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内蔵の後遺障害・心臓、胃、肝臓、小腸、すい臓、生殖器

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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)

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内蔵及び生殖器の障害

内蔵及び生殖器障害

内臓及び生殖器の障害については下記の等級表の通り、胸腹部臓器、ひ蔵、腎臓及び生殖器について等級が定められています。

以下に、それぞれの障害等級の認定基準について説明いたします。

【このページの目次】

1.胸部臓器の障害

胸部臓器胸部臓器の障害とは、心臓、心のう、肺、ろく膜、横隔膜等に他覚的に証明できる変化が認められ、かつその機能にも障害が証明されるものをいいます。

呼吸器の障害

呼吸器に障害を残した場合、原則として下記①の方法での判定を行い、その結果が②または③の方法での判定結果よりも低い等級となる場合は②または③の結果を認定することになっています。

  • ①動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の検査結果による判定
  • Torrは圧力の単位で「トル」と読み、mmHgと同じ単位の別名です。
    また、動脈血炭酸ガス分圧の「37Torr~43Torr」は「限界値範囲内」と呼ばれています。

  • ②スパイロメトリーの結果および呼吸困難の程度による判定
  • スパイロメーターを用いて呼吸気量を計測する検査のことです。
    • ※1 呼吸器の困難の程度は

      「高度」・・・呼吸困難のため,連続しておおむね100メートル以上歩けないもの
      「中等度」・・・呼吸困難のため,平地でさえ健常者と同様には歩けないが,自分のペースでなら1km程度の歩行が可能であるもの
      「軽度」・・・呼吸困難のため,健常者と同様には階段の昇降ができないもの

      ※2 「1,2又は3級」は呼吸機能の低下により
    • 「常時介護が必要」なら1級
      「随時介護が必要」なら2級
      上記二つ以外なら3級

  • ③運動負荷試験の結果による判定
  • 上記の検査で立証ができないものの、呼吸機能の低下による呼吸困難が認められ、運動負荷試験の結果から、明らかに呼吸機能に障害があると認められるときは、 11 級が認定されます。

(※注※)後遺障害の申請のためには上記①、②、そして③の検査を受ける必要があります。ですがこれらの検査は治療をする上では必要が無いものです。
僭越ですが、多くの呼吸器内科の医師は、これらの検査の必要性や、まして後遺障害申請の重要性を理解していない、と考えるべきなので、被害者から説明やお願いをする必要があると思います。


循環器の障害

循環器の後遺障害は、下記のそれぞれの表のように大きく4つに分けられます。

  • ①心機能が低下したもの
  • 9級 心機能の低下による運動耐容能の低下が中等度であるもの
    • おおむね6METsを超える強度の身体活動が制限されるものが該当します。
      (例)平地を健康な人と同じ速度で歩くのは差し支えないものの、平地を急いで歩く、健康な人と同じ速度で階段を上がるという身体活動が制限されるもの
    11級 心機能の低下による運動耐容能の低下が軽度であるもの
    • おおむね8METsを超える強度の身体活動が制限されるものが該当します。
      (例)平地を急いで歩く、健康な人と同じ速度で階段を上がるという身体活動に支障がないものの、それ以上激しいか、急激な身体活動が制限されるもの
  • MET s(メッツ)とは、安静座位の酸素摂取量の単位のことで、1METs =3.5ml/KG/min としてその何倍の酸素摂取量にあたるかを数値で示します。運動・作業強度の指標として用いられます。

  • ②除細動器又はペースメーカを植え込んだもの
  • 7級 除細動器を植え込んだもの
    9級 ペースメーカを植え込んだもの
  • ③房室弁又は大動脈弁を置換したもの
  • 9級 房室弁又は大動脈弁を置換し、継続的に抗凝血薬療法を行うもの
    11級 房室弁又は大動脈弁を置換し、継続的に抗凝血薬療法を行わないもの
  • ④大動脈に解離を残すもの
  • 11級 大動脈に偽腔開存型の解離を残すもの

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2.腹部臓器の障害

腹部臓器

腹部臓器の障害の検査は、エックス線撮影、内視鏡検査、消化液検査、尿検査、ふん便検査、肝・膵・腎臓等の機能検査、血液検査等を行うこととなっています。

なお、腹部臓器については、胸部臓器の場合と同様に
治癒後の症状が増悪する可能性が多く、再発しやすいことを考慮して、その検査結果は残しておきます。

食道の障害

  • 9級 食道の狭さくによる通過障害を残すもの
    • ①通過障害の自覚症状がある
      ②消化管造影検査により、食堂の狭さくによる造影剤のうっ滞が認められる
      (①②いずれも該当すること)

胃の障害

  • 胃の後遺障害は、①消化吸収障害 ②ダンピング症候群 ③胃切除術後逆流性食道炎 の三つの障害のうち、いくつ認められたかで等級が決まります。

  • ①消化吸収障害 ②ダンピング症候群 ③胃切除術後逆流性食道炎
    7級 ①②③の3ついずれも認められるもの
    9級 ①②③のうち、2つが認められるもの
    11級 ①②③のうち、1つが認められるもの
    13級 噴門部又は幽門部を含む胃の一部を亡失したもの
    • ①②③のいずれも認められない場合
  • 胃です①消化吸収障害とは、下記のいずれかに該当するものです。
     1.胃の全部を亡失したこと
     2.噴門部又は幽門部を含む胃のうち部を亡失し、低体重等(BMIが20以下)

