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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
こちらでは上肢の主な外傷に関して症状や後遺障害について、説明していきます。
腱板は、肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋から成り、医学的には回旋筋腱板と呼ばれます。
腱板の機能は
①上腕骨頭を肩甲窩に引きつける
(「窩」とは関節を形成する二つの骨のうち、凹んでいる方のことです。凸の方は「頭」といいます)。
②上腕骨を回旋させる。
③三角筋と共同して外転力として働く
などで、腱板の損傷によりこれらの機能に影響が現れます。
交通事故では、転倒などで手をついてひねった時に棘上筋腱を損傷することが最も多くなっています。
腱板の損傷は「完全断裂」と「部分断裂」に分類されます。
自覚症状は、激しい痛み(肩関節痛)と関節可動域制限です。肩関節痛は「運動時痛」と、就寝中の朝方気温が下がるころや寝返りなどで生じる「夜間痛」です。
完全断裂の場合は自分で腕を上げることはできません。
単純X線やMRIなどの画像検査です。必要に応じて造影剤を使って関節造影検査で確認します。
また、以下の徒手検査でも確認します。
治療は保存療法と手術療法があり、患者の年齢、環境、急性期か慢性期か、完全か部分断裂かなどを考慮して選択します。
保存療法は、急性炎症が治まったらホットパックやストレッチングなどの理学療法を続け、残存した腱板の機能回復のための訓練を行います。
手術療法は縫合を行う腱板修復術や、肩峰下除圧術などがあります。
後遺障害として肩関節の機能障害(10級10号、12級6号など)とされるためには、可動域制限や徒手検査での所見(特にドロップアームサイン)に加えて、MRIや関節造影検査など画像で確認できることが必要です。
腱板損傷があるとレントゲン写真で肩峰と上腕骨頭の裂陵が狭くなっているのが分かりますが、後遺障害についてはレントゲン検査だけでは立証が足りないとされてしまいます。
MRIは、T1強調像で骨の状態や腱板の脂肪変性の状態を確認し、T2強調像で断裂の程度を確認します。
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