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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
こちらでは上肢の主な外傷に関して症状や後遺障害について、説明していきます。
上腕骨とは、肩関節から肘関節までの間の太い長管骨のことです(二の腕の部分)。長管骨とは、身体の骨のうち管状の形をしたものです。
上腕骨近位端骨折とは、この上腕骨の近位端、一番肩に近い部分の骨折のことで、全骨折中の5%を占めるとされる、頻度の高い骨折です。
全体の3/4が60歳以上の高齢者で、転倒して手をついたときに多く発生しています。
若年者では、交通事故の他、スポーツ外傷などで発生します。
上腕骨近位端骨折では、80%が保存的治療(手術をしない治療)の適用となっていますが、転位(骨のズレ)が大きい場合は手術療法が選択されます。
受傷直後は激しい痛みがあり、骨折部が腫れあがります。転位が強い場合は患部に変形がみられることもあります。
2方向からのX線撮影を行います。
転位が大きくて骨折の型(2part、3part、4partや外科頚、大結節、小結節など)の判断が困難な場合には、3D-CTの撮影をします。
X線の画像で骨折が明らかでない場合にはMRI検査が骨折の有無の判断には有効です。
転位(ズレ)が無ければ2~3週間の体幹固定で回復します。その後振り子運動を開始して、X線画像で仮骨が確認されたら自動運動に入っていきます。
手術療法は、高齢で骨粗鬆が強い場合にはプレートによる固定では不安があるため、髄内釘固定が採用されます。
髄内固定法(髄内釘固定)とは、骨の中心部に長いロッド(棒)を挿入し、骨の内部から固定する方法です。
上腕骨近位端骨折での髄内固定法は、腱板を縦切りする必要があり抜釘も困難です。
骨質の良い若年者では、関節内や腱板の処置をする必要のないプレート固定がよく採用されます。
プレート固定法とは、骨の外側にプレートを当て、骨の外部から固定する方法です。
後遺障害は、肩関節の機能障害となります。関節の可動域が健側と比べて1/2以下に制限されていれば10級10号、3/4以下に制限されていれば12級6号となります。
ただ、可動域制限があれば無条件に認定されるわけではなく、関節部分の骨折後の癒合不良や関節周辺組織の変性による関節拘縮、神経の損傷など、器質的損傷が生じていることが必要です。
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