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高次脳機能障害の記憶検査(三宅式記銘力検査など)

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記憶検査の種類や方法はどのようなものか

記憶力の障害は、高次脳機能障害における重大な障害です。
記憶力の障害に関する検査には以下のようなものがあります。

【記憶検査の種類】
  1. WMS-V(日本版ウェクスラー記憶検査)

  2. 三宅式記銘力検査

  3. ベントン(Benton)視覚記銘検査


1.WMS-V(日本版ウェクスラー記憶検査)

世界的に最もよく使用されている総合的な記憶検査です。

言語を使った問題と図形を使った問題で構成された13の検査項目で、100点を中心として15点が標準偏差です(正常値が85〜115点です)。

「言語性記憶」
「視覚性記憶」
「注意/集中力」
「遅延再生」

といった記憶の各側面を算出できる評価法です。


【関連】神経系統又は精神の障害


三宅式記銘力検査

ウェクスラー三宅式記銘力検査は聴覚性言語の記憶検査です。

2つずつ対にした「有関連対語10対」と「無関係対語10対」を読んで聞かせたあとに、片一方を読んでもう一方を想起させて10点満点の得点とし、同じことを3回繰り返します。

頭部外傷では、特にこの無関係対語の成績が悪くなります

正確に標準化されているわけではありませんので目安ですが、平均点は有関係で1回目8.5点、2回目9.8点、3回目10点で、無関係では1回目4.5点、2回目9.8点、3回目8.5点です。

三宅式記銘検査票
有関係対語 T U V 無関係対語 T U V
海−船 ほたる−切符
男−ひげ 頭−秋
春−秋 煙−弟
火事−ポンプ 正直−たたみ
煙草−マッチ 夏−とっくり
病気−薬 けんか−香水
夜−電灯 谷−鏡
はと−豆 柳−電話
運動−体操 時間−砂糖
心配−苦労 練習−地震
正答数 正答数
忘却数 忘却数
追想錯誤数 追想錯誤数


ベントン(Benton)視覚記銘検査

主に脳損傷者を対象にした視覚性注意、視覚性記憶、視覚認知、視覚構成能力の評価を目的とした検査です。

単純な幾何学モデルを提示し、隠したあとでモデル図形を同じサイズ、同じ場所に描かせて、視覚認知や視覚記憶などを調べます。

採点は大きく分けて以下の6つについて評価します。

1.省略や追加はないか
 
2.ゆがみはないか
 
3.固執性(新しい図形に移行できるか)
 
4.回転はしていないか
 
5.置き違いはないか
 
6.大きさの誤りはないか

 

問題ありとされる正答数の基準は、10枚中

15〜44歳が5以下
45〜54歳が4以下
55〜65歳が3以下


とされています。


関連項目