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脊髄損傷や麻痺の検査方法、後遺障害について

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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)

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脊髄損傷について(神経系統の機能の障害)

神経系統の機能と精神の障害のうち、脊髄損傷についてこちらで詳しく説明しています。

【このページの目次】

1.脊髄とは(脊髄(せきずい)と脊椎(せきつい)の違い)

まず似たような言葉「脊髄」と「脊椎」の違いについて説明します。

脊椎は背骨、骨そのもののことで、椎骨と呼ばれる独特の形をした骨が、椎間板というクッションを間に挟んで積み上げられた状態になっております。脊椎は上から頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、さらに仙骨と尾骨の合計26個の椎骨で構成されています。

脊椎と脊柱は、ほぼ同義語として使われることが多いですが、脊柱は背骨全体のこと指すのに対して、脊椎は主に背骨を構成する一つ一つの骨のことを指す、と考えてください。

それに対して
脊髄と、「神経の束」のことです。脳の延髄から下に、神経の束が棒状に伸びているものが脊髄で、トンネル状になっている脊椎(背骨)の中をとおって腰のあたりまで伸びています。

すなわち脊椎は、体を支持することや運動すること共に、脊髄を保護する役割も担っている、という関係です。

脊髄は脳と体の各部分(末梢)をつなぐ神経ですから、脳からの命令を末梢に伝え、末梢からの情報を脳に伝える役割をしています。

末梢神経脊髄の長さは約40~45cm、断面は直径約1cmの楕円形をしております。脳に近いところ(高位)から頚髄(C1~C8)・胸髄(T1~T12)・腰髄(L1~L5)・仙髄(S1~S5)に大別され、頚髄からは8対、胸髄からは12対、腰髄からは5対、仙髄からは5対の脊髄神経が出て、末梢神経として末梢まで伸びています。

脊椎は、頚椎7個がC1~C7、胸椎12個がT1~T12、腰椎7個がL1~L7と呼ばれており、その隙間から出る神経根も上記のように頚髄C1~C8などと呼ばれていますが、頚髄のみ頚椎より一つ多いので、注意が必要です。

脊髄が障害されてしまうと、四肢麻痺や対麻痺(両上肢または両下肢の麻痺)、単麻痺(一上肢または一下肢の麻痺)などが起こったり、熱いとか痛いといった感覚が分からなくなる知覚鈍麻になったりします。

脊髄のどの部分が損傷したのかいうことと、末梢のどの部分に麻痺や知覚異常が発生しているのかということは密接な関係があります。


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2.確認のための検査

脊髄の障害での後遺障害の申請は、画像で脊椎の所見を確認することはもちろんのこと、適切な検査で神経所見を必ず確認しておかなければなりません。

障害の場所が頚椎なのか、胸椎、腰椎(仙椎・尾椎含む)なのかによって確認のテストは違いますので、必要な検査を見極めましょう。
以下に、各検査の詳細について説明します。

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3.頚椎の検査

3-1.誘発テスト

  • スパーリングテスト
    • スパーリング・ジャクソン頭部を症状がある側に後側屈(傾け)させ、上から圧迫し軸圧を加えます。圧迫を加えることで、そこを通る神経根に障害が存在する場合、その神経根の支配領域(上肢)に疼痛、しびれ感がでます。

      椎間板ヘルニア、頚椎症による椎間孔狭窄などで陽性になります。

    ジャクソンテスト
    • スパーリングテストとほぼ同じ目的のテストです。頭部を後屈させ、軸圧を加えて圧迫すると、上肢あるいは下肢に放散痛やしびれがでます。

      神経根障害、脊髄障害いずれでも陽性となります。

3-2.深部腱反射

  • 腱の先端をゴムハンマーでたたくと筋肉が急激に伸展しますので、その防御性の収縮を見るものです。

    脊髄(中枢神経)に障害があると亢進+++(または軽度亢進++)となり、末梢神経に障害があると消失-(または減弱±)がみられます。

    ただし両側性に亢進や減弱がみられる場合は必ずしも病的とは限らないので、必ず両側を比較して左右差を見ることが重要です。

    神経根と支配領域の関係は以下のとおりです。
  • C3より上位 肩甲上腕反射
    C5-6 上腕二頭筋腱反射
    C6-7 腕橈骨筋腱反射
    C7-8 上腕三頭筋腱反射

3-3.徒手筋力テスト

  • 徒手筋力テスト(MMT)は、患者(被験者)の上肢(または下肢)の各動作に対して、医師(検査実施者)が実際に手で圧力を加え、その圧力に抵抗して動作を保持できるかを確認することで各筋肉の筋力を判定するテストです。
    筋力は以下の6段階で評価します。
  • 判定 状態
    5 normal 強い抵抗化で重力に対して可動域内を完全に動かせる
    4 good かなりの抵抗下で重力に対して可動域内を完全に動かせる
    3 fair 重力に対して可動域内を完全に動かせる
    2 poor 重力を除くと可動域内を完全に動かせる
    1 trace 筋肉の収縮のみで関節の動きはない
    0 zero <筋肉の収縮なし
  • どの筋力が落ちているかにより、障害されている神経の高位(位置)を推定します。
  • 神経障害高位と筋力低下の関係は、以下のとおりです。
  • C5 三角筋、上腕二頭筋
    C6 腕橈骨筋、手根伸筋(橈側)
    C7 上腕三頭筋、手根伸筋(尺側)、手根屈筋(橈側)
    C8 手根屈筋(尺側)
    C8-T1 小指外転筋

