示談交渉は、賠償金額を決めるための話し合いです。
示談交渉を始める時期(タイミング)はいつでしょうか。その時期についての法的な決まりはありませんが、下記のタイミングを目安として下さい。
示談交渉は損害賠償請求を目的としているわけですから、損害額の目安がわかるようになった時から示談交渉を始めるのがよいでしょう。つまり人身事故なら
となります。
注意するべきは、「時効について」の項で述べたように損害賠償請求権には3年で時効があることです。したがって時効期間を経過しないうちに示談交渉をすることが必要です。
実際には、保険会社とやり取りしているうちは時効のことを気にする必要は無いことが多いです。ですが示談交渉においては加害者と被害者との間で事故態様について言い分が異なることが珍しくないうえに、事故から時間が経過すると事故関係者の記憶が曖昧になったり、証拠が無くなったりして事故様態を明らかにすることが困難になることもあります。したがって、示談交渉ができるようになったら早めに交渉を始めるのがよいでしょう。
遺族は被害者の死亡によって感情が混乱していることが多いものです。しかし交渉には冷静さが必要ですから、ある程度感情の整理がついたところ(例えば四十九日の法要が終わった時点)で交渉を始めるのが一般的です。
加害者に対し損害賠償を請求できる遺族の範囲は、民法で相続人と定められた方です。
また、被害者の配偶者や子ども、親などの近親者には、被害者の死亡について固有の慰謝料請求権もあります。
→ 死亡事故で損害賠償できる人
これは上で述べたように
です。
早い段階で示談をしてしまうと、後日予想外の治療が必要であったり後遺症が発現した場合に、やり直すことができない(またはやり直すことができても大変面倒になる)場合が多いですから、治癒をしたのち、または症状固定して後遺障害等級が確定した時点から交渉を始めるべきです。
治癒または症状固定の時期は治療に当たっている医師の判断によりますが、被害者自身がその判断に納得ができない場合には、医師とよく話し合ったり、場合によっては病院を変えるなどすることも必要でしょう。
→ 症状固定は誰が決めるのか
事故に遭った経験がほとんどない被害者の方は、示談交渉開始のタイミングはなかなか分かりません。
ですから通常は、加害者側(の保険会社)が「そろそろ完治だと思われるので治療を終了してください」とか「そろそろ症状固定だと思うので後遺障害の申請をしてください」などと言われ、そのまま引き続き示談交渉に入っていくことだと思います。
――そろそろ治療を止める(または後遺障害の申請の)時期なのか?――
その流れに乗っていくと、保険会社から「後遺障害等級には該当しませんでした」「ですがこれだけ払います」という、損害賠償額(示談金額)の提案があります。
――後遺障害には該当しないのか…――
――示談金額はこれぐらいなのか――
人生で初めて(または2回目、または3回目)の事故に遭って勝手がわからない被害者は、「そういうものか・・」と流れに任せてしまいますが、後遺障害等級も賠償金額も、もしかしたら「そういうもの」ではないかもしれません。
少し勉強される方は、認定された後遺障害等級は妥当なのか、保険会社から提示を受けた金額が妥当なのか、といったことを、インターネットや書籍、あるいは交通事故の専門家に相談するなどして調べ始めます。
そして初めて「おかしいのではないのかな?」と気づきます。
この時点で少しおかしいことに気づいても、決して手遅れではありませんが、もっと前から行動を始めると、必ずもっといい結果に結びつきます。
ですから「自分自身でも損害賠償について必要な知識を身につけなければならない」という心構えをしておくべきです。できるだけ早いうちに。
相手(保険会社)はプロとしてどんどん作業を進めていきますが、被害者の立場ではそれらの作業が必ずしも正しい、妥当なものとは限りません。ですが知識が後追いだと、全てが後手後手に回ってしまいます。
「今後どんなことが起こるのか」という不安を払しょくするためにも、今後のことをある程度予想できる程度まで知識を付けることが望ましいと思います。
そうはいっても、現実的には難しいことです。
そんな時は、無料で問い合わせができるのであれば専門家に問合せしてしまうことです。
当サイト(交通事故サポートセンター)でおすすめしているのは、当サイトも含めて複数の「専門家」と言われるところに同じ質問をしてみることです(メールならコピペでできます)。
そうするとその回答の仕方や内容の違いで、どこが一番信頼できるのか分かってくると思います。
その他の関連項目 |