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橋本行政書士事務所
慰謝料って何?
慰謝料(いしゃりょう)とは財産権以外の損害のことで、精神的・肉体的苦痛をお金に換算したものといえます。(「示談金」とは少し意味が異なります。)
ですが慰謝料を考えるとき、「相場があるのか」「何か基準があるのか」「どう計算するのか」「自分の場合はいくらになるのか」がよくわからないところです。
慰謝料とは精神的、肉体的苦痛をお金に換算したものだと言いましたが、交通事故で怪我をした被害者は、その痛みによる苦痛はもちろんのこと、入院や通院によって身体的自由が奪われること、検査や治療のわずらわしさ、生理的な異常など、数々の苦痛にさらされます。
さらに仕事を持っている方は、仕事への影響、同僚への気兼ね、昇進への思惑など、実際の休業損害の他にも心理的な圧迫感が大きいのも事実です。
これらの事情は人によってそれぞれ違いますので、本来は被害者の思うままに慰謝料額を決めればいいのですが、ただやみくもに数字を言っているだけでは話がまとまらないばかりか、被害者に不利な結果になりかねません。
では示談交渉を有利に進めるには必要なことは何かというと、それは
慰謝料の相場を知ることです。
事実上、慰謝料を考える場合は裁判でも定額化傾向にありますし、裁判をしない示談交渉の段階では個々の事情はほぼ考慮されないまま慰謝料額が「相場どおり」算出されています。つまり慰謝料にも相場があるのです。
→ 示談金と慰謝料の違いって?
もちろんもらう権利はあります。ですが、自分で手続きをしなければならなかったり、加害者にしてもらわなければならないことなどがあるかもしれません。具体的には、自分の保険を探すことや加害者の別の保険を探すこと、あるいは該当する公的給付なども探して、手続きを進めましょう。
被害者が幼児や児童だったとしてももちろんもらえます。傷害慰謝料は、原則として年齢での差は発生しません。
慰謝料は精神的苦痛の損害ですから、原則として性別や年齢、収入額などで差が出ることはありません。
自分の方が過失が多い場合でも慰謝料はもらえますが、自分の過失分が差し引かれます。自分の過失が6割あるような事故を起こして怪我をした場合、普通に計算した慰謝料額が200万円となるようなときは、6割差し引かれて80万円になる、ということです。
もらえることはもらえますが、過失分を引かれてしまうわけです。
お気持ちはよく分かりますが、相手側(加害者、保険会社)の対応が悪いことに対して慰謝料を増やすことは、事実上無理です。まれに加害者側保険会社の言動がひどいために被害者の症状が悪化したので慰謝料増額、という裁判例もありますが、非常に特殊です。
「加害者や保険会社の誠意は求めず、こちらは正当な賠償額を獲得する」ということに力を注ぎましょう。
残念ながら完全に元どおりにはならず、後遺症が残る場合があります。ですがその場合は、後遺症に見合った賠償をきちんと受けなければなりません。
どのような後遺症でどの程度の補償なのか。
詳しくはこちらでご確認ください→ 「後遺障害等級の獲得」
将来の見通しがつかない。本当に解決するのだろうか。自分はどうしたらいいのだろうか。
当事務所では、そういった不安を少しでもなくすことができ、よい結果で解決できればと思っております。
こちらをご確認ください。→ 「最も大事なことは安心していただけること」
傷害慰謝料(入通院慰謝料)は、入院日数や通院回数、治療期間などをもとに計算して算出されるのですが、これらの日数を「どの基準に当てはめて」計算するのかで、金額が変わってきます。
同じ怪我、同じ入通院日数や治療期間でも、どの基準を使うのかで金額が変わるのです。
その基準は、3つあるとよく言われます。
@ 自賠責基準
A 任意保険基準
B 裁判基準
なのですが、@自賠責基準は、慰謝料の他に治療費や休業損害など、全ての損害の合計額が120万円以下だった場合に採用されるもので、損害額合計が120万円を超えた場合は自賠責基準は意味をなさないものになります。
そして120万円以下の場合は、A任意保険基準は@自賠責基準と同じ金額に設定されていますので、損害額合計が120万円以下の場合は任意保険基準と自賠責基準は同額となります。
120万円を超えたら自賠責基準では考えず、慰謝料の計算はA任意保険基準で計算することになります。ただこの基準は各保険会社で独自に作っているために異なるうえ、非公開なので一般には確認できないという難点があります。
なお、B裁判基準(弁護士基準とも言います)は120万円などの金額にかかわらず、裁判所の考え方や判例などを参考に東京三弁護士会の交通事故処理委員会が公表しているもので、実際の裁判でも慰謝料額の算定の際に基準として運用されているものです。
非常に乱暴な言い方をすると、任意保険基準は裁判基準の6〜8割程度の金額だと考えると、おおざっぱな目安になるかもしれません。
