(質問)
3か月ほど前に停止中に後ろから追突され、むち打ちになり治療中なのですが、つい最近また軽トラに追突を受け、同じ箇所に以前よりも思い症状が残りました。この場合はどちらに損害賠償を請求するのでしょうか。
(回答)
被害者にとって加害者が複数存在する場合は「共同不法行為」となりますが、今回のように事故が別の機会に発生した場合は特に「異時共同不法行為」と呼ばれます。
第1事故と第2事故で、怪我の部位が別々なら、それぞれの怪我ごとにそれぞれの相手に請求すればいいので問題ありません。とても分かりやすいです。
問題は今回のように第1事故と第2事故とで同じ部位(今回は首)を怪我した場合です。
この場合は被害者の損害を第1事故と第2事故の寄与率(責任の大きさの割合)に応じて、それぞれの加害者が負担することになります。
言葉では分かりにくいのですが、実務上の手順としては被害者は、第1事故に遭って以降は第1事故の加害者の保険会社に治療費などを払ってもらいますが、第2事故が発生した後は治療費は第2事故の方の保険会社に払ってもらう(請求する)ことになります。
第2事故から6か月経過すると症状固定として後遺障害の申請をし、後遺障害等級が認定されたらその損害は第2事故の保険会社に全額請求すればいいです。
第2事故の保険会社は被害者に賠償金を払った後、第1事故が後遺症に寄与すると思われる分を第1事故の保険会社に請求します。
実務上は、被害者は第1事故と第2事故の責任割合のことなどは気にせず、どちらかの事故の保険会社に全額請求すればいいのです。
責任割合のことはあとで保険会社同士(加害者同士)で話し合って決めてください、ということです。