給与ではなく報酬をもらっている法人や団体の役員(取締役など)は、交通事故受傷による休業があっても、一般的には年間の報酬額に影響が生じないので、休業損害は発生しないという取り扱いになっています。
ただし極めて小規模な法人等で、役員の休業により法人の業務に支障をきたし、結果としてその役員に休業損害が発生したと認められる場合には、以下の内容で休業損害が認定されます。
@休業損害日額は定額(6,100円)の認定がなされます。
事故前後の業績の変化を明らかにする契約書・会計帳簿・領収書等を提出し、減少額を立証すれば実額の認定も可能ですが、現実問題としてこの立証は相当に困難です。
A休業日数は原則として実治療日数(入通院日数)の範囲内とされています。ただし障害の態様、被害者の職種等を勘案し、治療期間内で実治療日数の2倍を限度に認定がなされることもあります。
長管骨骨折によるギプス固定期間は実治療日数として取り扱います。
では何をもって小規模な法人とするのか、ですが、実態が個人企業でありながら、税金対策等の必要から会社組織にしている会社で、家族を含めて従業員が5名程度の規模の会社、と説明されています。
とはいえ、実際には従業員数で判断するのではなく、あくまで実態に基づいて認定すること、とされています。