つまり慰謝料を検討し、具体的に金額を比較する場合は
@全損害額が120万円以下なら「自賠責基準と裁判基準」での計算結果の比較
A全損害額が120万円を超えるなら「任意保険基準と裁判基準」での計算結果の比較
ということです。
上記3つの基準のうち、全損害額が120万円以下なら「自賠責基準=任意保険基準」ですから、比較する場合は
@ 全損害額が120万円以下の場合は「自賠責基準と裁判基準」の比較
A 全損害額が120万円を超える場合は「任意保険基準と裁判基準」の比較
となります。
※下記の事例は後遺障害を含めず、傷害(入通院)だけについての慰謝料を考えたものです。後遺障害等級が認定された場合は下記の傷害慰謝料の他、後遺症慰謝料も別に支払われます。
→ 後遺症慰謝料について
※以下は裁判基準の慰謝料額計算方法です。 自賠責基準での慰謝料計算方法はこちら → 自賠責基準での慰謝料 |
(財)日弁連交通事故相談センター東京支部「損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)の表により、入通院(傷害)慰謝料を計算します。これは「裁判基準」とか「弁護士基準」などと呼ばれます。
なお、保険会社の基準はこれよりも低額になっています。
原則として別表Tを使いますが、「むち打ち症等(軽い打撲・軽い挫創も含む)で他覚症状がない場合」は別表Uを使用する、とされています。
●入院のみのとき
「入院のみ」の欄のうち入院期間(一番上の行の月数)に対応する部分の金額が慰謝料の基準となります。
●通院のみのとき
「通院のみ」の欄のうち通院期間(一番左の列の月数)に対応する部分の金額が慰謝料の基準となります。
●入院と通院があった場合
入院した月数と通院した月数とが交わる欄に記載された金額が慰謝料の基準となります。
入院期間は、実際に入院していた期間です。
通院期間も実際に通院していた期間をいいますが、
@通院が長期にわたり、かつ不規則である場合は実日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることがあります。
A別表Uを使う場合(むち打ち症で他覚症状がない場合や打撲、捻挫の場合)は、通院が長期にわたり、かつ不規則である場合は、実通院日数の3倍程度を通院期間の目安とすることがあります。
1月(ひとつき)は必ず30日と数えますので、80日は 「2月(ふたつき)+20日」と考えます。
別表Tで、通院2月は52万円、通院3月は73万円ですが、「2月+20日」の20日は、「2月から3月」を日割りして考えます。
つまり計算式としては (73-52)×20/30 = 14(万円)
これに2月の52万円を足して、80日の通院慰謝料は 66万円(=52+14)が通院慰謝料の基準額となります。
入院も通院もどちらも「ちょうど○か月」とならない場合は、「別表Tの入院期間と通院期間が交差するマス」を探せませんので、このような場合は「入院のみの一番上の行」と「通院のみの一番左の列」の数値で計算します。
入院50日分の入院慰謝料は、上で説明したように「1月+20日」と考えて、2月と1月の差を20日で日割りします。
53+(101-53)×20/30 = 85(万円)・・・※1
となり、これが入院分です。
次に,通院170日分ですが、ここは単に「170日分」と考えるのではなく、通院前の入院期間を加えた「50+170=220日」分の通院慰謝料の金額から、50日分の通院慰謝料の金額を引く」と考えます。そうすると
通院220日分(=7月+10日)の通院慰謝料は 124+(132-124)×10/30= 126.6(万円)
通院50日分(=1月+20日)の通院慰謝料は 28+(52-28)×20/30= 44(万円)
従って通院分は、220日分から50日分を引いた170日分の
126.6-44= 82.6(万円)・・・※2
となり、これが通院分です。
最後にこの入院分(※1)と通院分(※2)を合計した金額
85+82.6 =167.6 万円
が、入院50日、通院170日に対応する入通院慰謝料額となります。
被害者が幼児を持つ母親であったり、仕事等の都合など被害者側の事情により特に入院期間を短縮したと認められる場合には、上記金額を増額することがあるとされています。
入院待機中の期間及びギプス固定中等安静を要する自宅療養期間は、入院期間と見ることがある、とされています。
脳・脊髄の損傷や多数の箇所にわたる骨折、内臓破裂を伴う障害の場合は、通常生命の危険があることが多く、これらの症例の場合で絶対安静を必要とする期間が比較的長く継続した時、あるいは症状の回復が思わしくなく重度の後遺障害が残り、あるいは長期にわたって苦痛の大きい状態が継続した時などは、特に症状が重いものとして上限額の2割程度まで基準額を増額してもよいとされています。
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