３ヶ月分しか要求できないのでしょうか？
  
  よろしくお願いします。
  
  ちなにみに病院には８回、柔道整復には７５回通いました。妻も同じような治療実績です。
  頭の痛みは消えないですが、後遺症と言えるような物では無いと医者に言われ示談交渉となっています。この事にはあまり異論はありません。
  
  （回答）
  まずはＭ様の休業損害についてです。
  休業損害の本来の趣旨は、事故による怪我で仕事ができず、そのために収入が下がった分を加害者が補償する、というものです。
  
  ですからＭ様がどの程度の給料をもらっていたのかどうかも重要ですが、問題は「そのためにどれぐらい収入が減ったのか」を証明することです。
  
  言い換えれば、怪我をして仕事を休んだとしても、収入が減っていなければ休業損害は発生しない（もらえない）ということです。
  
  Ｍ様は、事故前の収入がいくらだったのかということとともに、怪我で仕事を休んだために給料がどのくらい減ったのか、ということを、保険会社が今後送ってくる「休業損害証明書」で証明することになります。
  
  > １２０万円超えれば３か月分しかもらえない趣旨の事がネットで書かれていま
  > すが、それは何処の保険屋でも同じでしょうか？
  
  このようなことを誰がネットで書いているのか知りませんが、自分自身の経験を書いているだけにすぎないのだと思います。
  実際には120万円を超えなくても3か月分や1か月分しか払わない、といわれることも珍しくありませんし、何百万円かかっても1年分も休業損害が払われることもあります。
  
  つまり「事故のために実際にどれぐらい減ったか」ということが重要です。
  
  次に奥様の場合ですが、家事従事者の場合は通常の「給与所得者」とは違う考え方をされます。
  奥様も日常ではＭ様と同じように働いて同じような給料をもらっているのかもしれませんが、主婦の場合は「家事従事者として考えた方が被害者にとって有利」なのであれば、家事従事者として考えてくれます。ちょっと優遇されている感じです。
  
  家事従事者の場合はもともと雇い主から給料をもらっているわけではありませんから、「給料をもらっていたと想定して、怪我をしたためにどのくらい家事ができなくなったか」と考えます。
  
  1日あたりの家事労働を賃金に換算するとどのぐらいになるのか、というのも実際には分かりませんので、「1日5,700円」とか「1日8,000円」などと決めて、実際の通院日数をもとに「架空の休業損害」を算定して支払われることになります。
  
  この場合も、120万円を境目にして保険会社の査定（支払い）は厳しくはなりますが、だからと言って3か月以内とか6か月以内などと決まっているわけではありません。
  
  > 父親は手術をしたことから食べ物が非常に難しく妻がすべてやっています。母
  > 親の食事も作っています。
  > この事から妻は賃金コンセンサスからの支払いが要求できないでしょうか？
  
  1日の賃金は「想定した」金額ですから、必ずしも決まっていることではありません。ですからＭ様がお考えのとおり、賃金センサスの金額での支払いを要求することは構いません。
  
  ですが要求することは構いませんが、それで保険会社が要求通り支払うかどうかは別問題です。
  口で言うだけでは全く相手にされませんから、せめて「損害賠償請求書」として書面にして請求しましょう。
  
  

●休業損害証明書は自分で作った書式でもいいですか（東京都Ｗ様）

• （質問）
  「休業損害証明書」ですが、保険会社より送付されたものではなく、自己で、または勤務先で作成したものでも大丈夫なのでしょうか？
  
  というのも夜の水商売をしている為、保険会社より送付されたものですと埋められない項目が数多くあるのです。
  
  作成したものの内容ですが、そのお店に「在籍して勤務している」と言う事と「いくらの時給で勤務しているか」と言う事と「事故により欠勤している」旨を記載し、お店（会社にしてありますので社判）の印、代表者の署名及び印を載せたものです。
  
  いかがなものでしょうか？
  
  （回答）
  休業損害証明書は、埋められる項目だけ埋めればいいので、保険会社の書式を使った方がいいです。保険会社は「違う書式では払えない」などと言い出すと思います。
  
