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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
こちらでは上肢の主な外傷に関して症状や後遺障害について、説明していきます。
膝関節は、大腿骨と下腿(脛骨、腓骨)が主に4つの靭帯でつながっています。
その4つの靭帯とは、
前十字靭帯(ACL)
後十字靭帯(PCL)
内側側副靭帯
外側側副靭帯
です。
このうち前十字靭帯と後十字靭帯は、膝が前後にずれるのを防ぐ役割があり、特に前十字靭帯は膝から下が前にずれるのを防いでいます。
前十字靭帯損傷は、膝に直接大きな外力を受けたときにも起きますが、多くの場合は膝をひねった時に衝撃を受けたりバランスを崩したりした際に発生します。
受傷から間もない頃の主な症状は、膝部の痛みです。そして多くの場合、断裂した前十字靭帯からの出血のために膝が腫れあがり、関節可動域が制限されます。
また、受傷から日数が経過してからは膝がくずれたり、膝の不安定感を感じる状況となります。
膝関節の徒手動揺性検査として、主にラックマン(Lachman)テストを行い、膝のぐらつきの程度や有無などを確認します。
これは、医師(検者)が患者の足に直接触れて行う検査で、膝を15~20°屈曲させた状態で膝から下を前方に引き出します。
前十字靭帯断裂の場合は、膝から下が前方に異常なほど引き出されます。
前方引き出しストレスをかけた状態でX線撮影を行うのが「ストレスX線検査」です。
断裂がある場合は脛骨がずれた状態で撮影されます。
MRI検査も非常に有用とされていて、前十字靭帯損傷に対する正確性は97~98%と言われています。
ただ、MRIでは部分損傷か完全損傷かの区別が困難なので、必要に応じて関節鏡を行って直接損傷を確認することもあります。
関節鏡とは、関節部分に直接差し込んで確認する内視鏡です。
前十字靭帯損傷の程度が軽度だったり、今後激しい運動をするようなことがない場合には、保存療法(手術をしない治療)を行うことがあります。
それ以外では手術療法となりますが、縫合修復手術は困難なので、靭帯の再建術(ACL再建術)となります。
ACL再建術は関節鏡視下で行われ、自分の別の靭帯(多くは内側ハムストリング腱)を使って再建します。
事故から時間がたってからの手術では必ずしも改善されるとは限らないと言われています。
保存療法でも膝関節の動揺性を残すことがあり、その場合、常に硬性補装具を必要とするものには8級が認定されます。
関節に動揺性を残し、時々硬性補装具を必要とする場合は10級、激しい労働に限って硬性補装具が必要な場合は12級です。
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