  • ②ダンピング症候群とは、次のいずれにも該当するものです。

    • 1.胃の全部又は幽門部を含む胃の一部を亡失したこと
      2.食後30分以内に出現するめまい、起立不能等の早期ダンピング症候群に起因する症状又は食後2時間後から3時間後に出現する全身脱力感、めまいなどの晩期ダンピング症候群に金する症状が認められること
  • ③胃切除術後逆流性食道炎とは、次にいずれにも該当するものです。
    • 1.胃の全部又は噴門部を含む胃の一部を亡失したこと
      2.胸やけ、胸痛、嚥下困難等の胃切除術後逆流性食道炎に起因する自覚症状がある
      3.内視鏡検査により食道にびらん,潰瘍等の胃切除術後逆流性食道炎に起因する所見が認められる

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小腸および大腸の障害

大腸・小腸の障害小腸および大腸の後遺障害は、下記のそれぞれの表のように分けられます。

  • ①小腸を大量に切除したもの
  • 9級 残存する空腸及び回腸の長さが100cm以下になったもの
    11級 残存する空腸及び回腸の長さが100cmを超え300cm未満となったものであって、消化吸収障害が認められるもの(低体重等が認められるもの)
  • ②大腸を大量に切除したもの
  • 11級 大腸の全てを切除する等、大腸のほとんどを切除したもの
  • ③人工肛門を増設したもの
  • 5級 小腸内容が漏出することによりストマ周辺又は小腸皮膚瘻周辺に著しい皮膚のびらんを生じ、パウチ等の装着ができないもの
    7級 人工肛門を装着したものの内,5級に該当するもの以外のもの
  • ④小腸または大腸の皮膚瘻を残すもの
  • 5級 瘻孔から小腸または大腸の内容の全部又は大部分が漏出するものの内、小腸または大腸の内容が漏出することにより皮膚瘻周辺に著しいびらんを生じ、パウチ等の装着ができないもの
    7級 ①瘻孔から小腸または大腸の内容の全部又は大部分が漏出するものの内,5級に該当しないもの
    ②瘻孔から漏出する小腸または大腸の内容がおおむね100ml/日以上のものの内、パウチ等による維持管理が困難であるもの
    9級 瘻孔から漏出する小腸または大腸の内容がおおむね100ml/日以上のものの内,7級に該当しないもの
    11級 瘻孔から少量ではあるが明らかに小腸または大腸の内容が漏出する程度のもの
  • ⑤小腸または大腸の狭さくを残すもの
  • 11級 小腸または大腸の狭さくを残すもの
    • ①1か月に1回程度、腹痛、腹部膨満感、嘔気、嘔吐等の症状が認められる。
      ②単純エックス線像においてケルクリングひだ像が認められるれる
      (①②いずれも該当すること)
  • ⑥便秘を残すもの
  • 9級 用手摘便要すると認められるもの
    11級 9級に該当しないもの
  • 「便秘」とは、次の二つとも該当するものが認定されます。
    ①排便反射を支配する神経の損傷がMRI,CT等により確認できること
    ②排便回数が週2回以下の頻度であって、恒常的に硬便であること。
  • ⑦便失禁を残すもの
  • 7級 完全便失禁を残すもの
    9級 常時おむつの装着が必要なもの
    11級 常時おむつの装着は必要ないものの、明らかに便失禁があると認められるもの

肝臓および胆のうの障害

肝臓および胆のうの後遺障害は、下記の表のように分けられます。

  • 9級 肝硬変であり、ウイルスの持続感染が認められ、かつ、AST・ALTが持続的に低値であるもの
    11級 慢性肝炎であり、ウイルスの持続感染が認められ、かつ、AST・ALTが持続的に低値であるもの
    13級 胆のうを失ったもの
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すい臓の障害

すい臓の後遺障害は、下記の表のように分けられます。

  • 9級 外分泌機能の障害と内分泌機能の障害の両方が認められるもの
    11級 外分泌機能の障害又は内分泌機能の障害のいずれかが認められるもの
    12級又は14級 軽微なすい液瘻を残したために皮膚に疼痛等を生じるもの

