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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
こちらでは上肢の主な外傷に関して症状や後遺障害について、説明していきます。
手関節は、前腕骨である橈骨、尺骨と、いくつかの手根骨から構成されています。
手根骨は石ころのような形の骨で、近位手根列(体に近い側)に
「舟状骨(しゅうじょうこつ)」
「月状骨(げつじょうこつ)」
「三角骨(さんかくこつ)」
があり、遠位手根列に
「大菱形骨(だいりょうけいこつ)」
「小菱形骨(しょうりょうけいこつ)」
「有頭骨(ゆうとうこつ)」
「有鉤骨(ゆうこうこつ)」
で形成されています。
関節としては、前腕骨である橈尺骨と近位手根列の間を橈骨手根関節、近位手根骨と遠位手根骨の間を手根中央関節といいます。
手関節部(手首の関節)の骨折で最も多いのが橈骨遠位端骨折で、転倒して手をついたときに、橈骨の関節部分が骨折します。
症状としては手関節痛や手関節の変形、膨隆が見られ、運動制限があります。
橈骨の遠位(手首側)に圧痛点や轢音(れきおん)があります。
正中神経麻痺を併発することが多いです。
橈骨ではなく、手根骨骨折の中で頻度が高いのが舟状骨(しゅうじょうこつ)骨折です。
これは手首を伸展(手の甲側にそらせる=背屈)しているときや親指側に傾けている(橈屈)状態で手をついた際に生じます。
症状としては、親指の付け根あたりに圧痛を感じることが多いですが、ほとんど痛みを感じないということもあるようです。
親指や人差し指を軸方向に圧迫(突き指する時の方向)したり、手首を強制的に伸展させて回したりすると痛みを感じます。
転倒して手のひらをついた際に、手関節が強制的に背屈され、月状骨を残してその周囲の舟状骨、三角骨、その他の遠位手根列の骨が入側に脱臼する状態が月状骨周囲脱臼で、それら周囲の骨が整復される際に月状骨が手のひら側に押し出されて脱臼する状態が月状骨脱臼です。
症状としては、痛みとともに顕著な腫脹があり、腫れあがります。
X線撮影が最も有効です。
橈骨遠位端骨折では正面像、側面像で確認できる場合が多いですが、関節内粉砕骨折の場合は骨片の確認のため両斜位像も追加します。
舟状骨骨折では正面像と側面像だけでは骨折線の確認ができない場合があるので、回内位や尺屈位、指屈曲位などのX線撮影をしたり、断層X線やCTも骨折線の確認のために有効です。
月状骨周囲脱臼や月状骨脱臼は、正面像では手根骨の重なりを見て、側面像では月状骨と有頭骨の位置関係を確認します。
いずれの骨折や脱臼も、X線で判断ができない場合はMRIが有効です。
手根不安定症とは、手根骨の脱臼、骨折などの外傷に伴った、二次的な症状です。
手根骨間靭帯損傷や舟状骨骨折などが生じると、近位手根骨(舟状骨、月状骨、三角骨)は非常に不安定化します。
特に月状骨の異常は特異的で、舟状・月状骨間かい離の場合は背屈(手のひらをそらす側)に変形し、月状・三角骨間かい離の場合は掌屈(手のひらが閉じる側)に変形します。
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