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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
上肢は人間の肩や腕のことで、肩甲骨、鎖骨、上腕骨、前腕骨(橈骨・尺骨)から形成されています。
交通事故によってこれらの骨を骨折したり、関節を脱臼したりして、治療を続けたものの骨に変形が残ったり、関節が元のようには曲がらなくなったり、あるいは切断されるなどして短くなったりすることが、後遺障害の対象となってきます。
関節を構成する骨同士は、双方にくっついている靱帯でひきつけられています。脱臼をした場合はかなりの確率で靭帯が損傷したり断裂したりします。
上肢及び手指の障害については以下のとおり、欠損障害、変形障害、機能障害ついて等級が定められています。
また、上肢には腕神経叢(わんしんけいそう:脊髄から腕に伸びる神経が複雑に叢(くさむら)のように交叉している部分)から正中神経、橈骨神経、尺骨神経の
3 本の神経が、それぞれ違う経路を通って手指まで伸びていますが、交通事故での骨折などにより、この神経が直接切断されたり、圧迫されたりして神経症状(痛みやしびれ)が発生することがあり、これらのことも後遺障害の対象となります。
1級3号 | 両上肢をひじ関節以上で失ったもの |
4級4号 | 1上肢をひじ関節以上で失ったもの |
「上肢をひじ関節以上で失ったもの」とは次のいずれかの場合をいいます。
2級3号 | 両上肢を手関節以上で失ったもの |
5級4号 | 1上肢を手関節以上で失ったもの |
「上肢を手関節以上失ったもの」とは次のいずれかの場合をいいます。
通常は6か月治療を続けても治らなかった症状が後遺障害とされていますが、欠損障害に関しては6か月経っていなくても、後遺障害の申請が可能で、等級認定がなされます。
1級4号 | 両上肢の用を廃したもの |
5級6号 | 1上肢の用を廃したもの |
3大関節(肩関節、ひじ関節及び手関節)の全てが強直し、かつ、手指の全部の用を廃した場合です。
6級6号 | 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの |
8級6号 | 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの |
関節の用を廃したものとは次のいずれかの場合をいいます。
関節の強直(きょうちょく)とは、「関節の完全強直又はこれに近い状態にあるもの」と、「末梢神経の損傷により弛緩性麻痺となり、自動では可動できないと医学的に判断される場合又はこれに近い状態にあるもの」をいいます。
この場合「これに近い状態」とは、関節可動域が、原則として健側の関節可動域角度の10%程度以下に制限されているものをいい、「10%程度」とは、健側の関節可動域角度の10%に相当する角度を5度単位で切り上げた角度とされています。
また、関節可動域が10度以下に制限されている場合は全て「これに近い状態」に該当するものとして取り扱われています。
これは、例えば右のひじ関節に大きな可動域制限がある場合、健側(左側)のひじ関節の可動域が145度だったとすると、145度の10%は14.5度ですが、これを5度単位で切り上げて15度と考え、右ひじ関節の可動域が15度以下であればひじ関節の強直となる、ということです。
10級10号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
12級6号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの |
関節の機能に著しい障害を残すものとは次のいずれかの場合をいいます。
関節の機能に障害を残すものとは次の場合をいいます。
人工関節・人工骨頭を挿入置換した場合は、8級6号(関節可動域が1/2以下の場合)か10級10号(関節可動域が1/2を超える場合)のどちらかとなります。
ですが人工関節・人工骨頭を挿入置換して可動域が1/2以下ということは、実際にはまずありえません。ですから人工関節にした場合は、10級10号になると考えればほぼ間違いありません。
チェック!! 後遺障害診断時の立証検査 【上肢の運動障害(関節の可動域測定)】
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7級9号 | 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
次のいずれかに該当する場合をいいます。
8級8号 | 1上肢に偽関節を残すもの |
次のいずれかに該当するものをいいます。
12級8号 | 長管骨に変形を残すもの |
次のいずれかに該当するものをいいます。なお、同じ長管骨に次の複数の項目が該当する場合でも、12級8号となります。
3級5号 | 両手の手指の全部を失ったもの |
6級8号 | 1手の5の手指またはおや指を含み4の手指を失ったもの |
7級6号 | 1手のおや指を含み3の手指またはおや指以外の4の手指を失ったもの |
8級3号 | 1手のおや指を含み2の手指またはおや指以外の3の手指を失ったもの |
9級12号 | 1手のおや指またはおや指以外の2の手指を失ったもの |
11級8号 | 1手のひとさし指、なか指またはくすり指を失ったもの |
12級9号 | 1手のこ指を失ったもの |
手指を失ったものとはおや指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失ったものとされており、具体的には次に該当するものをいいます。
13級7号 | 1手のおや指の指骨の一部を失ったもの |
14級6号 | 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの |
1指骨の一部を失っていることがエックス線写真等により確認できるものです。ただし、その程度が手指の末節骨の長さの 1/2以上を失った場合は、手指の用を廃したものに該当するため、除かれます。
4級6号 | 両手の手指の全部の用を廃したもの |
7級7号 | 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの |
8級4号 | 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの |
9級13号 | 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの |
10級7号 | 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの |
12級10号 | 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの |
13級6号 | 1手のこ指の用を廃したもの |
手指の用を廃したものとは、手指の末節骨の半分以上を失い、または中手指関節もしくは近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すもので、具体的には次に該当するものをいいます。
●手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
●中手指節関節または近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されるもの
●おや指については、橈側外転または掌側外転のいずれかが健側の1/2以下に制限されているものも「著しい運動障害を残すもの」に準じて取り扱います。
●手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱失したものも「手指の用を廃したもの」に準じて取り扱います
14級7号 | 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの |
遠位指節間関節を屈伸することができないものとは、次にいずれかに該当するものをいいます。