脾臓の後遺障害

脾臓の後遺障害は、下記1つです。

  • 13級 脾臓を失ったもの
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3.泌尿器の障害

泌尿器は腎臓、尿管、膀胱、尿道等からなっており、その等級の認定基準は以下のようになっております。


腎臓の障害

腎臓の障害に関する障害等級は、以下の二つの程度によって決められています
①腎臓の亡失の有無
②糸球体濾過値(GFR)による腎機能低下の程度


尿管、膀胱及び尿道の障害

尿管、膀胱及び尿道の後遺障害は下記の表のように大きく3つに分類されます。

  • ①尿路変更術を行ったもの
  • 5級 非尿禁制型尿路変向術を行ったものの内、尿が漏出することによりストマ周辺に著しい皮膚のびらんを生じ、パッド等の装着ができないもの
    7級 ①非尿禁制型尿路変向術を行ったものの内、5級に該当しないもの
    ②禁制型尿リザボアの術式を行ったもの
    9級 尿禁制型尿路変向術を行ったものの内、禁制型尿リザボア及び外尿道口形成術を除くもの
    11級 外尿道口形成術を行ったもの又は尿道カテーテルを留置したもの
  • ②排尿障害を残すもの
  • 9級 膀胱の機能の障害により、残尿が100ml以上であるもの
    11級 ①膀胱の機能の障害により、残尿が50ml以上100ml未満であるもの
    ②尿道狭さくのため、糸状ブジーを必要とするもの
    14級 尿道狭さくのためシャリエ式尿道ブジー第20番がかろうじて通り、時々拡張術を行う必要があるもの
  • ③蓄尿障害を残すもの
  • 7級 ①持続性尿失禁を残すもの
    ②切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁のため、終日パッド等を装着し、かつ、パッドをしばしば交換しなければならないもの
    9級 切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁のため、常時パッド等を装着しなければならないが、パッドの交換までは要しないもの
    11級 ①切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁があっても、常時パッド等の装着は要しないが、下着が少し濡れるもの
    ②頻尿を残すもの
  • 頻尿とは、次のいずれにも該当するものです。
  • ①器質的病変による膀胱容量の器質的な減少又は膀胱若しくは尿道の支配神経の損傷が認められること
    ②日中8回以上の排尿が認められること
    ③多飲等の他の原因が認められないこと


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4.生殖器の障害

生殖器の障害に係る等級は、以下のような基準で認定されます。

  • 7級 ①両側の睾丸を失ったもの
    ②両側の卵巣を失ったもの
    ③常態として精液中に精子が存在しないもの
    ④常態として卵子が形成されないもの
    9級 ①陰茎の大部分を欠損したもの
    • (陰茎を膣に挿入することができないと認められるものに限る)
    ②勃起障害を残すもの
    ③射精障害を残すもの
    ④膣口狭窄を残すもの
    • (陰茎を膣に挿入することができないと認められるものに限る)
    ⑤両側の卵管の閉鎖または癒着を残すもの、頚管に閉鎖を残すものまたは子宮を失ったもの
    • (画像所見により、認められるものに限る)
    11級 狭骨盤または比較的狭骨盤が認められるもの
    13級 ①1側の睾丸を失ったもの
    • (1側の睾丸の亡失に準ずべき程度の萎縮を含む)
    ②1側の卵巣を失ったもの
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5.多数の臓器に障害を残し、介護が必要な程度に重度の障害が残った場合

多数の臓器に障害を残し、それらが複合的に作用するために介護が必要な程度に重度の障害が残った場合などは、以下の基準で等級が認定されます。

  • 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 1級2号
    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 2級2号
    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 3級4号
    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 5級3号
    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 7級5号
    胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 9級11号
    胸腹部臓器に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの 11級10号
    胸腹部臓器に障害を残すもの 13級11号

    胸部臓器の障害とは、
    心臓、心のう、肺、ろく膜、横隔膜等に他覚的に証明できる変化が認められ、かつその機能にも障害が証明されるものをいいます。

    1級2号

    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
    • 「重度の胸部臓器の障害のために、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」

      胸部臓器の障害により、
      日常生活の範囲が病床に限定されている状態のものがこれに該当します。

    2級2号

    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
    • 「高度の胸部臓器の障害のため、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、随時介護を要するもの」

      胸部臓器の障害により、
      日常生活の範囲が主として病床にあるが、食事、用便、自宅内の歩行など、短時間の離床が可能であるか又は差し支えない程度の状態のものがこれに該当します。

    3級4号

    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
    • 「生命維持に必要な身の回り処理の動作は可能であるが、高度の胸部臓器の障害のために、終身にわたりおよそ労務に就くことができないもの」

      胸部臓器の障害により、自宅周辺の歩行が可能か又は差し支えないが、
      終身にわたりおよそ労務に服することができない状態のものがこれに該当します。

    5級3号

    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    • 「胸部臓器の障害のため、終身にわたりきわめて軽易な労務のほか服することができないもの」

      胸部臓器の障害による身体的能力の低下などのため、独力では
      一般平均人の1/4程度の労働能力しか残されていない場合がこれに該当します。

      労働能力の判定にあたっては、医学的他覚所見を基礎とし、さらに労務遂行の持続力についても十分に配慮して総合的に判断することとされています。

    7級5号

    胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    • 「中程度の胸部臓器の障害のために、労働能力が一般平均人以下に明らかに低下しているもの」

      胸部臓器の障害による身体的能力の低下などのため独力では
      一般平均人の1/2程度の労働能力しか残されていない場合がこれに該当します。

    9級11号

    胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
    • 「一般的労働能力は残存しているが、胸部臓器の障害のため社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」

    11級10号

    胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
    • 「一般的労働能力は残存しているが、胸部臓器の機能の障害の存在が明確であって労働に支障を来すもの」

関連項目

問合せフォーム


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