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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
こちらでは上肢の主な外傷に関して症状や後遺障害について、説明していきます。
膝を構成する靭帯の損傷のうち、一番多いのが内側側副靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう:MCL損傷)です。
受傷原因は、交通事故の他、スポーツの最中や日常での転倒など、多岐にわたります。
MCL損傷はその損傷程度により、以下の1度から3度に分類されます。
1度 | 損傷部の圧痛のみで外反不安定性はない |
2度 | 膝関節系度屈曲位で外反不安定性を認める |
3度 | 軽度屈曲位だけでなく伸展位でも外反不安定性を認める |
最も重い3度損傷は、十字靭帯損傷を合併している場合がきわめて多くなっています。
受傷直後の症状は、膝の内側の痛みです。また、断裂したMCLから出血するので、内側部分が腫れあがります。
外反ストレステスト(外反動揺性テスト)で確認します。
これは検者(医師)が被検者(患者)の膝を外側から(被検者の右下肢なら、検者の左手で膝の外側を)抑えて、同時に下腿の足首近くのあたりを内側から外側に向かって検者の右手で力を加えます。
その結果、健側と比べて側方動揺性(関節のぐらつき)があれば、内側側副靭帯損傷(MCL損傷)であることが確認できます。
X線検査は必須です。MCLの骨付着部の裂離骨折や他の骨病変を確認します。
MRIは膝痛がひどくて関節動揺性検査を行うことができない場合や、他の靭帯損傷との合併症の確認などに非常に有用です。
単独の内側側副靭帯損傷であれば、保存療法が原則となります。
受傷直後から数日間の安静後、膝関節運動や筋力増強運動を行って膝機能の回復に努めます。
不安定性のある2度や3度損傷に対しては、MCL損傷用の装具を使うことが有用です。
こうして保存療法を行った場合、日常生活が支障なく送れるようになるまでは3週間程度です。
ACL損傷(前十字靭帯損傷)を合併している場合は、手術療法を検討します。
この場合でも、ACL損傷に対しては手術をしますが、MCL損傷については保存療法を行う、という考え方が多くなってきているとのことです。
後遺障害は、動揺関節による機能障害と、神経症状が考えられます。
ストレスX線検査で健側と比較して不安定性が立証されれば、10級もしくは12級が認定されます。
その他には、損傷部分の神経症状(痛み)で12級13号または14級9号が認定されることがあります。
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