政府の保障事業に請求をしようとお考えの方は、ひき逃げに遭って加害者が不明だったり、加害者がいても自賠責保険にすら入っていなかったり、自分の保険会社にも相談できなかったりと、非常に不安な気持ちでいることと思います。
→ 政府保障事業とは
最後の望みの政府の保障事業に請求することは分かったが、具体的にどうすればいいのか、今後どうなっていくのか、という疑問をお持ちの方にむけて、こちらでは具体的な手順の説明をしていきたいと思います。
政府保障事業へ請求するには、そのための「請求書類」が必要です。これは書式が決められておりますので、まずはこの請求書類の入手です。
最初は、どこでもいいので自動車保険を扱っている損害保険に電話をします。なじみがある保険会社があればそこでいいですし、全く分からなければとりあえず東京海上日動火災とか三井住友海上火災保険とか損保ジャパンなど、大手に電話してみるのがいいと思います。
電話では「ひき逃げに遭って加害者が不明で、政府保障事業へ請求しようと思っているので、そのための『請求書類一式』を送ってください」と言ってください。
そうすると、その損害保険会社から、政府保障事業へ請求するための書類一式が送られてきます。
国に請求するとは言っても、今後はその損害保険会社が窓口になります。
送られてくる書類は、
@政府保障事業のご案内
A政府保障事業への請求書類
B政府保障事業への請求書類の記入例
C返信用封筒
です。
@「政府保障事業のご案内」は、政府保障事業の説明や要件、必要書類などの概要が記載されているパンフレットのような小冊子で、損害保険料率算出機構の「自賠責損害調査センター保障事業部」というところが出しているものです。これを一通り読むと、全体像が分かります。
その後ご自身ですることは「B政府保障事業への請求書類の記載例」を見ながら「A政府保障事業への請求書類」を書くことと、その他の必要書類をそろえて行くことです。
請求書類の記載内容やその他の必要書類は、大体自賠責保険への請求書類と同じです。
病院でお願いする「診断書」や「診療報酬明細書」、「後遺障害診断書」などもありますが、何とかがんばってそろえましょう。
→交通事故証明書とは何か?見方は?
必要書類がそろったら、それらをまとめて発送します。発送先は、資料を要求した損害保険会社です。
政府保障事業への請求が自賠責保険への請求と少し違ってくるのは、この後です。
保障事業へ請求する場合は、ひき逃げなど相手が不明であることが多いので、事故現場の確認や、事故の状況の照会、怪我の状態や通院状況の照会などが、しつこいぐらい来ます。
特に事故の状況については、その前後の申請者の行動や、何故その時間にその場所を通る必要があったのかなど、かなり詳しく質問されます。
質問されると言っても全て書面で、その相手は「自賠責損害調査センター保障事業部」です。
政府の保障事業への請求後、後遺障害等級の認定や支払いやなどがなされる時期が、自賠責保険への請求に比べてかなり時間がかかると言われていますが、その理由は、保障事業部が上記の「質問事項」を用意して申請者に送り、それに対して申請者が回答し、その後保障事業部がその回答内容を検討して結果を出す、その間に必要があれば保障事業部が現場の確認もする、というような手間をかけているからです。
これらのことをやり遂げたのち、しばらく経つと支払いがあります。
案件によって違いますが、時期の目安は申請してから4か月程度だと思ってください。ただ実際には申請するまでもいろいろな準備で1〜2か月はかかっていると思いますので、半年はかかると考えておいた方がいいでしょう。
ここまで全体像を説明しましたが、実際に書類を書いたりそろえたりしていくと、良く分からないことが必ず出てきます。
その様なときには、遠慮せずお問い合わせください。
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