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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
こちらでは上肢の主な外傷に関して症状や後遺障害について、説明していきます。
膝の靭帯のうち、後十字靭帯は膝から下が、後ろ側にずれることを防いでいる靭帯です。
ですから交通事故の際に膝をダッシュボードに強く打ちつけて、後ろ方向に大きな外力がかかったときに受傷することが多く、スポーツで受傷することが多い前十字靭帯損傷に比べて、後縦靭帯損傷は交通事故や労災事故での割合が50~60%と多くなっています。
受傷直後には膝の痛みを感じます。前十字靭帯損傷と同じく損傷した靭帯から出血するので腫脹がありますが、量は少なめです。
膝から下(脛骨)が異常に後方にずれる、脛骨後方不安定性が生じます。
仰臥位(あおむけ)で膝関節を約90°屈曲して、脛骨を検者(医師)が手で後方に押し込んで確認します。
健側と比較するとわかりやすいのですが、ACL(前十字靭帯)損傷での動揺性と混同しやすいので注意が必要です。
膝前後不安定性を認めた場合に、ACL(前十字靭帯)損傷との鑑別に有用なテストです。
仰臥位(あおむけ)で膝関節を約90°屈曲して、脛骨を検者(医師)が足関節を固定し、被験者(患者)に膝の伸展をさせた際に脛骨粗面の前方移動があれば後十字靭帯損傷、認めなかった場合は前十字靭帯損傷と判断します。
MRIによる後十字靭帯損傷の診断率は100%と言われており、非常に有用です。
後方押し出しストレスをかけた状態でX線撮影を行うのが「ストレスX線検査」です。
断裂がある場合は脛骨がずれた状態で撮影されます。
上で説明した前十字靭帯損傷(ACL損傷)が手術対応になることが多いのに対して、後十字靭帯損傷(PCL損傷)は、保存療法が第一選択とされます。
保存療法は、主に大腿四頭筋訓練、装具療法です。
ストレスX線検査で10㎜以上の動揺性が認められる場合は手術の対象となり、関節鏡視下で靭帯再建術を行います。
事故から時間がたってからの手術では必ずしも改善されるとは限らないと言われています。
保存療法でも膝関節の動揺性を残すことがあり、その場合、常に硬性補装具を必要とするものには8級が認定されます。
関節に動揺性を残し、時々硬性補装具を必要とする場合は10級、激しい労働に限って硬性補装具が必要な場合は12級です。
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