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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
こちらでは上肢の主な外傷に関して症状や後遺障害について、説明していきます。
関節とは骨と骨の連結部分ですが、外力などによって骨と骨が向かい合っている面がずれて元に戻らなくなることがあり、これを関節の脱臼といいます。
肩関節は最も脱臼しやすい関節で、人体に発症する脱臼の約半数が肩関節脱臼であるとも言われています。
関節にはごくわずかしか動かない「不動関節」と、大きく動く「可動関節」に大別されますが、可動関節の両骨端の形は、大抵はどちらかの骨端が凸方になっていて、それと接するもう一方の骨の骨端は凹型になっています。
凸型の方を「関節頭」(かんせつとう)といい、凹型の方を「関節窩」(かんせつか)といいます。
肩関節の脱臼は前方脱臼と後方脱臼がありますが、肩甲骨関節窩は前開き(体の前に開いている)になっているので、ほとんどが前方脱臼です。
患者は肩関節の痛みのため、上肢を動かすことができず、もう一方の手で支えなければならない状態となります。
見た目では、上腕骨の骨頭がずれてしまっているので、肩の外側がへこんでいたり、肩峰が突出するなど外見上の異常が確認できます。
2方向からの単純X線撮影で確認しますが、体幹冠状面(真正面から見た垂直面。体が時計の12時の方向を向いていたとしたら、3時から9時を結ぶの面のこと)から内側に30度の角度を肩関節撮影の「正面」と呼び、その正面と直交する面との2方向での撮影となります。
脱臼の整復後(骨の位置を元に戻した後)に腱板損傷などが疑われる場合には、MRI検査で確認をします。
脱臼を整復する方法は、
①患者の脱臼した方の脇の付け根に整復者の足をいれ強引に引っ張り整復を行うHippocrates法や、
②立体パズルのようにはめ込むKocher法
などがありますが、いずれも骨折や神経血管損傷を起こす危険性があるといわれており、現在では
③ベッドの上に腹臥位となり、脱臼のある方の腕の先に5~8kgの重りをつけて牽引するStimson法や、
④整復者が体を固定したうえで脱臼のある側の腕を引っ張りながら拳上させていく拳上位整復法
が安全かつ有効とされています。
その後は3週間ぐらい固定して、おじぎ運動・振り子運動などの他動関節可動域訓練から初めて、その後徐々に自動運動を行っていきます。
後遺障害は、その後習慣性脱臼となった場合に12級相当として12級が認定されます。
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