  重要なこと、あるいは必要なことは、Ｗ様がお考えのとおり
  ・在籍して勤務している事
  ・いくらの時給で勤務しているか
  ・事故により欠勤していること
  
  などがわかることです。ですが、欠勤日については「事故によって何月何日に休んだか」ということを明らかにするのです。
  
  事故以来全部休んでいるのでしたら、「事故が無ければ働くはずだった日」に働けなくなったのですから、働くはずだった日、に全て○をつけることになります。
  事故直前の3か月分の給与も、一応書きます。
  
  とりあえず体裁が整っていないと保険会社は払いませんから、なんとか保険会社の書式の休業損害証明書を完成させるようにしてください。
  
  
• →　

●給与が減っていないと休業損害は払われないのでしょうか（群馬県Ｆ様）

• （質問）
  タクシーとバイクの事故になります。
  タクシーが交差点を曲がりきった所でお客を乗せるために急に左により急停車、私はバイクでタクシーの左後方を走行していましたが、これによりバイクの右前方とタクシーの左後方の接触。
  
  休業損害証明書についてアドバイスお願いします。
  私の父が社長で私は社員の形態の町工場の者ですが、タクシーとの接触により１８日間接骨院に通院していました。
  
  会社は８時から１７時プラス１９時までの２時間の残業というスタイルで仕事をしています。接骨院には１８時から１時間ほど通院に時間を取られ、給料の減額がない代わりに、１９時から２時間ほどその分の仕事を無給で行っていました。
  
  このことをタクシー会社に話をして休業損害を請求しようとした所、実際に減給されていないのでこの部分は支払えないといわれました。（この部分は慰謝料に組み込まれている）と言っていました
  
  結局提示してきた金額は４，２００円＊２７日分のみでしたが、実際に休業損害を請求することはできないのでしょうか？
  
  最悪の場合有給があるので（有給は休業損害が支払われると書いてあったので）後からその部分と切り替えることは可能でしょうか？
  宜しくお願いします
  
  （回答）
  休業損害は、事故で受けた怪我のために働けず、給与が減った分を加害者が支払う、というものです。
  
  加害者側が言うことはどれが本当でどれが嘘か分かりにくいので、常に疑問を持ってしまうと思いますが、今回の休業損害についての説明の「実際に減給されていないので払えない」ということについては、全く本当のことです。
  
  Ｆ様の場合は、「仕事が終わってから」あるいは「仕事が休みの時に（土日など）」接骨院に行ったのと同じ扱いになります。
  
  仕事が休みの時にせっかくの休日をつぶして通院していたことに対して、休業損害などが払われないことについてご不満に思う気持ちは、よく分かります。ですが休業損害の目的は「実際に減った給与を補てんする」ことですから、実際に減っていなければ、請求することは難しいです。
  
  そういう意味では「わざわざ休日をつぶして通院した」とか「わざわざ仕事の後時間をかけて通院治療した」などということに対して、申し訳ないので慰謝料で補てんする、という理屈も、全く成り立たないわけではありません。
  
  > 最悪の場合有給があるので（有給は休業損害が支払われると書いてあったので）
  > 後からその部分と切り替えることは可能でしょうか？
  
  理屈の上では可能ですが、既に有給を使ったり給与が減ったりしていないということを、タクシー会社は知っていますよね。
  「給与が減っていないけど、有給は減ったのだ」ということなら休業損害は支払われますが、有給は1日もしくは半日単位でしょうから、実際に働かなかった時間と「休業損害証明書」に記載する時間（日付）が違うものになるのであれば、お勧めはできません。
  
  

●パートですが専業主婦として請求できますか（広島県Ｍ様）

• （質問）
  相談ですが、今月頭に追突事故に遭い、只今通院しております。
  私は、１日四時間のパート勤務で月に17日程度です。
  
  慰謝料なんですが、専業主婦としての請求は可能でしょうか？
  
  病棟勤務なので、一週間の休業請求を考えてますが主婦時間の方が長く、そちらも、請求希望ですが、休業請求、慰謝料請求専業主婦請求の３つは不可能ですか？
  
  まだ、正式用紙は提出しておりません。
  
  （回答）
  慰謝料は、通院した回数や治療期間に基づいて計算されますから、主婦でも会社員でも同じです。ですが休業損害は違ってきます。
  
  主婦の場合はパートでの給料（休業損害額）よりも「専業主婦」としての休業損害額の方が多いようでしたら、専業主婦（家事従事者となります）として休業損害額を計算して請求すればいいです。
  
