本文へスキップ

上肢の外傷の種類と後遺障害について(腱板損傷)

TEL.03-5393-5133

〒177-0042 東京都練馬区下石神井1-8-27-305
橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)

トップページ > 後遺障害等級を取ろう > 上肢の外傷の種類と後遺障害 >腱板損傷

上肢の外傷の種類と後遺障害

こちらでは上肢の主な外傷に関して症状や後遺障害について、説明していきます。

  • ●鎖骨骨折
  • ●肩関節脱臼
  • ●腱板損傷
    • 腱板損傷とは

      腱板は、肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋から成り、医学的には回旋筋腱板と呼ばれます。

      腱板の機能は
      ①上腕骨頭を肩甲窩に引きつける
      (「窩」とは関節を形成する二つの骨のうち、凹んでいる方のことです。凸の方は「頭」といいます)。
      ②上腕骨を回旋させる。
      ③三角筋と共同して外転力として働く

      などで、腱板の損傷によりこれらの機能に影響が現れます。

      交通事故では、転倒などで手をついてひねった時に棘上筋腱を損傷することが最も多くなっています。

      腱板の損傷は「完全断裂」と「部分断裂」に分類されます。


      症状

      • 自覚症状は、激しい痛み(肩関節痛)と関節可動域制限です。肩関節痛は「運動時痛」と、就寝中の朝方気温が下がるころや寝返りなどで生じる「夜間痛」です。

        完全断裂の場合は自分で腕を上げることはできません。

      確認の検査

      • 単純X線やMRIなどの画像検査です。必要に応じて造影剤を使って関節造影検査で確認します。

        また、以下の徒手検査でも確認します。

        轢音検査
        肩関節の自動、他動運動時に生じる軋轢音を確認する検査。腱板断裂部が固くなってしまい、動かした時に挟まれて音を生じます。
        ドロップアームサイン
        椅子に座って、腕を真横に伸ばして直角よりも少し上まで、検者が手を添えて持ち上げたのち、手を放します。患者の腕が自然に下がってしまったり、弱い力で下がってしまった場合に陽性とします。
        スピードテスト
        座った状態で、肘を伸ばして腕を体の前に水平に(体とは垂直に)伸ばし、手のひらは上へ向けます。この状態で検者は患者の手首のあたりに下に向かって力を加え、患者がこれに抵抗する際の痛みなどの確認をする検査です。
        ヤーガソンテスト
        腕を下に下げた姿勢から肘を90度曲げた状態で、検者が患者の腕をつかんで腕を内旋、回内させるように力を加え、患者はこれに抵抗し、痛みなどの確認をします。
        棘上筋テスト
        腕を伸ばした状態で真横に90度外転(水平まで上げる)、腕は内旋(手のひら後方を向く感じ)、この状態から検者が腕を押し下げたときの痛みなどの確認をします。
        リフトオフテスト
        手の甲を背中(腰のあたり)に当てた状態で、手を体から放すことができるかどうかを見る検査です。

      治療と後遺障害

      • 治療は保存療法手術療法があり、患者の年齢、環境、急性期か慢性期か、完全か部分断裂かなどを考慮して選択します。

        保存療法は、急性炎症が治まったらホットパックやストレッチングなどの理学療法を続け、残存した腱板の機能回復のための訓練を行います。

        手術療法は縫合を行う腱板修復術や、肩峰下除圧術などがあります。

        後遺障害として肩関節の機能障害(10級10号、12級6号など)とされるためには、可動域制限や徒手検査での所見(特にドロップアームサイン)に加えて、MRIや関節造影検査など画像で確認できることが必要です。

        腱板損傷があるとレントゲン写真で肩峰と上腕骨頭の裂陵が狭くなっているのが分かりますが、後遺障害についてはレントゲン検査だけでは立証が足りないとされてしまいます。

        MRIは、T1強調像で骨の状態や腱板の脂肪変性の状態を確認し、T2強調像で断裂の程度を確認します。

  • ●上腕骨近位端骨折
  • ●上腕骨骨幹部骨折
  • ●肘関節脱臼および脱臼骨折
  • ●前腕骨骨折
  • ●Galeazzi(ガレアッチ)骨折
  • ●手関節部骨折(橈骨遠位端骨折・手根骨骨折・手根骨脱臼)
  • ●上肢の神経麻痺(橈骨神経麻痺・尺骨神経麻痺・正中神経麻痺)
  • ●骨折の分類


関連項目

問合せフォーム


このページの先頭へ