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橋本行政書士事務所

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自賠責保険徹底研究

被害者または加害者から自動車賠償責任保険(自賠責保険)へ請求があった場合、自賠責保険から損害保険料率算出機構の中の自賠責損害調査事務所へ書類が回され、その自賠責損害調査事務所で損害の調査や損害額の算定がなされます。
その損害の項目や算定基準は、国土交通省の告示によって示されていますが、ここではその各損害項目について、支払いの基準と実際の運用について説明していきます。

ーーーー実費(積極損害)についてーーーー

◆治療関係費

◆看護料

◆通院交通費

◆諸雑費

◆義肢等の費用

◆診断書等の費用

◆その他の費用

◆認められない費用

ーーーー休業損害についてーーーー

◆休業損害の考え方

◆給与所得者(会社員)

◆就労期間が短い・再就職・内定者など

◆法人や団体の役員(取締役など)

◆事業所得者(自営業者)

自営業者(商工業、農林、サービス業)や、自由業者(弁護士、司法書士、行政書士、税理士、開業医、著述業、芸能人、プロスポーツ選手など)などの個人事業者の基礎収入は、前年度の確定申告所得額によって立証しますが、業績に変動がある場合は、数年間の実績を平均して計算することもあります。

休業損害日額の計算式

休業損害額は
(事故前1年間の収入額−必要経費)÷365日×寄与率×休業日数
で求めます。
休業日数は、原則として実治療日数(入通院日数)です。ただし傷害の態様、業種等を勘案し、治療期間の範囲内で実治療日数の2倍を限度に認めることがあるとされています。

長管骨骨折によるギプス固定期間は実治療期間として取り扱います。

収入額の立証方法

自賠責保険での立証資料は「税務署の受付印がある確定申告書の控え」「報酬・料金・契約金及び賞金支払い調書」等とされています。
立証資料の提出がなされない場合でも、被害者の関係先に照会し、休業により当然収入に減少をきたすことが推定できる場合は、定額の日額6,100円を認定します。

前年度の所得証明が提出できない場合

被害者が自営業を開始してから1年未満で事故により受傷し、事故前年度の所得証明が提出できない場合は、開業してからの収支明細の提出をして、信憑性ありと判断できれば、立証資料に基づいて認定されます。

必要経費とは

自営業の休業損害日額は確定申告書の「収入−必要経費」で計算されますが、具体的には、全面休業している場合、確定申告書の所得金額に租税公課、損害保険料、減価償却費、地代家賃、の固定費部分を加算したものを基礎に休業損害を認定します。
これらの固定費は休業していてもかかるため、損害とみなされるのです。

確定申告書の控えが提出できない場合は、以下の割合を必要経費率として考えます。
・年収200万円未満→経費率は考慮されません。
・年収200万円〜400万円未満→年収に対して20%の必要経費率
・年収400万円〜600万円未満→年収に対して30%の必要経費率
・年収600万円以上→年収に対して40%の必要経費率
ただし一部以下のとおりとする。
・年収200万円〜250万円は必要経費控除後の金額を200万円とする。
・年収400万円〜457万円は必要経費控除後の金額を320万円とする。
・年収600万円〜700万円は必要経費控除後の金額を420万円とする。

寄与率とは

休業損害を考えるうえで特に分かりにくいのがこの寄与率です。
事業所得者の休業損害は「所得額−必要経費」の正味所得額に、家族専従者または使用人の人的構成から、被害者本人のその事業に対する寄与率を乗じて休業損害日額を認定する、とされています。

●完全休業または閉店している場合
被害者の寄与率は100%として認定されます。

●営業が継続されている場合
青色申告の事業者は本人の所得額が明示されていますので寄与率減額はなされません。
白色申告等に事業主については
・年間正味所得が200万円以下の場合、寄与率減額はなされません。
・年間正味所得が200万円以上の場合、60〜80%を基準として事業主本人の寄与率を認定する、とされています。
60〜80%は一応の目安であり、実情に応じて適宜認定する、とされています。

なお寄与率控除の結果、正味所得金額が200万円を下回る場合は200万円に引き上げて休業損害日額を認定します。

生命保険の外交員等の場合

(報酬・料金・契約金及び賞金支払い調書−必要経費)÷365日=休業損害日額
で計算します。
報酬・料金・契約金及び賞金支払い調書は事故前年度のものを勤務先に発行してもらいます。
休業日数についてですが、生命保険外交員は自由業者の範囲に含まれるのですが、実態は給与所得者と同様の勤務内容であることから、休業損害証明書をもとに休業日数を認定します。

個人タクシーの運転手の場合

個人タクシーの大部分は協同組合に加盟しています。
組合は、個人タクシーが休業した場合に都道府県知事に出す届出や所得申告等を代行しています。
従って、これらの資料に基づき組合が発行する休業損害証明書は信憑性のあるものと判断され、休業日数は組合が作成した休業損害証明書に基づき、給与所得者と同様の認定がなされます。

確定申告書の写しが提出された場合は、それに基づいて算出します。

協同組合に非加入の場合は、確定申告書の写しなど、信憑性のある資料の提出を求め、事業所得者の方法で認定します。
組合に加入、非加入に関わらず、寄与度は100%の取り扱いです。

◆家事従事者(専業主婦など)

◆学生・生徒

◆失業者

◆不労所得者

ーーーー慰謝料についてーーーー

◆傷害慰謝料(入通院慰謝料)

◆妊婦が事故で流産または死産した場合

◆後遺障害に対する慰謝料

◆死亡した場合の慰謝料

ーーーー逸失利益についてーーーー

◆死亡による逸失利益

◆後遺障害による逸失利益

◆有職者の年間収入額又は年相当額

◆幼児・児童・生徒・学生・家事従事者の年間収入額又は年相当額

◆その他、働く意思と能力を有するものの年間収入額又は年相当額

◆年金受給者の死亡逸失利益


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