  ですが「パートでの休業損害」か、「専業主婦としての休業損害」のどちらか一方のみの請求となります。両方はできません。
  
  慰謝料はこれとは別ですから、請求はできます。
  
  ですから請求する項目は、
  １．治療費（保険会社から直接病院に払っていると思いますが）
  ２．通院交通費
  ３．パートとしての休業損害か主婦としての休業損害のどちらか
  ４．慰謝料
  となります。
  
  
• →　

●給料は全額支給されましたが、休業損害は請求できますか（福岡県Ｈ様）

• （質問）
  はじめまして。8月○日に停車中に後ろから自動車に追突され、頚椎捻挫で現在も治療中です。
  
  お聞きしたいのは休業損害についてですが、私はこの事故によって欠勤や有給休暇は使っておらず、給料も全額支給です。
  
  通院を勤務中に抜けて行っているのですが、この場合遅刻及び早退とし、休業損害として請求できるのでしょうか？　
  
  （回答）
  交通事故による休業損害は、実際に休業して給与が減った分を相手に補償してもらうことが目的です（有給が減った分も含みます）。ですから給与が減っていなければ、補償してもらう部分がないわけですから、相手から休業損害は支払われません。
  
  休まなくても遅刻や早退をして、その分の給与や有給が減らされたのであれば、それはもちろん相手から支払われます。
  ですが実際には何も減っていないのであれば支払われないのが原則です。
  
  被害者が会社員の場合は、勤務先に「休業損害証明書」を書いてもらって、それを保険会社に提出する事によって休業損害を請求します。
  
  その休業損害証明書には、実際に休んだ日や時間（早退なら）、その分給与は支払ったのか支払わなかったのか、有給休暇は使ったのかどうか、などを書くことになっています。
  
  それをみて、被害者に支払われた給与が減っていなければ本人は損害を受けていないことになりますから、相手からは払われないということになります。
  
  

●事故に遭う少し前にアルバイトを辞めたので休業損害はもらえないのですか（山口県Ｓ様）

• （質問）
  交通事故により、過失割合が相手が90：自分が10で、相手側から物損は支払ってもらいました。人身だった為、慰謝料の承諾書が送られてきましたが、休業損害の計算は、ありませんでした。
  
  事故に遭う少し前にアルバイトを辞めていた為、事故の時には無職と相手側に言っていましたが、次の仕事を探しているところでした。
  
  前の職場は、約２ヵ月働いてますが、給与明細は親の扶養家族の証明の為、親の職場へ提出しているので、手元にはありません。給与の振り込まれた通帳はあります。
  
  私の場合は、全く休業損害は出ないのでしょうか？
  傷害は、腰部捻挫で１８日通院しました。残念ながら、未だに就職はできていません。
  
  （回答）
  事故に遭う前に仕事を辞めていたということは、休業損害を払ってもらうにはかなり厳しい状況です。本来は勤務先に「休業損害証明書」というものを書いてもらって、それを提出しなければなりませんが、それを書いてもらうことは不可能だからです。
  
  それでも何とか証明するものをそろえれば払ってもらえるはずです。
  証明するものとしては、まず以前の勤務先に給与をもらっていたのであれば、振込を確認する通帳の記載だけでは難しいです。やはり給与明細を、親御さんの職場からもらってくることです。コピーでもいいです。
  
  それに加え、事故に遭った時点で仕事を探していたという、何かしらの証拠が必要です。ハローワークに行っていたのであれば証拠は出しやすいでしょうけど、そうでなければ、例えば面接をしていたということが分かるものがあるとか、そういった証拠を用意して、
  「このとおり働く意志があって求職もしていたが、事故のケガでできなくなった」
  ということを証明するのです。
  
  そうでないと、口で言っただけでは相手は信じません。
  
  なかなか大変ですが、がんばってください。