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橋本行政書士事務所
交通事故の解決方法はどのようなものがあるでしょうか
交通事故の損害賠償についての解決方法としては、「示談(話し合い)」「裁判」「交通事故紛争処理センターの利用」があります。
一般的な印象としては
●示談交渉で保険会社と話し合って解決する方法は、話し合いだけで済むので手間がかからず、時間もかからずに早く解決できるが、受け取る金額が低い
●裁判をすると時間はかなりかかるし手間もかかる(弁護士に依頼するとしても)、その他裁判費用や弁護士費用も掛かるが、受け取る金額自体は上がる
というところではないかと思います。
この他に「公益財団法人交通事故紛争処理センター」を利用する、という方法もあります。これは上記示談交渉と裁判の中間ぐらいのメリット、デメリットになる、と思われがちですが、両方のいいとこ取りをしている、ともいえます。
いいとこ取りとは、裁判基準並みの賠償額で、比較的短期間で解決できる、ということです。
(公財)交通事故紛争処理センターは、交通事故被害者のための中立・公正かつ迅速な救済を図ることが目的の、裁判外紛争解決機関(=ADR)です。
全国に10か所あり、嘱託された相談担当弁護士が常時配置され、被害者と、加害者側の保険会社双方の話を聞いて「和解のあっせん」をします。被害者または保険会社があっせん案に同意しない場合、センター内に設置されている審査会による「審査」が行われます
示談交渉や本裁判よりも有用なことも多いので、当サイトでは交通事故紛争処理センターを利用することをお勧めしておりますが、それぞれの事案や成り行きによって、やはり示談での解決や裁判に訴える方が効果的だと思われる場合もありますので、少し難しいのですが見極めが大切です。
【参考】
→妥当な慰謝料額は?
→私の場合はどうするべき?
とはいえこの場合にも、自分に有利な結果とするためには、交通事故紛争処理センターに提出する書類については専門家のアドバイスを受けることをお勧めしております。
第三者(センターの嘱託弁護士)に判断を求めるので、被害者の請求内容や事情が分かる資料を用意する必要があります。
本裁判ほどの立証資料は必要ありませんが、示談交渉を行っているときよりは多くなります。
示談交渉なら、被害者が納得さえすれば直ちに解決ですが、交通事故紛争処理センター利用の場合、解決まで早くても3か月程度はかかります。とはいえ、裁判をした場合の8〜10か月(控訴されたらさらに控訴審)に比べれば、早期解決もと言えます。
交通事故紛争処理センターからあっせん案として出される損害賠償額は、基本的には裁判の基準で計算されますので、裁判と同等の金額となります。
利用料は無料なので裁判のような「裁判費用」もかかりませんし、裁判であれば弁護士に頼まずに自分で行うことは困難ですが、紛争処理センターなら自分で資料をそろえて行くことも、不可能ではありません。
とはいえ交通事故紛争処理センターは、被害者の最高利益を計算してくれる場所ではなく双方の意見を聞いて調停するところですから、損害賠償額はそれなりの資料をそろえて自らが立証、請求をしなければなりませんので、できれば専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
また、弁護士に依頼せずにできるところはメリットとも考えられますが、それはつまり自分自身でセンターに平日の昼間に行かなければならないということですから、デメリットと感じる人もいるでしょう(交通事故紛争処理センター利用の場合でも弁護士に依頼することも可能です)。
審査会の結論である「裁定」には被害者は拘束されませんが、被害者が裁定に同意した場合には保険会社は不服を申し立てることができず、和解が成立することになります。
被害者は裁定に不服なら本裁判に移行することができます。
相手方は自動車保険の任意保険会社(または共済組合)のうち、以下の保険会社等でなければなりません。
自転車同士の事故や、相手が任意保険未加入の場合などには利用できないのです。
まずは被害者自身(または代理人弁護士)が、交通事故紛争処理センターに申立てを行います。申立てと言っても、センターに電話をして初回相談日を決めるだけです。センターの支部の場所にもよりますが、東京の場合は通常は3週間〜1か月後ぐらいの日程を提案されます。
初回相談日までに、自分の主張する内容や立証資料を準備しておきます。
また、初回相談日までにセンターから申込用紙が送られてきますので、記名押印などして初回相談日に持参します。
初回は、被害者(申立人)が事故状況や入通院・後遺障害の状況、その他の内容と要求する損害額について、交通事故紛争処理センターの相談担当弁護士に説明します。センターの規則ではありませんが、被害者としてはここは必ず文書を作っておいて書面を提出して説明しましょう。
初回は相手方保険会社は来ないのが普通です。
2回目の相談日に、担当弁護士は被害者からの要求などについて相手方保険会社の担当者に説明し、保険会社からも意見を聞きます。
面談室へは被害者と保険会社の担当者は替わりばんこに入室し、相手とは顔を合わせません(次回期日を決めるときのみ同時に入室します)。
双方から出された要求と提案を踏まえ、センターの担当弁護士からあっせん案が出されます。早ければこの2回目の時に出されることもありますし、その他の確認資料が必要となってその後何度か期日が決められて面談回数が増えることもあります。
あっせん案に対して、被害者、保険会社の双方が納得すれば解決ですが、双方もしくは一方が不満を表明した場合は、上部の判断機関である審査会で検討され、審査結果である裁定案が出されます。
被害者が裁定案に納得すれば、和解が成立です。保険会社は裁定結果には不服を申し立てられません。
被害者が裁定案に納得できない場合は、拒否して訴訟を提起することが可能です。
当サイトでは、交通事故の解決には(公財)交通事故紛争処理センターの利用をお勧めしております。
手続きや書類のことで分からないことは、お問い合わせください。
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