(質問)
車検のために修理工場に預けておいた車を取りに行った帰り、ブレーキが故障していて事故を起こし、歩行者にケガを負わせてしまいました。この場合でも私に責任があるのでしょうか?
(回答)
修理工場を出た直後に事故が起こっていますので、ブレーキが故障していたのは修理業者の修理ミスであることは確かです。このような場合は、修理業者に対して損害賠償を請求することができます。
ただし修理業者が問われるのは修理ミスという民法上の不法行為あるいは債務不履行なので、怪我を負った被害者に対する自賠法上の責任は、運転していた者にあることになります。つまり運転者は被害者に対して怪我の治療費などの損害賠償をしなければなりませんが、これらの損害は後で修理業者に請求することができるというわけです。
ただし被害者には自賠責保険から補償金が出ますから、修理業者に請求するのは全損害額から自賠責保険の給付額を差し引いた額です。もし自分も怪我をしていたら、その治療費は修理業者に請求します。自分の怪我に対しては自分の自賠責保険からは支払われないからです。
修理業者は請求された金額が違法なものでない限り、支払わなければなりません。