交通人身事故Q&A・ご相談ください。

交通事故Q&A

• Ｑ１．自賠責保険と任意保険で過失相殺の仕方が違うと聞きました
• Ｑ２．被害者が不真面目なため治療が長引いています
• Ｑ３．事故後に息子がウツになり自殺してしまいましたが、請求できますか
• Ｑ４．交通事故で怪我の治療中に、また事故に遭ってしまいましたが
• Ｑ５．婚姻届を出す前に夫が事故で死亡しましたが・・・
• Ｑ６．事故の原因は修理業者の整備ミスでした
• Ｑ７．道路の穴にはまって転倒し怪我をしました。自分が悪いのでしょうか
• Ｑ８．横断禁止の道路を渡って事故に遭いました
• Ｑ９．バックしたら路上で遊んでいた子供を轢いてしまいました
• Ｑ10．泥酔者が突然飛び出してきたので轢いてしまいました
• Ｑ11．客として乗っていたタクシーが事故を起こして怪我をしました。誰に請求するのでしょうか
• Ｑ12．従業員が休日に無断で会社の車を使用して事故を起こしました。会社にも責任があるのでしょうか
• Ｑ13．労災保険が支給されるが、自分にも過失がある場合の過失相殺の方法は？

  • （質問）
    タクシー会社に勤める父は勤務中に交差点で事故に遭い、重傷を負いました。過失は相手70％、父が30％です。被害額1000万円のうち労災保険から600万円支給されていますが、今後損害賠償額の算定に当たり、過失相殺と労災給付金控除のいずれを先にするべきでしょうか。
    
    （回答）
    本件のように過失相殺の必要があり、なおかつ労災保険の給付があるような場合に、加害者の支払うべき賠償金の計算方法については2つの考え方が長く対立してきました。
    
    1つは、まず被害者の総損害額を計算して過失相殺を適用し、その残額について労災保険から支給された給付金を差し引いて賠償額を算出するという方法です。この考え方は、労災保険も損害の填補を目的とする制度である点を重視します。本件ですと、総損害額1000万円の70％の700万円から労災給付金600万円を差し引いた100万円が賠償金ということになります。
    
    もう1つは、被害総額を計算してまず労災給付金を控除し、その残額に過失相殺をして賠償金額を算出する方法です。本件の場合は1000万円からまず600万円を控除し、残額の400万円に過失相殺をした280万円が賠償額となります。
    
    双方の主張が対立してきましたが、平成元年に最高裁判所が前者の算出方法を採用したため、現在では総損害額を先に過失相殺して残額から労災給付金を差し引く計算方法が裁判では多くとられています。
    
    　→　こちらもご参照ください「過失相殺と損益相殺の先後関係」

• Ｑ14．生命保険や傷害保険は損害賠償額から控除されますか？