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自動車保険の任意保険(対人・対物賠償、人身傷害)とは何か

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橋本行政書士事務所

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任意保険の種類

<このページの目次>

1.任意保険とは

任意保険とは文字通り任意に加入する自動車保険で、自賠責保険では足りない部分を契約者が自由に契約するものです。
各損害保険会社が売り出しています。

任意保険に入ることは自由ですが、万が一交通事故を起こしてしまった場合、多額の賠償責任が生じることから、自動車を所有または運転している人の多くが加入しています。


 → 自賠責保険と任意保険の違い


2.任意保険の分類

任意保険(自動車保険)は大きく分けると、その性質から3つのグループに分けられます。

  • @賠償責任保険・・・他人に対する賠償のため
  • A傷害保険・・・自分に対する補償のため
  • B車両保険・・・自分の車に対する補償のため

3.任意保険の種類

3つのグループの任意保険(自動車保険)は、主に次の7種類の保険に分けられます。このうちの「対人賠償保険」は自賠責保険の上乗せ保険で、その他の保険は任意保険特有のものです。

賠償責任保険 対人賠償保険 交通事故により他人を死亡、負傷させたときに、自賠責保険の限度を超える部分について支払われる保険です。
補償限度額は選ぶことができ、最高で無制限まで契約できます。
対物賠償保険 交通事故により他人の車や建物を破損させた場合など、他人に物的損害を与えたときに支払われる保険です。
こちらも補償限度額は最高で無制限まで選ぶことができます。
傷害保険  人身傷害保険  交通事故により自分が死亡、負傷した場合などに、自分に過失がある場合でも、その過失分を含めた補償額が支払われる保険です。
搭乗者傷害保険 交通事故により契約車に搭乗中の者(運転者や同乗者)が死亡、負傷したときに支払われる保険です。
自損事故保険 相手のいない単独事故や加害者に責任がない事故により、運転者や車の保有者などが死亡、負傷したときに支払われる保険です。
無保険車傷害保険 交通事故により死亡、負傷させられた場合に、加害者が対人賠償保険に加入していなかったり、加入していても充分な額の対人賠償保険がついていない場合などに支払われる保険です。
車両保険 自分の車が、衝突など偶然の事故によって損害を受けた場合に支払われる保険です。

4.その他の主な特約

任意保険で用意されている、代表的な特約を説明します。

他車運転担保特約

任意保険契約をした人が、契約車両以外の車を臨時に使用して事故を起こした場合に、自分の任意保険(対人、対物、人傷)が使える特約です。

保険契約が個人であれば、契約者の配偶者、同居の親族にも適用されます。
なお、事故を起こした車に任意保険が掛けられて入れば、その車の保険が優先されます。

ファミリーバイク特約

自動車保険を契約している人が所有、使用、管理する原付バイクを、契約者や配偶者、同居の親族、別居の未婚の子が使用して事故を起こした場合に、通常の任意保険が使用できるものです。

弁護士費用特約

自動車保険の契約者が交通事故の被害者となり、加害者に対して損害賠償請求できる場合に、弁護士に依頼して損害賠償請求を行った際に発生する弁護士費用を補償する特約です

5.同僚災害では対人賠償が使えない?

対人賠償保険では、免責事由(保険金を払わない場合)で「同僚災害(同僚間災害)」というものがあります。

対人賠償保険では「以下の人が被害者になった場合は対人賠償の支払いがありません。」として、
@被保険者の業務に従事中の使用人
A被保険者の使用者の業務に従事中の他の使用人
という項目があります。

これを分かりやすく言うと、@は
「加害者が社長で被害者がその社員だったような場合(被害者が、加害者の使用者だった場合)は対人賠償保険は使えません

Aは「
仕事中の事故で、加害者と被害者が同僚(どちらも同じ会社の従業員)だった場合には対人賠償保険は使えません
ということです。

<例1>

会社の車で二人で営業中、運転手がハンドル操作を誤って自損事故を起こし、同乗していた同僚が怪我をした、というような場合には対人賠償保険は使えません。

<例2>

同じ会社のトラック2台で客先へ向かっている途中、一方のトラックの不注意でももう一方のトラックに衝突し、衝突された方の運転手が怪我をした場合、これも「同僚災害」となり、トラックの対人賠償保険は使えません。

これは、仕事中の事故は民間の対人賠償保険ではなく、国が運営する労災保険から支払いがなされるのが筋でしょう、という考えに基づいているようです。

ただ、労災保険からは当然治療費や休業損害などの補償はされますが、慰謝料という概念が無い、つまり慰謝料は労災保険からは支払われませんので注意が必要です。

被害者が慰謝料を請求しようと思ったら、加害者本人に請求することになるわけです。
とはいえ、現実的には何かしらの保険を頼ることになるはずです。

(1)まず、自賠責保険は同僚災害でも使えますので、自賠責基準にはなりますが慰謝料も支払われます。

(2)自賠責は限度額が決まっていますので(120万円)、それを超えた場合あるいは最初から、人身傷害保険を使うことが考えられます。そうすれば、約款で決められた計算方法ではありますが、慰謝料(精神的損害)が支払われます。

(3)また、マイカーを業務に使っていたような場合は、任意保険に入っていれば「同僚災害担保特約」が標準で付いていますので、対人賠償保険の支払いもあります。

このように、同僚災害だからといって直ちに保険が使えないというわけではなく、いろいろな特約で賄えることがおおいので、すぐあきらめずによく調べてみることが大切です。


→ 【関連項目】「家族間では対人賠償は出ない!?」



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