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関節拘縮で機能障害(12級6号や12級7号)は取れるか

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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)

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関節拘縮で機能障害は取れるのか(強直、拘縮、器質的損傷とは)?

関節拘縮で機能障害は取れるのか(関節の強直、拘縮、器質的損傷とは)

関節の強直とは、外傷や関節疾患による関節の固定的運動障害で、要するに関節が動かない、またはほんの少ししか動かなくなってしまった状態です。

それに対して
関節の拘縮とは、関節自体は大丈夫だがその周囲の軟部組織が繊維化したり癒着したりして関節の動きが制限されてしまった状態です。

本来は、関節外の軟部組織が原因である者が関節拘縮、関節内部に原因がある関節性のものが関節硬直とされるものですが、自賠責の後遺障害等級は、実務的には「程度」で強直と拘縮を分けております
関節が完全に動かなくなった状態を関節強直、多少は動く状態を関節拘縮と判断しています。

微妙なのは関節拘縮です。

関節拘縮の原因は、
①関節もしくはその付近の骨折に伴って軟部組織の損傷したことで生じたり(器質的損傷有り)、
②骨折をしていなくても打撲などが原因で長期間ギプスで固定したりしたことで生じたり(器質的損傷無し)
します。

その結果、後遺障害等級12級7号の認定基準に該当する「(例えば膝関節が)障害のない方に比べて障害が残った方(患側)の関節が4分の3以下に制限されている」状態になった場合、自賠責の実務ではその「原因」により、等級を決めています。

すなわち、患側の関節可動域が4分の3以下に制限された場合、
①器質的損傷がある場合は12級7号(または6号)が認定される
②器質的損傷が無い場合は12級は認定されない(その場合、14級9号などとなることが多い)

となることがほとんどです。

可動域が4分の3以下に制限されていても器質的損傷が無い場合、膝関節なら

「膝関節の機能障害については、骨折等の器質的な損傷所見は認められず、医証上においても訴え症状を裏付ける医学的所見に乏しいことから、将来においても回復が困難と見込まれる障害として評価することは困難であり、自賠責保険の後遺障害には該当しないものと判断します」

という定型文で後遺障害が否定されます。

ですが、あきらめずに症状を訴えた結果1例だけ
「骨折や脱臼などの器質的損傷なしでも、重度の捻挫が原因の可動域制限で12級7号が認定された」ということがありました。
以下のような認定理由です。

「左膝関節受傷に伴う左膝関節の機能障害については、提出の画像上、本件事故による骨折等の器質的損傷は認められないものの、後遺障害診断書上「左膝関節捻挫後の左膝関節拘縮」と所見され、また、医療照会「回答書」(○○総合病院発行/平成○年○月○日付)上、約3ヶ月に亘るギプス装着が認められることから、左膝関節受傷後の拘縮によるものと捉えられ、医療照会「回答書」(「運動可能領域測定値の推移」:○○総合病院発行/平成○年○月○日付)上、その可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されていることから、「1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」として別表第二第12級7号に該当するものと判断します。」 


被害者の症状の訴えはもとより、重ねての医療照会によって治療経過を重要視され、このような結果が得られました。

ですがこれは、全体数を考えると本当に例外的な結果です。
関節機能障害で12級を取るためには、「器質的損傷が必要」だと考えるべきなのです。


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