TEL.03-5393-5133
〒177-0042 東京都練馬区下石神井1-8-27-305
橋本行政書士事務所
任意保険の対人賠償保険では、免責事由(保険金を払わない場合)で「同僚災害(同僚間災害)」というものがあります。
任意保険の対人賠償保険(自賠責保険ではなく)では「以下の人が被害者になった場合は対人賠償の支払いがありません。」として、
@被保険者の業務に従事中の使用人
A被保険者の使用者の業務に従事中の他の使用人
という項目があります。
これを分かりやすく言うと、
@は「加害者が社長で被害者がその社員だったような場合(被害者が、加害者の使用者だった場合)は対人賠償保険は使えません」
Aは「仕事中の事故で、加害者と被害者が同僚(どちらも同じ会社の従業員)だった場合には対人賠償保険は使えません」
ということです。
会社の車で二人で営業中、運転手がハンドル操作を誤って自損事故を起こし、同乗していた同僚が怪我をした、というような場合には対人賠償保険は使えません。
→
同じ会社のトラック2台で客先へ向かっている途中、一方のトラックの不注意でももう一方のトラックに衝突し、衝突された方の運転手が怪我をした場合、これも「同僚災害」となり、トラックの対人賠償保険は使えません。
これは、仕事中の事故は民間の対人賠償保険ではなく、国が運営する労災保険から支払いがなされるのが筋でしょう、という考えに基づいているようです。
ただ、労災保険からは当然治療費や休業損害などの補償はされますが、慰謝料という概念が無い、つまり慰謝料は労災保険からは支払われませんので注意が必要です。
被害者が慰謝料を請求しようと思ったら、加害者本人に請求することになるわけです。
とはいえ、現実的には何かしらの保険を頼ることになるはずです。
(1)まず、自賠責保険は同僚災害でも使えますので、自賠責基準にはなりますが慰謝料も支払われます。
(2)自賠責は限度額が決まっていますので(120万円)、それを超えた場合あるいは最初から、人身傷害保険を使うことが考えられます。そうすれば、約款で決められた計算方法ではありますが、慰謝料(精神的損害)が支払われます。
(3)また、マイカーを業務に使っていたような場合は、任意保険に入っていれば「同僚災害担保特約」が標準で付いていますので、対人賠償保険の支払いもあります。
このように、同僚災害だからといって直ちに保険が使えないというわけではなく、いろいろな特約で賄えることがおおいので、すぐあきらめずによく調べてみることが大切です。
関連項目 |