(質問)
私は運送会社を営んでいますが、先日トラックでバックする際に子どもをひいて重傷を負わせてしまいました。当社のトラックにはバックする際に「バックします」という音声を連続で発する機能が付いていますが、子どもは遊びに夢中で気づかなかったようです。この場合の過失割合はどうなるのでしょうか。
(回答)
子どもを傷つけられた親としては全て相手が悪いと思うのも無理のないことですが、法律の世界では損害賠償の算定に当たっては客観的に判断がなされます。
まず路上で遊ぶことは違法です。子どもとはいえ、この点は過失相殺の対象となります。この場合の基本的過失割合は、運転手対子どもで80対20となります。
次に修正要素です。まず運転手側については、後方を確認しないままバックしたことが一番大きな過失です。道路交通法上、バックする際は後方確認が義務付けられています。それと、ゆっくりバックせずに子どもに重傷を負わせるほどの速度だったことも運転手に不利益な材料です。10%ほど加算されます。
また、車にバックを知らせる音声機能が付いていたことと、事故現場が車道だったことは子どもに不利に作用します。15%ほど加算されます。この場合ですと、結局過失割合は運転手対子どもで、75対25程度になると思われます。