3-4.病的反射

  • 病的反射は健常者には出現しない反射で、中枢神経系の障害により出現します。その反射の程度は必ずしもその患者の重症度を反映しているわけではないので、注意が必要です。
  • ホフマン反射
    • 患者の中指を上から下(爪側から掌側)にはじくと、親指や人差し指が内側に屈曲します。

    トレムナー反射
    • ホフマン反射と同じ目的で、患者の中指を下から上(掌側から爪側)にはじくと、親指や人差し指が内側に屈曲します。

    ワルテンベルク徴候
    • 人差し指、中指、薬指、小指を屈曲させ、検者と引っ張り合いをさせます。椎体路障害があると親指が内側に屈曲します。

3-5.筋萎縮検査

  • 神経系統の異常があって筋肉の運動量が減ると、筋肉は萎縮してきますので、この筋肉の厚みを測る検査です。
    両上肢の肘関節の上下 10 ㎝のところの上腕部と前腕部の周径を測り、左右で比較します。
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4.腰椎の検査

4-1.誘発テスト

ラセーグ
  • ラセーグテスト
    • 仰臥位(あおむけ)に寝て股関節とひざ関節を90度に屈曲させた状態で、医師(検者)が膝を徐々に伸展させます。

      椎間板ヘルニアなど、坐骨神経(L4,L5,S1,S2,S3の神経根)に障害がある場合、大腿後面から下腿後面に疼痛が生じます。

    SLRテスト(下肢伸展拳上テスト)
    • 仰臥位(あおむけ)に寝た状態で、膝小のばしたまま下肢を上げ、どの程度上がるかを測定して判断します。

      70度を超えれば正常、下肢後面の疼痛のために70度まで上げられない場合は陽性で、L5,S1の神経根の障害が疑われます。

    FNSテスト(大腿神経伸長テスト)
    • うつぶせに寝て膝を90度に屈曲させた状態で、医師(検者)が膝関節を伸展するように持ち上げます。

      大腿神経(L2,L3,L4の神経根)に障害があると大腿前面に痛みが放散します。

4-2.深部腱反射

  • 腰部神経症状確認の深部腱反射は、膝蓋腱反射とアキレス腱反射を行います。
    神経根と支配領域の関係は以下のとおりです。
  • 膝蓋腱反射 L2-4
    アキレス腱反射 S1-2

4-3.徒手筋力テスト(MMT)

  • 腰部神経症状確認でも徒手筋力テストを行います。
    神経障害高位(位置)と筋力低下の関係は、以下のとおりです。
  • L1-L2 腸腰筋
    L3 腸腰筋
    L4 大腿四頭筋、前脛骨筋
    L5 長母趾伸筋、膝関節屈筋群
    S1 長母趾屈筋、下腿三頭筋、膝関節屈筋群

4-4.病的反射

健常者には出現しない反射です。
  • バビンスキー反射
    • 足底外側を刺激すると起こる反射です。正常では母趾が底屈します(グーみたいになります)。陽性では、逆に母趾が背屈し、他の指は開いていきます(開扇現象)

      かなり信頼できる検査です。

    クローヌス(膝クローヌス、足クローヌス)
    • 筋肉を急激に伸展させた際に、筋が周期的に収縮と伸展を繰り返す現象をいいます。

      膝クローヌス(大腿四頭筋)は、医師(検者)が患者の膝蓋骨を急激に下に押すと、膝蓋骨が上下に連続的に運動します

      足クローヌス(下腿三頭筋)は、医師(検者)が患者の足関節を急激に背屈させると、足関節が連続的に背屈、底屈運動を繰り返します

4-5.筋萎縮検査

  • 神経系統の異常があって筋肉の運動量が減ると、筋肉は萎縮してきますので、この筋肉の厚みを測る検査です。

    両下肢の膝関節の上下 10 ㎝のところの大腿部と下腿部の周径を測り、左右で比較します。



脊髄損傷では、以上の検査を丹念に行い、損傷個所を特定していくのです。

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5.脊髄損傷の後遺障害等級と認定基準

外傷その他の疾病などによる脊髄の障害は、複雑な症状を呈する場合が多いので、これらの諸症状を総合評価して、その労働能力に及ぼす影響の程度によって次の7段階に区分して等級が認定されます。

第1級(別表Ⅰ)

