(質問)
自賠責保険と任意保険で過失相殺の仕方は違うと聞いたけど、どういうことでしょうか。
(回答)
交通事故は必ずしも加害者の責任が100%で起こるだけではなく、被害者にもある程度の責任(過失)があることも多いです。
被害者の損害額を考える場合、被害者にも過失がある時にはその割合(過失割合)に応じて減額(相殺)して、被害者にも損害賠償責任を負担させることになっています。これが過失相殺制度です。
(過失相殺についてこちらで詳しく説明しています→「過失相殺とは」)
ところで自賠責保険と任意保険の過失相殺の仕方に違いですが、通常、任意保険や裁判など、ほとんどの場合は過失相殺をします。これは実際に発生した損害を填補するための制度だからです。
それに対して自賠責保険に限っては、被害者救済の意味合いが強く、被害者に重大な過失があった場合に限って減額をする、ということになっています。
実際には被害者の過失が70%未満であれば過失相殺されず、損害額は全額(自賠責の補償範囲内で)支払われます。70%以上の過失がある場合は、補償額が2割減額されます。そして被害者の過失が100%であった場合には、自賠責保険からも全く支払はされないことになります。