治療関係費として応急手当費、診察料、入院料、投薬・手術・処置料、通院・転院・入院費または退院費などがありますが、これらは実費なので「必要かつ妥当な実費」とされています。
治療で、温泉療養費というものが認められることがあります。これは温泉地で温泉を利用した療養施設(つまり病院)に入院し、医師の指導下で療養を行うことです。
患者が主治医に「先生、温泉に浸かると効果ありますか?」と質問し、医師が「そうですね。いいと思います」と答えたからといって温泉療法が認められたということではないのです。
入院料は原則としてその地域における普通病室への入院に必要かつ妥当な実費とされていますが
・被害者の傷害様態等から医師が治療上個室の利用を認めた場合
・総室満床のためやむを得ず個室を利用する場合
には個室の利用が認められます。いずれも医師の証明が必要です。
やや変わったところでは
・被害者の社会的地位等から「個室を利用することがやむを得ない」と判断されるとき
もまれに認定されるとのことです。
ですがそもそもそのような社会的地位がある人は、個室料など気にせず当然のように個室に入るはずです。
「個室料は?でるの?でないの?」と気にしている時点で上記の社会的地位がある人には該当しないと考えた方がよさそうです。
「加害者が経営する病院で治療をする」「被害者が自己経営の病院で治療を受ける」どちらも、私は1例ずつ経験しています。
この他にも、大学病院で被害者が自分の息子に診察や後遺障害の診断を受けた、という例も2例あり、医者である被害者の息子さんに後遺障害診断書の書き方などを聞かれました。
いずれも適正な治療であれば当然認定されます。