  • 1級1号 脊髄症状のため、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、常に他人の介護を要するもの
    以下のものがこれに該当します。
    1.高度の四肢麻痺が認められるもの 2.高度の対麻痺が認められるもの
    3.中等度の四肢麻痺または中等度の対麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
  • ※四肢麻痺とは両側の四肢の麻痺のこと、片麻痺とは同じ側の上下肢の麻痺、対麻痺とは両下肢または両上肢の麻痺、単麻痺とは上肢又は下肢の一肢のみの麻痺のことをいいます。

第2級(別表Ⅰ)

  • 2級1号 脊髄症状のため、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、随時介護を要するもの
    以下のものがこれに該当します。
    1.中等度の四肢麻痺が認められるもの
    2.軽度の四肢麻痺または中等度の対麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの

第3級(以降は別表Ⅱ)

  • 3級3号 生命維持に必要な身の回り処理の動作は可能であるが、脊髄症状のため、終身にわたりおよそ労働に服することができないもの
    軽度の四肢麻痺や中等度の対麻痺が認められるが、随時介護を要する程度ではないものがこれに該当します。

第5級

  • 5級2号 麻痺その他の著しい脊髄症状のため、独力では一般平均人の1/4程度の労働能力しか残されていないもの
    軽度の対麻痺が認められるものや、一下肢の高度の単麻痺が認められるものがこれに該当します。

第7級

  • 7級4号 明らかな脊髄症状のため、独力では一般平均人の1/2程度の労働能力しか残されていないもの
    一下肢の中等度の単麻痺が認められるものが該当します。
    • (例)第2腰椎以上で脊髄の片側のみ損傷を受けたことにより一下肢の中等度の単麻痺が生じ、そのために杖又は構成装具なしには階段を上ることができない上に、脊髄の損傷部位以下の感覚障害が残っているような場合。

第9級

  • 9級10号 一般的労働能力はあるが、明らかな脊髄症状が残存し、就労の可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
    一下肢の軽度の単麻痺が認められるものが該当します。
    • (例)第2腰椎以上で脊髄の片側のみ損傷を受けたことにより一下肢の軽度の単麻痺が生じ、そのために日常生活は独歩であるが、不安定で転倒しやすく、速度も遅い。さらに脊髄の損傷部位以下の感覚障害が残っているような場合。

第12級

  • 12級13号 労働には通常差し支えないが、医学的に証明しうる脊髄症状を残すもの
    運動性、支持性、巧緻(こうち)性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すものが該当します。
    • (例)軽微な筋緊張の亢進が認められるものや、運動障害を伴わないものの、感覚障害がおおむね一下肢に渡って認められるような場合。

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上記の麻痺の程度・範囲と等級についてまとめると、以下のようになります。

脊髄損傷における麻痺の範囲・程度と後遺障害等級の関係
等級 麻痺の範囲および程度
四肢麻痺 対麻痺 単麻痺
第1級 高度 高度
中等度(要常時介護状態) 中等度(要常時介護状態)
第2級 中等度 中等度(要常時介護状態)
軽度(要随時介護状態)
第3級 軽度(非介護状態) 中等度(非介護状態)
第5級 軽度 1下肢高度
第7級 1下肢中等度
第9級 1下肢軽度
第12級

軽微な麻痺等・運動性、支持性、巧緻性、速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺。運動障害は認められるものの、広範囲にわたる感覚障害が認められるもの


★四肢麻痺とは両側の四肢の麻痺のこと、片麻痺とは同じ側の上下肢の麻痺、対麻痺とは両下肢または両上肢の麻痺、単麻痺とは上肢又は下肢の一肢のみの麻痺のことをいいます。

※麻痺の程度とは

  • 麻痺の程度については、以下のようになっています。
  • 高度 障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性がほとんど失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作(下肢は歩行や立位、上肢は物を持ち上げて移動させること)ができないものをいいます。
    • ①完全強直又はこれに近い状態にある
    • ②上肢では三大関節および5つの手指のいずれの関節も自動運動では可動させることができないもの、またはこれに近い状態にある
    • ③下肢では三大関節のいずれも自動運動では可動させることができないもの、またはこれに近い状態にある
    • ④上肢では随意運動の顕著な障害によって、障害を残した一上肢ではものを持ち上げて移動させることができない
    • ⑤下肢では随意運動の顕著な障害によって、一下肢の指示性及び随意的な運動性をほとんど失った
    中等度 障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性が相当程度失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作にかなりの制限があるものをいいます。
    • ①上肢では、障害を残した一上肢では仕事に必要な軽量のもの(500gぐらい)を持ち上げることができない >
    • ②障害を残した一下肢のため、杖や硬性装具なしには階段を上ることができない
    • ③障害を残した両下肢のため、杖や硬性装具なしには歩行が困難である
    軽度 障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性が多少失われており、障害のある上肢又は下肢の基本動作を行う際の巧緻性(手先の器用さ)及び速度が相当程度損なわれているものをいいます。
    • ①上肢では、障害を残した一上肢では文字を書くことに困難が伴う
    • ②下肢では、日常生活はおおむね独歩だが、障害を残した一下肢のため不安定で転倒しやすく、速度も遅い
    • ③障害を残した両下肢のため、杖や硬性装具なしには階段を上ることができない
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