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経過診断書の内容、読み方

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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)

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経過診断書の見方

【このページの目次】

1.診断書とは

診断書には、今後の見通しなどを記載する「(見込みの)診断書」や、主に過去1~3か月の治療経過を記載した「(経過の)診断書」、その他に死亡診断書や後遺障害診断書など、何種類かのものがありますが、いずれの診断書も診断時点の症状を、医師の医学的な判断で記載されるものです。

ここでは経過の診断書についての説明をします。


2.経過診断書の見方


経過診断書傷病者…患者を特定します。

傷病名…医学上認められた傷病名が記載されます。

治療開始日…傷病ごとに治療開始日が記載されます。

治ゆまたは治ゆ見込日…各傷病ごとに、治ゆまたは治ゆ見込の別と日付を記載することになっています。

症状の経過・治療の内容および今後の見通し…診断書を発行した日までの患者の自覚症状、客観的所見としての他覚症状、治療内容、手術をした場合の内容、などが記載されます。
一定期間ごとに診断書が発行されて複数になっているときは、時間の経過ごとに記載内容が変化している場合がありますので、原因を検討してください。

主たる検査所見…実施された検査名とその結果が記載されます。傷病ごとに必要な検査がありますので、検査項目にも注目します。

初診時の意識障害…なし、ありが記載されます。頭部外傷などにより「あり」となった場合には、意識レベルの検査結果などが記載されます。

既往症および既存障害…なし、ありが記載されます。この記載により、交通事故との因果関係の有無が判断されます。

後遺障害の有無について…なし、あり、未定が記載されます。治療中継続は、ほとんどが「未定」です。

入院治療、通院治療…入院、通院していた期間、日数が記載されます。

ギプス固定期間…通院期間であっても、ギプス固定期間は入院と同視される場合があります。

付添看護を要した期間…医師の判断で必要とされれば記載されます。幼児、児童の場合を除き、原則としてこの記載がなければ、付添看護費は認められません。

治ゆ、継続、転医、中止、死亡が記載されます。

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3.後遺障害等級がとれる経過診断書

後遺障害等級が認定されるためには、後遺障害診断書が最も重要であることは間違いありませんが、それが全てではありません。
以下に、証明することが難しいむち打ちの場合を例にして、経過診断書の重要性について考えてみます。

後遺障害等級を判断する「自賠責損害調査事務所」は、等級認定に当たって以下の点を重視しています。

① 事故態様(衝突や衝撃の大きさ)が後遺障害の症状を発生する程度であること

② 事故当初から病院への通院を継続していること

③ 事故直後から症状固定までの症状の訴えに連続性、一貫性があること

④ 後遺障害診断書の記載上、自覚症状と画像所見、神経学的検査所見に整合性があること


このうち経過診断書で確認できるのは、②と③です。

②については、まず事故直後に初診を受けていることが必要です
むち打ちなどは事故当時は分からず少し時間がたってから痛くなってくる、ということもありますが、「事故から初診まで」が離れている場合は7日間が限度です。10日を超えていると「事故との因果関係あり」を認めさせるのはかなり困難です。

そして、接骨院に通うことは構いませんが、必ず病院へも一定の頻度で通ってください。
これは③にも関係してきますが、後遺障害等級認定のためには症状の訴えに連続性、一貫性が求められます。

診断書を発行できるのは病院の医師だけなので、接骨院のみに通っている期間が長いと、その間の症状の連続性、一貫性が確認できないことになってしまいます。

ですから病院には必ず一定の頻度で通い、その上で、受傷初期の診断書にどのような記載がされていて、その後の症状の訴え、回復の経緯がどのようであったか、といった記載で連続性、一貫性が認められる必要があるのです。

例えば、後遺障害診断書に頚椎捻挫、腰椎捻挫と書かれてあったとしても、腰椎捻挫のことは事故受傷後2か月経過した時点から記載が始まっていたら、腰椎捻挫についての因果関係は認められず、後遺障害等級が認定されることはありません。

また経過の中で、例えばブロック注射を打つなど積極的な治療が行われていることも重要です。単に痛み止めの湿布や貼り薬を出しているだけというようであれば、この時点でもう症状は改善せず、すでに症状固定しているのであろうと判断される可能性があります。

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4.むち打ちでの経過診断書の注意点(治癒・中止・継続)

医師の作成する診断書では、治療について「治ゆ・中止・継続」を選ぶところがあります(上記「診断書の見方」の⑬)。

ここで「治ゆ」とされた場合、後遺障害の等級が取れないことがあります。

例えば、頚椎捻挫や腰椎捻挫などで、保険会社から治療の打ち切りをされ11月30日に治ゆとされたとします。しかし、症状が残っているので12月10日に後遺障害の診断を受けたとします。

すると、「11月30日に「治ゆ」と判断される程度の症状であるから後遺障害には該当しない」と判断されてしまいます。医師は細かい事を考えず、保険会社からの治療費直接払いが終わったからという理由で「治ゆ」に印をつける場合があるのです。

書類審査だからこそ、こういった細かい部分が等級に影響を与えるのです。本来であれば、ここは「中止」とされるべきです

もっとも、後遺障害でいうところの「治ゆ」という言葉自体は、完全に元通りに治ったという事ではありません。後遺障害の認定基準でも「傷病が治った時に残存する」症状とされています。

例えば、明らかな後遺障害と言える骨の変形ゆ合が残っているときに、診断書で「治ゆ」に丸が付けられても、これが理由で後遺障害に該当しないと判断される事はありません。

結局、診断書の「治ゆ」が等級に影響を与えるかどうかは、それまでの経過や傷病の内容によるところが多く、無難なのは「中止」という事になります。

ところで、良く質問があるのですが、ここで「中止」とされたとしても、その後、自費で通院を行う事は可能です

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