(質問)
私は交通事故の加害者ですが、被害者が入院中に担当医の指示に従わずに勝手に外泊するなど治療に対して不真面目なため、入院期間が長引いています。真面目に治療をしていたらもっと短期間で治っていたはずですが、これでも賠償金を全額支払わなければならないのでしょうか。
(回答)
ご質問のように、事故後の被害者の態度によって損害が拡大した場合、過失相殺によって損害賠償の支払いを減額できる可能性があります。
過失相殺(過失割合による減額)は、事故が発生した時の状況だけに関係することではなく、事故の後に被害者が通常要求される注意を怠ったために損害が拡大したときも、過失相殺の制度が適用されます。
ただ事故後の態度が損害拡大の要因になったのかどうか、その割合はどの程度なのか、ということを証明するのは非常に難しいと思います。
実際には被害者の損害を全額認めたうえで、その後過失を認定して過失相殺を行って最終的な賠償額を算定する、というやり方になります。
とはいえ、事故状況と違って「典型例やその割合」の目安などが公表されているわけではありませんから、もめる部分となりそうです。